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アフターコロナのパートナー選び。退居立ち合いをオンラインで。不動産会社のテレワークはどこまで可能か

賃貸経営/管理 ニュース

2020/04/27 配信

新型コロナウィルスの影響で一気に広まったテレワークだが、不動産会社ではどこまで可能なのか。IT系企業のうちには内覧から申込み、契約までを一気通貫にしようとツールの開発に余念がないところもあるが、それ以外の地場の不動産会社ではどうなのか。IT重説スタート時から取り組んできた永幸不動産の森下智樹氏に聞いた。

日常の管理業務は問題ないが、クレーム対応には人が必要

森下氏の取材はメッセンジャーのビデオ通話機能を利用した。互いにフェイスブックを利用しているならアプリなどを用意する必要がなく、簡単
森下氏の取材はメッセンジャーのビデオ通話機能を利用した。互いにフェイスブックを利用しているならアプリなどを用意する必要がなく、簡単

森下氏は2019年年末の第一子誕生を機にどれだけ在宅で不動産業が可能かを試してみようとテレワークを開始した。現在日常的に行っているのは管理業務で、具体的には家賃その他の入出金の管理、送金、大家さんへのレポートの作成など。こうした作業に関してはテレワークで全く問題がないという。

「入出金に関してはインターネット専業の銀行を使っており、振込みに銀行に行く必要はありません。レポートの作成その他の管理ツールはクラウド利用のサービスもありますが、人数が少ない会社であればもっと簡便なソフトも。弊社では『賃貸名人』を使っています。パソコンと複合機があれば、契約、入出金関係の管理は問題ありません」。

逆に管理業務のうち、人の移動が伴うのがクレーム対応。特に怒っている人がいたり、水漏れのように入居者が他の入居者に迷惑をかけたなどといった場合には責任者が謝罪、仲裁その他にあたるしかない。設備の故障にしてもただ、修理業者を手配するだけでは足りないこともあり、そのあたりはフェイスツーフェイスの関係が必要になる。ITオンリーでは退居にも繋がりかねないはずだ。

VR内覧、スマートキーにはまだまだ問題も

問合せに対しての物件紹介はオンラインで十分可能だが、内見になるとちょっとやっかい。現状ではITオンリーで解決できない点がある。たとえばVRでの内覧が登場しているが、導入する側、利用する側、双方に問題がある。導入には設備投資がいることに加え、すでに貸している部屋は撮影ができず、空いた部屋、新しい部屋から順に用意していくことになる。導入すると言っても一気にはできないわけだ。

利用する立場として何回かVR内見を体験してみたが、率直なところ、単に部屋の中をぐるりと見られるだけで、窓外の風景や設備の詳細など見たい部分が映されていないことも多く、今ひとつ。

最近では現地にスタッフが赴き、スマホ、タブレットを使って入居希望者に実況中継風に案内をする会社も出てきており、昨今の人との接触を避けるという意味では有効。入居者が気になる部分をアップ、その場で必要な説明を加えるなどリアルな内見に近い状態に持っていけるのではないかと思う。

もうひとつ、内見ではスマートキーを利用、入居希望者が一人で室内を見る、あるいはそこにアルバイトなどが付き添うなどというやり方も出てきている。これなら不動産会社の関係者が移動する必要がなくなり、効率的に内覧してもらえるが、問題は入居希望者が不測なことをしてしまう懸念。

森下氏によると内覧時にトイレを使おうとしたり、室内で煙草を吸いかける、設備を壊す人が意外にいるそうで、そうしたことを考えると、誰かしらの立ち合いは必要かもしれない。あるいはスマートキーで入室してもらい、入居希望者が室内を見ているところに不動産会社が遠隔で立ち合い、質問に答えるなどというやり方も今後はありうるかもしれない。

また、この場合にはスマートキーそのものの問題がある。現在、かなり多くのメーカーが製品を開発しており、価格も下がってきているが、普及はまだまだ。その上、互換性の問題もある。もっと普及して利用しやすくなれば、不動産会社、あるいは入居希望者が現地で、もう一方は遠隔で質問、説明というやり方も一般的になろう。

ただし、それでもその場に行かないと分からない音や匂いの問題などもあり、また、内見時に入居希望者とやりとりすることで人となりを見極めるという意味もある。その辺りはまだまだ課題と言えるだろう。

オンラインで退去時の立会いも十分可能

契約についてはすでに賃貸ではIT重説が始まっていることから省略することとして、もうひとつの問題は退去時の立会い。ここで敷金のおおよその返還額が決まることを考えるとできれば双方立ち合いが一番問題ないが、昨今の状況では避けたいところ。

そこで、森下氏はオンラインでの退居立ち合いを2名の入居者に提案、実践した。うち一人はスカイプを使ったことがあるから大丈夫と難なくクリア。もう一人は不安げだったものの、森下氏がZOOMを設定、退去する人がスマホでそのURLにアクセスして室内を見せる形で行い、これも問題なく終了したという。

「入居者さんに玄関に行って靴箱の中を見せてください、室内全体を見せてくださいというような形で見せていただき、見た限りにおいては大体、このくらいの負担になると思いますとその場で説明、納得していただきました。加えて後日、ここで見つけられなかった細かい汚れ、傷などについては協議させてくださいともお伝えし、無事に立ち合いを終えました。ただ、今回トライアルでオンライン退居立ち合いを実施したのはそもそも、信頼関係のあった方々。ITリテラシーの有無も大事ですが、それ以上に信頼関係の有無のほうが大事かもしれません」。

同時期には日本語の不自由な外国人の退居もあり、それはリアルに説明したほうが良いという判断から現場で立ち会うことにしたという。

「立ち合いの少し前に現地に到着、窓を全開にしてから立ち合い、齟齬がないようにひとつずつ確認しました。すべてオンラインではなく、相手によって柔軟に対応できるようにしておくのが現実的かもしれません」。

大手の場合、鍵を先に返却、後日、不動産会社が現地を見に行く仕組みを取っているところもあるが、その場合には自分の知らないところで査定されているという不安が生じる可能性があり、トラブルの種になることも。やはり、退去に関してはリアルタイムでの何らかのやりとりがあったほうが、入居者に安心を与える。いずれはオンライン立ち合いが主流になっていくとしても、双方向性は担保しておくほうが良いはずだ。

現状は緊急避難的にテレワークを導入、オンラインで業務を始めた不動産会社も多い。だが、今後、つまりアフターコロナの時代には間違いなく、オンラインが主流になっていく。ただ、不動産の場合は人が相手だけに、どこまでをオンラインでやるかは大事なポイント。それを考えつつ、今可能な部分はオンラインで対応できる不動産会社こそが今後のビジネスパートナーとして選ぶべき相手。その観点で現状の各社の対応をチェックしておくことが大事だろう。

健美家編集部(協力:中川寛子)

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