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入居者が無断で民泊!その賃貸契約は解除できるのか?

賃貸経営/民泊 ニュース

近年、住宅を活用して宿泊サービスを提供する民泊が世界各国で展開されており、「Airbnb」「Homeaway」などの民泊仲介サービスが注目されるなど、日本でも急速に普及している。

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1 民泊の展開と問題点

空き家、空き室などの遊休資産を活用する民泊は、サービスの事業者及び利用者の双方にとって非常に有益である一方で、施設の悪用、騒音・ゴミ処理をめぐる近隣トラブルなどの問題点も指摘されている。

また、相隣関係について特に配慮が必要なマンションでは、不特定多数の者が施設内に出入りすることによって、セキュリティ面で大きな不安が生じ、ひいては物件の価値を下落させることにもつながりかねない。

そのため、住宅を賃貸している方にとって、賃借人が無断で居室を宿泊施設として不特定者に提供することは、憂慮すべき事態である。

ここでは、無断で賃借人に民泊営業をされた場合、賃貸借契約の解除をすることができるのかどうかについて検討をする。

まず、賃借人が民泊営業を行っている場合には、用法遵守義務違反(物件の賃貸借契約においては、使用目的が居住用となっているにもかかわらず、賃借する居室を有料で宿泊施設として提供する民泊業を営むことは、利用者が当該居室を居住のために利用していない)を理由に賃貸借契約を解除し、物件の明渡請求をすることができる。

2 裁判例の紹介(東京地裁平成29年10月13日判決)

ただ、民泊が疑わしいだけだと裁判で負けてしまうこともある。東京地裁平成29年10月13日判決は、建物の賃借人が民泊を営んでいることを理由に、賃貸人が建物の明渡し・債務不履行に基づく損害賠償の支払いを請求した事例において、清掃業者が出入りしていたこと、外国人女性2名が出入りしていたこと、本件建物の退去の際に、借主に代わって民泊業を営む会社の代表者が立ち会ったこと、といった事実は認定したもの、民泊を行っていたとは認められないとして、賃貸借契約の解除までは認めなかった。

この事例からは、民泊営業の事実を十分に裏付ける証拠がないと、裁判で負けてしまう可能性があることがわかる。

そもそも、居室内は無断で立ち入って調査することはできないことや、民泊仲介サービスにおいても、具体的な住所や物件名などの詳細情報については、予約が決まった後にホストと直接連絡を取らなければ知ることができないことが多く、賃貸している物件で民泊営業をされているかどうかの利用実態を知ることは困難である。民泊営業を理由に訴訟で争う場合には、確実に民泊営業をしているという証拠が必要である。

3 契約の解除と信頼関係の破壊

それでは、民泊営業がありさえすれば契約の解除が直ちに認められるのだろうか。

賃貸借契約は賃貸人と賃借人との信頼関係の上で成り立つ契約なので、信頼関係が未だ破壊されていないと認められる場合には契約の解除は認められない。例えば、賃料の滞納による解除の場合には、滞納が2カ月〜3カ月以上ないと信頼関係が破壊されたとは言えないので、契約の解除が認められないのである。

民泊による解除の場合、いかなる場合に信頼関係が破壊されたといえるのかについて、裁判例の集積は乏しいが、短期間民泊をしただけで直ちに解除が認められることにはならないだろう。

訴訟で争われた場合に、賃借人から「未だ信頼関係が破壊されていないので、契約の解除は認められない」などと争われないように、例えば、賃貸人は賃借人に民泊の停止を内容証明郵便で複数回求めるなど、複数回の是正要求をしたにも関わらず民泊営業を停止しないといった事情が必要だと思われる。

4 予防策

民泊営業をさせたくない場合には、予防策をとることが極めて重要である。

まずは、賃貸借契約書、利用規約、マンションの管理規約などに民泊を禁止する旨の規定を明確にしておくべきである。そして、賃貸借契約書に居住者の範囲・名称を明記し、その者以外の利用を禁止する旨の条項を入れておくことも有益である。実際に、民泊の普及に伴って、このような規定を定めた契約書も見受けられるようになった。

また、居住空間の利用実態を把握することは困難が伴うが、賃貸借契約や管理規約等において、調査に協力すべき義務を定めることで、より多くの証拠を収集することが期待できるであろう。具体的には、物件の利用状況について照会し、民泊として供与していることが疑わしい場合には物件への立ち入り協力を求めるなどの規定を入れておくことが考えられる。

執筆者:弁護士 鈴木 章浩(鈴木&パートナーズ法律事務所 代表弁護士)

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