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コロナ対応+性能向上。8年目のリノベーション・オブ・ザ・イヤーに学ぶ

賃貸経営/リノベ・修繕 ニュース

2021/01/18 配信

コロナ一色だった2020年だが、8回目の開催となるリノベーション・オブ・ザ・イヤーもまたコロナの影響が大きかった。

だが、それだけにとどまらず、初回から拡大し続けてきていたリノベーションの対象は住戸の内部から建物全体、地域、そして今回は社会にまで及ぶようになっていた。

同様にここ何年か、重視されるようになってきた性能向上はいまや必須とされるまでに。こうした変化を見ながら、賃貸経営に役立つポイントを探っていこう。

在宅時間長期化でより求められるようになった住宅性能

2020年後半以降、住宅関連での話題は大きく2つあった。ひとつは立地の問題。長らく利便性重視で都心部に向けられてきた目が郊外、地方へと転じたのではないかという点である。

そして、もうひとつは在宅時間が長くなり、家で働くこともありうるという生活の変化にどう対応すべきかという点である。

2020年のリノベーション・オブ・ザ・イヤーの総合グランプリ作品「リモートワーカーの未来形。木立の中で働く。住まう。」(株式会社フレッシュハウス)はこの2点に対する、現時点での答えである。

林の中にあるコンパクトな別荘のリノベーション
林の中にあるコンパクトな別荘のリノベーション

リノベーションされたのは山梨県の別荘地に立地する60u弱の木造平屋。親族間の話し合いで長らく空き家になっていた住宅を活用することになったのは当時、四国に在住していた元所有者の孫にあたる人。

プログラマーとして在宅でできる仕事をしており、仕事上での立地の成約は少ない。駅までの距離や都市へのアクセスの良さなどを気にしないで済むわけで、それなら四国から遠く離れた山梨に住むことになっても問題はなかろうという選択である。

水回りを移動、シンプルな間取りになっている
水回りを移動、元々の2LDKを1LDKにしている

リノベーションにあたっては傷んでいた部分を修復するだけではなく、建物をスケルトンにして耐震性能、断熱性能を大きく向上させた。

在宅で仕事をするとなると1日の大半を住宅内で過ごすことになる。となれば、快適、安心は必須。コロナ禍で在宅時間が長くなる中、住宅の性能はリアルに必要な要件と思われるようになってきているのである。

グランプリ作品は一戸建てであるため、遮音、防音性能については特に触れられていないが、集合住宅であれば、その点もこれまで以上に配慮する必要があろう。

実際、2020年には音を巡るトラブルが数多く管理会社に持ち込まれた。在宅時間が長くなることでこれまでであれば気にならなかった音が互いに気になるようになり、トラブルに発展したのである。

これまでも騒音は解決の難しい、どちらかが退去する結果になりがちな問題だったが、今後はより多発することになろう。どう対処するか、考えておきたいところである。

オン、オフを切り替えられる間取り

リビング。一段低い部分が作られており、雰囲気が変わる
リビング。一段低い部分が作られており、雰囲気が変わる

室内の作りにも見るべきものがある。広いリビングと趣味を楽しむアトリエ兼寝室という個室だけのシンプルな間取りながら、リビングに一段低くなったステップダウンフロアを設け、いる場所によって見える風景が異なるような工夫がされているのだ。これにより、限られた空間の中でも気分転換が可能になった。

これまでの住宅であれば住戸内でオン、オフを切り替える必要はなかった。

だが、住戸内で仕事をすることもあるとなれば、気分転換が図れる作りであるかどうかは大きなポイントになってくる。

特に学生など若い人向きではなく、シングルでもある程度の年齢、収入のある人向けの住宅で考えると、かなり重要な意味を持つようになるのではなかろうか。

ファミリー向けに個人の空間という発想

シングル向けにはオン、オフだが、ファミリーであれば家族でいる空間、個でいる空間をどう作るかということになろう。その意味で参考になるのはユーザビリティリノベーション賞の「この先もつづく日常に根ざした家」(株式会社grooveagent)。

