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築90年以上。何十年も空き家だった建物をシェアオフィスなどに再生。完成時にはオフィスは満室に!

賃貸経営/リノベ ニュース

JR南武線武蔵溝の口駅、東急田園都市線溝の口駅から歩いて2分、川崎市高津区にある築90年以上という元診療所プラス住宅がシェアオフィスなどに再生された。地域では目立つ大きな建物で、長い間、空き家になっていたという。どのような経緯で再生されたか、その効果などを見てきた。

■地域の価値を高める物件を

以前は塀で建物全体が見えていなかったが解体したことでより目立つものになった
以前は塀で建物全体が見えていなかったが解体したことでより目立つものになった

5室のシェアオフィス、コワーキングスペース、2つのレンタルスペースにカフェのある複合施設nokuticaがあるのは東急溝の口駅の南口から西口商店街を歩いて2分。車の通行量も多い通りに面しており、威風堂々とした建物である。

2階のコワーキングスペース。天井が高く、気持ちの良い空間だ
2階のコワーキングスペース。天井が高く、気持ちの良い空間だ

90年以上前というだけで、正確な築年数は分からないほど古い建物で、以前は診療所プラス住宅として使われており、その後、学習塾や下宿などとして使わていたこともあったという。

廊下や階段の贅沢な広さ、堅牢な作りから、お金をかけて作られた建物であったことが分かる
廊下や階段の贅沢な広さ、堅牢な作りから、お金をかけて作られた建物であったことが分かる

空き家になって数十年。規模といい、立地といい、空き家にしておくにはもったいない建物だが、荷物が多かったことから、長年放置されていたようだ。溝の口駅近くにある不動産会社、エヌアセットに相談が来たのは2年前のことである。

室内に残された荷物はあるものの、建物自体は十分使える状態であり、同社はリノベーションをして使うことを提案した。問題は使い方である。

「建物面積が登記簿上で311uと大きいこともあり、当初は宿泊施設、保育園などとも考えましたが、住居だったため、用途変更は現実的ではありませんでした。そこでこれまで溝の口にはなかったシェアオフィスにすることにしました」(管理人・松田志暢氏)。

溝ノ口で唯一在宅ワーカーなどが使える場としては机を借りられる場所があるが、ここには多数利用者がおり、ニーズがあることは分かっていたという。

そのニーズを満たすと同時にこの地域の価値を高めたいという考えもあったという。

1階には広い共有部がある。ここを利用して入居者同士、あるいは外部と入居者などと様々な形でのコミュニケーションを図っていく計画だという
1階には広い共有部がある。ここを利用して入居者同士、あるいは外部と入居者などと様々な形でのコミュニケーションを図っていく計画だという

「この建物を、地域で働く人を増やし、働き方を含めた文化を発信できる場にしていきたいと考えました。モノを作る人の多い地域でもあるので、それを支援することでまちの価値も上がる。不動産会社にとってまちの価値を向上させることは大きなメリット。ここをそんな施設にしたいと考えています」。

■所有者にとっての資産価値の最大化も重要

使い続けることは所有者の資産価値を考えた結果でもある。

「オーナーは隣接してマンションを所有しており、弊社で管理しています。その建物が築15年ほど。もし、建替えるとしても、そのマンションとこの物件を合わせて計画したほうが規模が大きくなり、選択肢も広がる。だとしたら、20年ほど、この建物を運用し、その後にもう一度、考えても良いのではないかと提案しました」。

建物ひとつずつではなく、資産全体を考えた計画というわけである。

■外壁解体で視認性を大きくアップ

リノベーションで注目したいのは外壁の撤去。これにより、建物全体が外から見えるようになり、視認性が大きくアップした。住宅の場合には防犯上の問題があるため、なかなか、ここまではできないが、それ以外の用途であればこの手はありうる。入りやすい、オープンな雰囲気が人を呼ぶのである。

レンタルスペース。瀟洒な作りが目を惹く
レンタルスペース。瀟洒な作りが目を惹く

内部は既存の建物をできるだけ生かした作りが特徴。和室はさすがに床を張り替えてあるが、廊下、洋室などはそのまま使ってあるところもあり、元々の建物の作りの良さが推察できる。総予算は2000万円ほど。外壁の解体や水道、電気工事に想定以上にかかったそうである。

■完成時にはオフィスは満室!

玄関脇にあるカフェ。外からも利用することができる
玄関脇にあるカフェ。外からも利用することができる

さて、どのようなスペースが作られているかを見てみよう。まず、1階の玄関脇にはコーヒースタンドが入る。通りすがりに利用する人がいれば、建物全体の認知度アップに繋がるはず。良い選択だ。

共用部のキッチン。ホール部分とは廊下を隔てている
共用部のキッチン。ホール部分とは廊下を隔てている

1階でもっとも広いスペースを占めるのは利用者が使える共有スペース。廊下を挟んでホール的に使える24畳ほどと、大型キッチンのある8畳ほどがあり、合わせると32〜33畳というところ。

「ここも貸すようにすれば収益は高くなりますが、地域の価値を上げることを考えるとイベントなどに使える、人が繋がるような場があったほうが長い目で見ると効果的だろうと判断。すでにいくつか、イベントの予定があります」。

また、1階にはセミナーやママ会、ギャラリーなどに使える、定員12人、6人の2つのレンタルスペースがある。料金は30分で1000円、500円と手頃。

紳士向けの洋服店のオフィス。オーダーメイドなどを受けている
紳士向けの洋服店のオフィス。オーダーメイドなどを受けている

2階には5室のレンタルオフィスがあるが、驚いたことに建物完成時には満室。すべて個室で5畳〜といずれも広め。オーダーメイドの紳士服店、インテリアデザイン事務所、映像その他を手掛ける集団など様々な業種が入居している。

2階には中央に大きなテーブルを置いたコワーキングスペースもある。フルタイムで、平日夜と土日祝日のみ、平日昼のみと使う時間によって料金の異なるコースが設定されており、定員は60人を予定。現時点では約20名ほどの問合せがあるという。

こうした貸す空間以外に特徴的なのは廊下や階段の広さ。今の住宅であれば、ここまで贅沢には作らないだろう。古さが魅力になっているのである。

■地域のランドマークを活用するメリット

長期間空き家だったにも関わらず、この建物は地域のランドマークだった。だからだろう、建物のお披露目会では広い玄関なのに足の踏み場がないほどの人が訪れ、建物との再会を喜んだ。

「私はここで生まれたのよという人や、使ってくれてありがとうという人などもいらっしゃり、まちの人たちがこの建物をずっと気にしていたことがよく分かりました」。

地域から温かい目を向けられているのであれば利用者を募る、イベントの参加者を集めるのもやりやすくなる。注目度が高ければいい加減なことはできないというプレッシャーもあるが、使うチャンスがあるのであれば地域のランドマークには大きなアドバンテージがあるはずだ。

■不動産会社と不動産オーナーが協働

もうひとつ、注目したいのはこの施設の運用会社。前述の不動産会社エヌアセットと地域の不動産オーナー2名が設立したのくちのたね株式会社が運営にあたるのだが、これまで不動産会社と不動産オーナーはビジネスパートナーであったとはしても、一緒に経営に当たるケースはほとんどなかった。

だが、どちらの立場であったとしても地域の価値アップは共通の問題。であれば、こうした形の協働には大きな意味がある。今回の施設は第一弾という。この後の、同社の活動が地域をどう変えて行くか。注目したい。

健美家編集部(協力:中川寛子)

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