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築56年、空室率4割超を満室稼働に。今後、家賃アップも可能?

賃貸経営/リノベ ニュース

渋い色目で人目を惹くリノベーション後の外観
渋い色目で人目を惹くリノベーション後の外観

京急線鮫洲駅から旧東海道に沿って歩くこと2分。築56年という年季の入った鉄筋コンクリート造の住居兼事務所ビルがある。地上4階建て全16室という物件で、改装される前には7室、割合にして4割以上の空室があったという。

リノベーション前のエントランス。ごくごく普通によくある形状だ
リノベーション前のエントランス。ごくごく普通によくある形状だ

改装前の写真を見せていただくと、ごく普通の、ブロック塀を目隠しに建てたエントランスのある素っ気ない建物である。だが、リノベーション後の現在、建物は深みのある青の外壁に植栽、床のレンガが人目を惹く姿に生まれ変わった。

手がけたのは「100年後の街つくり」を掲げ、独自性のあるリノベーションを行っているNENGO。入居者を改装前に募集、その人たちの要望に合わせて建物所有者の負担でリノベーションを行う「仕立てる賃貸」という仕組みを利用、ニーズに合わせた部屋を作り、満室稼働を実現した。

今回、外観だけでなく、すでに入居している方のお宅もご好意で見せていただいたので、それも含め、どんな物件作りをしたのかをご紹介しよう。

外観、エントランス周辺の改装でイメージ一新

まずは外観。どれだけ変わったかは以前と現在の写真を見比べていただけば、その効果のほどがよく分かる。

リノベーション後。目隠しになっていたブロック塀は低くなり、塗装されて全く違うもののように見える
リノベーション後。目隠しになっていたブロック塀は低くなり、塗装されて全く違うもののように見える

具体的にはエントランス前のブロック塀を一部撤去、ペンキを塗り、床にはレンガを張りこんで植栽を施し、さらにパーゴラ風の覆いを設置。加えて建物を塗装、その際にエントランスのある部分の外壁を鮫洲と鮫洲鼠というこの地にちなんだ2色のオリジナルカラーを作り、アクセントに。エントランス脇の壁には照明、物件名「BRANCH(ブランチ)とロゴが設置されている。

階段部分にレンガを敷くことでかつてエントランス内と階段の間にあった段差を解消
階段部分にレンガを敷くことでかつてエントランス内と階段の間にあった段差を解消

形状などは大きく変わっていないにも関わらず、塗装や床材、植栽など、大きく費用をかけない形で印象ががらりと変わっているのは見事。一般にリノベーションでは室内にばかり費用をかけたがる建物所有者が多いが、全体のイメージを変えるためには共用部のリノベ―ションは欠かせない。

照明、ロゴもスタイリッシュ。この辺りのセンスがイメージを左右する
照明、ロゴもスタイリッシュ。この辺りのセンスがイメージを左右する

鮫洲、鮫洲鼠という色の選択もうまい。案内の時にこの色の説明があるだけで、建物へのこだわりが伝えられることになり、そうした物語が入居者の心に残るのは言うまでもない。

元々のエントランス部分はこんな感じ。狭い空間にコントラストの明確な壁、床
元々のエントランス部分はこんな感じ。狭い空間にコントラストの明確な壁、床

エントランスは古い建物なりに狭く、さほど特徴のある場所ではないが、ポスト、宅配ロッカーが新調されており、かつ床、壁が外壁に合わせて塗り替えられている。かつては赤系のはっきりした床材に白い壁が古めかしさを感じさせる空間だったようだが、非常にすっきりした印象である。

改装後のエントランス。圧迫感が無くなり、すっきりとした印象
改装後のエントランス。圧迫感が無くなり、すっきりとした印象

窓の低さをカバーする障子づかい

室内がやや暗かったため、分かりにくいかもしれないが、正面、バルコニー側に障子が入れてあり、右側に天井からの収納がある
室内がやや暗かったため、分かりにくいかもしれないが、正面、バルコニー側に障子が入れてあり、右側に天井からの収納がある

3軒の室内を見せていただいた。1軒目は最上階にある25.4uのワンルーム。不動産に関わる仕事をしている男性がお住まいで、その仕事柄もあろうが、非常に絵になる住まいだった。特に面白いと思ったのはバルコニーに面した窓に設置された障子。

