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2022年はマンション管理の変化の年か。4月に2つの新制度が開始。 区分投資家には朗報、1棟もののオーナーも注目。

賃貸経営/管理・管理会社 ニュース

2022/01/07 配信

2022年はマンション管理の世界が大きく変わることになるかもしれない。4月に国の新制度となる「マンション管理計画認定制度」と、一般社団法人マンション管理業協会による「マンション管理適正評価制度」がスタートする。

これによって不動産投資にどんな影響は出るのだろうか?

長年マンション管理の仕事に従事し、マンション管理士、宅地建物取引士、管理業務主任者等の資格を持ち、33戸の区分を所有する横山顕吾氏に話を聞いた。

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「マンションは管理を買え」というが、その管理に関する2つの新制度が今年4月スタートする(写真はイメージ)。

マンションの管理に、行政が介入。
適切な管理計画を持つマンションは『認定』を受けられる

国内のマンションは約675.3万戸(2020末時点)の数を誇るが、老朽化したものも多く、大規模修繕のための積立や理事会の運営等を含め、維持管理の難しさが問題視されてきた。

そうしたなかで、地方公共団体がマンションの管理に介入できるよう、2020年6月に「マンションの管理の適正化の推進に関する法律及びマンションの建替え等の円滑化に関する法律の一部を改正する法律」が改正・公布され、4月に施行される。

これを「マンション管理計画認定制度」と呼ぶ。これにより行政もマンションの管理に関与しながら、管理水準を一層維持向上させていく仕組みができる。

特筆すべきは、マンションの管理計画が一定の基準を満たす場合、マンション管理組合は地方公共団体から適切な管理計画を持つマンションとして「認定」を受けることができるようになることだ。評価は「認定」か「非認定」かの2つにわかれ、有効期間は5年間。認定を受けることができれば、管理が行き届いたマンションとして認知されることになる。

マンション管理を5段階評価する制度もスタート!

もう1つ同時期に始まるのが、一般社団法人マンション管理業協会による「マンション管理適正評価制度」である。これはマンションの管理会社の業界団体による制度で、申請のあったマンションの管理状態を5段階で評価し、評価は毎年更新される。

チェック項目は管理組合の運営体制や収支、建物や設備の状態、耐震診断、生活関連の5項目で点数化し、100点満点で採点する。
合計点が90点以上ならSランク、70〜89点ならAランク、50〜69点がBランク、20〜49点がCランク、19点以下がDランクとなる。

評価が高いS評価やA評価のマンションは、購入を検討する人に好意的に受け止められ、マンションの価格や資産価値が上がることにつながるなど、評価がプラスに働くことが考えられる。

一方、CやD評価ではマンションの管理のイメージが悪くなり、区分所有者は売却時に困る事態になりかねない。そうなれば、評価の向上に努めるよう、管理の底上げにつながる可能性もある。

どちらの制度も、マンションを購入する人にとって、マンション管理の適正具合を客観的に判断する分かりやすい物差しになりそうだ。

マンション管理の仕事に長らく従事した経験を活かし、区分投資を始め33戸の区分マンションを購入した横山顕吾氏は、「このような制度を待っていた」と語る。

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横山顕吾氏。マンション管理士、管理業務主任者等の資格を持ち、区分を専門に、不動産投資を始め、33戸の区分を所有する。

「『マンションは管理を買え』とよくいわれるものの、素人が管理状況を調べるには、難しすぎます。知識や経験がある私でさえ、区分マンションを購入する際には、丸1ケ月かけて修繕計画や総会議事録などの参考資料を取り寄せて、管理や修繕計画など200項目ほどを数値化して、5段階評価をして吟味します。

今回の新制度が始まることで管理の状態がより『見える化』されることになり、購入を検討する時のいい判断材料になるでしょう。これは私が長年待ち続けてきた仕組みです」

区分投資では、「ババ」を引きにくくなる。
1棟もののオーナーも、注目すべき制度

横山氏は、今回の新制度により、初心者でも、より安心して購入できるようになるのではないかと考察する。

「今回の新制度によって、価値あるマンションが価値あるものとして適正に評価されることになり、これまで以上に、健全性が担保されるのではないでしょうか。マンションの管理が見える化されることで、購入後に後悔するような『ババ』物件を引きにくくなり、初心者でもより買いやすくなるでしょう」

逆に1棟物の賃貸アパート・マンションのオーナーは、こうした分譲マンションの制度についても把握し、参考にするべきだという。

「1棟もののオーナーさんは、中には、修繕計画や修繕積立金について、あまりよく考えていないケースもあります。分譲マンションでは新築当初から、修繕計画を立てて、積立をするわけですから、こうした制度を参考にしたほうがいいかもしれません」

4月に始まる2つの新制度によって、管理の質がより改善されるのかどうか。マンションの管理にどれほど影響が出てくるのかどうか。2022年がマンションの管理にとって、よい節目となるのかどうか期待したいところである。

健美家編集部(協力:高橋洋子(たかはしようこ))

高橋洋子

https://yo-coo.wixsite.com/home

■ 主な経歴

暮らしのジャーナリスト。ファイナンシャルプランナー。
大学卒業後、情報誌などの編集を経てライターに。価値0円と査定された空き家をリノベーションし、安くマイホームを購入した経験から、おトクなマネー情報の研究に目覚め、FP資格を取得。住宅、マネー関連の執筆活動を行う。

■ 主な著書

  • 『家を買う前に考えたい! リノベーション』(すばる舎)
  • 『100万円からの空き家投資術』(WAVE出版)
  • 『最新保険業界の動向とカラクリがよ〜くわかる本』(秀和システム)など

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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