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民泊権利を「0円」から購入?テレワーク用などに転用できればビジネスチャンスに!

賃貸経営/民泊・旅館業 ニュース

2020/07/01 配信

売却希望、東京、大阪、博多などで
新宿・新大久保駅近くでも50万円

新型コロナウイルスの感染拡大でインバウンド(訪日外国人客)が激減したことを背景に、物件を有料で宿泊用に貸し出す「民泊」の経営が苦境にある。M&A(合併・買収)の情報サイトをみると、多くの民泊の経営権が「0円」から売りに出されている。

ただ、ここまで安いと、ある意味、民泊は〝買い時〟ともいえる。テレワーク(在宅勤務)用などへうまく転用できれば、新たなビジネスチャンスになりそうだ。

民泊のイメージ
民泊のイメージ

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「(サイトで売りに出されている案件では)民泊が圧倒的に多い。次に飲食店、とくに居酒屋やバーが増えているようだ」
M&Aの情報サイトを運営するトランビ(東京都港区)の担当者はこう語る。

同社の情報サイトTRANBIを開け、「事業を買う」をクリックしてみる。地域や業種を指定せず、買収予算の上限を250万円にして、検索をかけてみる。そして、表示の順番を「売却希望価格 低い順」にすると、ズラリ民泊の事業譲渡案件が出てくる。

目立つのは、インバウンドへの依存度が高い大阪の案件だ。たとえば、6月25日現在、Airbnbのスーパーホストである大阪市の案件が「0円」で売りに出されている。

都市中心部の駅から徒歩1~2分の場所にある約40 室の案件も「0円」で売りに出されている。このほか、福岡・博多でも売却希望案件が目立ち、5万円や10万円はざらだ。

東京でも安くで売りに出されている案件は多い。豊島区の案件は25万円、新宿区の新大久保駅近くの案件は50万円となっている。
売りに出されている民泊の案件で多いのは、物件をまず借り、それを転貸する形の運営権だ。宿泊客が減って賃料をとれず、物件オーナーへの家賃が払えず経営が苦しくなったのが、売却の理由とみられる。

民泊売却案件が増えたのは昨年12月から
5月の民泊戸数は前月比で初のマイナスに

トランビの担当者によると、「民泊の案件は昨年12月から増えてきた」とのことなので、もともと、新型コロナが増加の直接のきっかけではないかもしれない。しかし、足元では、新型コロナが大きく影響していることは間違いないだろう。

東京の場合、今夏に予定されていた東京五輪が1年延期され、見込んでいた利益が消えてしまったことも大きいといえよう。

全国的にみても、民泊の数は減っている。観光庁の調べによると、民泊の戸数は5月11日時点で2万1176件となり、4月10日時点の2万1385件を200件以上、下回った。

民泊を解禁した住宅宿泊事業法(民泊新法)が2018年に施行されて以降、増加を続けていたが、初めてマイナスに転じた。さらに6月11日時点では2万766件となり、2カ月連続で前月を下回っている。

届出件数などの推移。観光庁の資料から
届出件数などの推移。観光庁の資料から

民泊だけでなく、宿泊業全体も苦しい。民間信用調査会社「東京商工リサーチ」によると、6月22日午後5時現在、新型コロナに絡んだ負債1000万円以上の経営破綻は全国で274件に上る。このうち、宿泊業は36件となり、飲食業の44件に続く件数となっている。

東京都大田区の民泊はテレワーク用「好調」
医療従事者向けに貸し出す例も

ただ、TRANBIなどでここまで安く売り出されることは、長い目でみて、ほとんどないだろう。もし家賃を払いながらうまく運営できるメドがあるなら、安い民泊事業は〝買い時〟といえそうだ。

もちろん、しばらくインバウンド需要は戻らないと考えられるので、運営には知恵を絞る必要がある。
たとえば、新型コロナをきっかけに高まったテレワーク需要に対応するサービスはどうだろうか。

成功例もある。東京都大田区で25の民泊施設を運営しているMDI(東京都中央区)は、アパートタイプの1施設をテレワーク向けにして運営を始めたところ、「利用は好調」(担当者)だという。

具体的には、長く座っても疲れにくいリクライニング型の椅子を置き、デスクを広めにした。気分転換できるよう、ヨガマットも置いている。担当者によると、施設の利用状況を見ながら、ほかの民泊施設も使い方を変えることを検討するという。

テレワーク用以外にも、マンスリーの賃貸物件として貸し出したり、新型コロナへの対応で忙しい医療従事者のための宿泊用として貸し出したりする動きも出ている。

しばらく、違う使い方でしのぎながら、いずれ戻るであろうインバウンドの需要を待つ・・・。投資家としての「戦略眼」をいかしながら、うまく運営していきたい。

取材・文 小田切隆

【プロフィール】 経済ジャーナリスト。長年、政府機関や中央省庁、民間企業など、幅広い分野で取材に携わる。ニュースサイト「マネー現代」(講談社)、経済誌「月刊経理ウーマン」(研修出版)「近代セールス」(近代セールス社)などで記事を執筆・連載。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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