古い建物は窓が低く、そこに古さを感じるものだが、障子が入っていることでその印象が薄らぐ。また、カーテンと違って光が入るため、室内がぼんやりと明るく、インテリアとしても美しい。外熱を防ぐ効果もあるとか。一石三鳥というわけである。

室内から玄関。左手に室内にある収納同様に天井からのバーがあるが、収納用にはこれのもっと大きなバージョンがあると思っていただければ分かりやすい
室内から玄関。左手に室内にある収納同様に天井からのバーがあるが、収納用にはこれのもっと大きなバージョンがあると思っていただければ分かりやすい

剥き出しにし、高くなった天井も目を惹いた。コンクリートを打った際の板目がインテリアに一役買っており、実に良い雰囲気なのである。その天井にアンカーを打って、設置されていた吊るす収納もナイスアイディア。2段に吊るせるようになっており、見た限りではかなりの収納量。見せる収納が好きな人たちには受けるはずだ。

間取りでは玄関を入って左側に設置されていたシャワーブースになるほどと思った。ガラス扉になっており、視界を遮らないことから狭く感じずに済むのである。元々の風呂場はバランス釜利用の非常に小さなもので、最近の風呂桶では入らない。そこで思い切ってシャワーのみとしたそうで、白く防水されていた。

壁を壊して2戸を1戸に

2住戸の間のブロックで組まれた壁をぶち抜き、1住戸に。天井の高さが低くなっている部分を利用、収納を作ってある
2住戸の間のブロックで組まれた壁をぶち抜き、1住戸に。天井の高さが低くなっている部分を利用、収納を作ってある

次に見せていただいたのはワンルーム2戸の間の壁を壊し、1戸にした住戸。娘さんのいる3人家族がお住まいである。壁があった部分には半透明の引き戸が入れられており、リビングともう一部屋を分けても使えるようになっている。

ここで面白かったのはトイレ。残念ながら写真はないが、通常のトイレの2.5倍ほどの広さだろうか壁面一杯に本棚が作りつけられており、これは本好きの娘さんのため。こうした賃貸では普通できないような要望に応えられるのが仕立てる賃貸の面白さである。こうして要望を叶えられた入居者は長く、大事に住んでくれるだろう。

もうひとつ、アイディアと思ったのはかつての2戸間の小壁部分に棚板を入れ、収納としている点。どうしても低くなってしまうのがマイナスだが、それを利用することでプラスに考えられるようになる。場は使いようである。

キャンプをキーワードに設えられたオフィス内。シェアオフィスでは実現できない、クリエイティブな空間を手に入れたと楽しそうに話してくださった
キャンプをキーワードに設えられたオフィス内。シェアオフィスでは実現できない、クリエイティブな空間を手に入れたと楽しそうに話してくださった

最後に見せていただいたのは同様に2戸を1戸にしたウェブと動画でプロモーションを行う会社のオフィス。シンプルに広いワンルームになっており、現在の利用者は2名。壁を壊すところから始まるリノベーションに参加した様子を改装前壁壊し壁塗り完成完成後の使い方までを映像としてまとめたものを見せていただいたが、実に楽しそう。非常に気に入っているとも話してくださり、この満足度が仕立てる賃貸の武器と思った。

収益はどう改善したか

リノベーション以前は全16室だったが、2戸を1戸にという部屋が2室あるため、終了後の現在の部屋数は14戸。だが、空いている部屋は全て埋まり、賃料もアップした。元々の賃料は5万円台〜7万円で共益費無しだったが、リノベーション後の賃料は1住戸の場合で7万5000円+共益費5000円、2住戸合併の場合で14万5000円+共益費5000円。

入居中の部屋についてはそのままというが、そのうちには長く居住しており、賃料が安く据え置かれている部屋もあるとか。今後は退去の度に更新、また、少しずつ賃料を上げていくことも考えているそうだ。

外装その他に加え、竪管の交換など大規模修繕工事が行われており、かつ内装も改修と費用は掛かっており、原状回復以上にはかかっているわけだが、これまで空いていた部屋を埋めただけでも毎月50万円以上の家賃収入がプラスになっている。この築年数でも手の入れ方次第でこれだけ稼げる物件に再生できるわけである。

ちなみに鮫洲は京急線で品川から約5分。今後リニアの新駅ができ、品川〜田町間の山手線新駅に合わせて再開発が行われると考えると、京急線の価値、人気は今後変わりそうでもある。その場所柄を考えると、古い建物でも上手に活用、地の利のアップを使っていくべきだろうと思う。

健美家編集部(協力:中川寛子)

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