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都道府県別に宿泊施設の稼働率を予測!すでに長野、福井、秋田、鳥取、高知では減少?供給過剰も?

賃貸経営/民泊 ニュース

2018年に3000万人を突破した訪日外国人は2018年9月に一度落ち込んだものの、その後は順調に回復、観光、中でも不動産関連でいえば宿泊が我が国のこれからの経済を牽引する産業と目されている。

実際、どのまちでも外国人旅行者の姿を見ることが増え、明らかに拡大していることが実感されるが、長い目で見ると必ずしも、それに応じた投資が行われているわけではないことをニッセイ基礎研究所のレポート「都道府県別にみた宿泊施設の稼働率予測〜インバウンド拡大に伴うホテル建設が進み、一部地域では供給過剰も〜」(白波瀬康雄著)が指摘している。どういうことか?

レポートでは私たちが見落としがちな、非常に重要なポイントが指摘されている。確かに外国人旅行者は増えているのだが、今後は現在宿泊者の8割以上を占める国内旅行客が人口減少や高齢化によって減っていくというのである。それにより、すでに大差のある地域ごとの稼働率にさらに差が生まれてくるかもしれないというのである。

ちなみに現時点でホテルの客室稼働率がもっとも高いのは大阪府で2017年は86.5%にも及んでいる。平日、週末を問わず混雑しているのである。

一方で茨城県や新潟県、長野県では旅館の稼働率が20%台で推移しているそうで、その差はかなり大きい。ちなみに旅館は廃業も多いため、年々減少しており、現在、増加傾向にあるのはホテルと簡易宿所である。

都市と地方の状況でいうと、現在伸びているのは三大都市圏(埼玉、東京、千葉、神奈川、愛知、京都、大阪、兵庫の8都府県)よりも地方(三大都市圏を除く39道県)での外国人宿泊者数だという。

地方のシェアは2011年に33.5%だったものが2017年には41.0%まで増えており、その後は横ばい。政府では地方のシェアを2020年には50%、2030年には60%を目標にしており、それが実現できるかどうかが地方での宿泊業の可能性を左右すると言えそうだ。

さて、レポートでは様々なデータを用いて2020年、2030年の利用客室数と客室稼働率の予測を行っている。まず、全国での予測ではどの宿泊施設の利用客室数も2020年、2030年は2017年より増加する結果となっており、人口減少、高齢化による国内旅行客減少分はインバウンドが補う形だ。

そのため、客室数を2017年時点で固定して考えると、ホテルでは2020年に稼働率が80%弱まで上昇、不足感が高まるが、2020年までには13.8万室のホテルの開業予定があり、それを見込むと2020年、2030年ともに2017年より稼働率は低くなるという。全国で考えるとすでに訪日客増を見こした数のホテル建設が行われていることになる。

2020年、2030年を見ると明らかに国内旅行者の数が大きく異なっており、この影響が侮れないことが分かる
2020年、2030年を見ると明らかに国内旅行者の数が大きく異なっており、この影響が侮れないことが分かる

では、都道府県別に見るとどうなるか。残念ながら、国内旅行者の減少を訪日外国人増加で補えない県も出てくるなど、地域による差が広がるという。そのため、2020年には利用客室数が12県で減少、2030年には20県(!)で減少する。すでに2011年から2017年で秋田県、福井県、長野県、鳥取県、高知県では利用客室数が減少しており、インバウンド需要の恩恵が及んでいないことが分かる。

ホテルでは赤字の都道府県で需給がひっ迫しそうだという
ホテルでは赤字の都道府県で需給がひっ迫しそうだという

では、逆に今後も不足が予測されるのはどこか。確実なのは東京、大阪であり、2030年時点では北海道や千葉、沖縄でも追加で客室が必要になるという。一方で京都は2017年の客室数2.7万室に対して41%増の1.1万室のホテルが2020年までにオープンする予定となっており、供給過剰になる懸念がある。

特に京都では収益の悪化から簡易宿所の廃業が相次いでいるともされ、また、あまりの混雑度に敬遠されるケースも出てきているとも。京都なら大丈夫はもう通用しないのかもしれない。

これまで宿泊施設が極端に少なかった奈良については期待もある。今後、過去のペースを上回る客室数の増加が予定されているが、元々が全国最下位の客室数しかない場所で、かつ観光資源は豊富。となればプロモーション次第ではまだまだ伸びる可能性がある。特に京都がさまざまな意味で敬遠されるとなれば、新たなスポットとして注目されるかもしれない。

ホテルに比べると稼働率は低めだが、自治体さも大きく、まだまだ可能性はあるように思われる
ホテルに比べると稼働率は低めだが、自治体差も大きく、まだまだ可能性はあるように思われる

奈良同様、今後の伸びしろという意味では旅館も面白い。今後の予想では旅館の稼働率は北海道、東京、大阪、大分、沖縄で上昇し、2030年には大阪が81.1%で最も高くなり、東京が70.7%、大分が58.8%となるという。

東京、大阪、沖縄で訪日外国人が旅館を選択するシェアはわずか1〜3%ほどだというが、北海道、大分ではそれぞれ20%台、40%台と支持されている。つまり、訪日客の目を旅館に向けさせ、言葉の壁などを乗り越えることができれば温泉その他のホテルにない魅力で宿泊者を確保することはできるのではないかと思うのである。

比較的資本が少なくても始めやすい簡易宿所だが、稼働率は低い
比較的資本が少なくても始めやすい簡易宿所だが、稼働率は低い

最後に簡易宿所だが、他の宿泊施設と比べて変動はあまり大きくないが、岐阜、京都、大阪、香川など稼働率が大きく上昇する地域も一部にみられるとか。旅館同様、取り込める地域、取り込めない地域で差が出ているということかもしれない。

いずれにしても地域格差、施設格差は想像していたよりも大きいことが分かる。不動産の活用として宿泊施設を考えるのであれば、十分にそうした地域、業態を精査、確実に利用される施設を作ることを考えたいところである。

レポートでは最後に都道府県別の詳細なデータを上げており、これが非常に参考になる。ぜひ、一度チェックしてみて欲しい。

健美家編集部(協力:中川寛子)

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