右の改装後の間取りの、右上、左下に夫婦それぞれの仕事スペースが作られている
右の改装後の間取りの、右上、左下に夫婦それぞれの仕事スペースが作られている

63uの3LDKマンションをリノベーションしたもので、在宅仕事をする夫婦2人のデスクは住戸内の対角線上にある。

本棚を壁として利用した、ある意味、大きなワンルーム住戸のため、互いの存在を感じはするものの、適度に距離があり、邪魔にはならない。これまでのリノベーションでは家族全員のデスクをまとめて1カ所に作るなどの例がよくあったが、これからはどう分散して作るかが課題になってくるのかもしれない。

本棚を壁変りに。これなら間取り変更もしやすいのでは?
本棚を壁変りに。これなら間取り変更もしやすいのでは?

立地の特徴を物件の魅力のひとつに

個室は玄関わきに1室、反対側には趣味スペース、それ以外は広いリビングというシンプルな間取りになっている
個室は玄関わきに1室、反対側には趣味スペース、それ以外は広いリビング。2LDKを1LDKに変更している

賃貸住宅ではニューノーマルライフスタイルデザイン賞となった「山と渓谷、エクストリーム賃貸暮らし。」(株式会社ブルースタジオ)が秀逸だった。

これは高尾山にほど近い西八王子駅を最寄りとする築30年の元社宅をリノベーションしたもので、元々の間取りは玄関を入ると両側に個室が2室、突き当りがバルコニーに面したLDKというよくある2LDKの田の字型。それを小上がりのある広いLDKと個室1室、そして廊下側に面した洗い場のある土間スペースを設けた間取りに。

玄関を入った左側に設けられた趣味のためのスペース。土間になっていて水場も設けられている
玄関を入った左側に設けられた趣味のためのスペース。土間になっていて水場も設けられている

タイトルからも分かるように高尾山を意識、山好きな人が住むことを意図したもので、廊下側の土間は装備を置く、手入れするなどのスペースである。

アウトドアブームに加えてコロナ禍で郊外の、環境の良い場所に住みたいというニーズも踏まえ、間取り・作りだけでなく、立地をも物件の特徴とするというやり方である。

この手は立地次第でいくらでもやりようがある。この例を参考に物件の立地の魅力を再考してみると何か、出てくるかもしれない。人は建物内でのみ暮らすわけではないのである。

未完成住宅という分かりやすい言葉

「マーケティングリノベーション賞」となった「完成度90%で販売する『未完成住宅』」(9株式会社)も参考になる。これはタイトル通り、完成していない物件を販売するというもので、残りの10%は購入した人が自分で作る(作ってもらうもありだろうが)というもの。

見て分かる通り、壁は仕上げられていない
見て分かる通り、壁は仕上げられていない

これについては審査員も驚きの声を挙げており、完成していなければ商品ではないという常識を覆すもの。賃貸ではすでにあまり多くはないものの、DIY賃貸というカテゴリがあるが、未完成住宅という言葉のほうが分かりやすいのかもしれない。

立地も性能のひとつと考える

審査委員のやりとりの中で印象に残った言葉がある。審査委員長の島原万丈氏が口にした「立地性能」という言葉である。2020年はコロナには見舞われたが、幸いにして激甚災害の少ない年でもあった。

だが、今後もコロナが続くとして、その間に災害が起きないとは誰も言い切れないだろう。

その場合、避難所の三密対策に期待するよりは在宅避難を可能にするほうが2つの災害に共に抗することになるはず。とすると災害に強い立地であることは感染症にも強い立地と言える。

東日本大震災以降、土地の安全を知るためのツール、サイトは格段に使いやすくなっており、理解しようという意識があれば、素人でもある程度までは危険を予測できるようになっている。

住宅の提供は人の生死に関わる重要な仕事である。「立地性能」という言葉の意味を意識、安全な住宅を提供することを考えたいものである。

健美家編集部(協力:中川寛子)

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