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東京メトロの休憩室をリノベ、賃貸住宅に。土間空間+居室が新しい「メトロステージ代々木上原」の面白さ

賃貸経営/リノベ・修繕 ニュース

2022/10/31 配信

外観。建物手前に植栽などを入れて親しみやすい雰囲気に
外観。建物手前に植栽などを入れて親しみやすい雰囲気に

一住戸の中に土間仕上げのフレキシブルに使える空間と居室がセットになった、新しい形の賃貸住宅が誕生した。

元々は東京メトロの宿泊所で休憩室と宿泊室がセットになっているという珍しい作りで、それをリノベーション。今の時代にふさわしい、使う人が使い方を考えられる物件として再生された。

バッファのある、住み手が好きに使える空間を

このところ、住宅に住む以外の機能が求められるようになっている。コロナ禍で自宅で働く人が増え、オフィス機能が求められているのは広く知られている通り。

加えて副業・複業可の流れを受けて作業場、ギャラリー、小商い、教室などに使える場を求める声もあり、また一方で住宅内で体を動かしたり、趣味を深めたいというニーズもある。

そうした様々なニーズに応えられそうなのが代々木上原に誕生したメトロステージ代々木上原(企画・プロデュース/株式会社リビタ、所有者/東京地下鉄株式会社)である。

これは東京メトロの宿泊所をリノベーションしたもので、もともとは休憩室と宿泊室がセットになったユニットが3セットと共用トイレ、管理人室、倉庫があった建物。

従来の間取りそのままでは3部屋しか取れず、無駄な空間が生まれるし、壁を撤去して新たな間取りを考えるとすると休憩室と宿泊室の間のRC造の構造壁が邪魔になる。取り壊すとなると構造的な検証、補強が必要になるのだ。

既存建物にはない水回りを各戸に設ける必要もあり……とリノベーションはかなり大変だったと推察するが、最終的に生まれたのは土間のフレキシブルに使える空間と居室がセットになった住戸5戸。

同物件では前者の空間をBUFFER(従来からの意味でいえば緩衝装置などを指すが、最近ではコンピュータが即座に処理しきれないデータを一時的に保存しておくための記憶領域を指す意があり、そこからいざという時のためのゆとり、余裕などを指すことも。この場合には余白空間と取ると分かりやすい)と呼んでおり、言ってみれば住む人が好きなように使える空間。

バッファとなる休憩室と宿泊室の繋がりをそのまま生かした住戸のほかに、以前の管理人室と廊下を介して向かい合う共用トイレをバッファとして利用した住戸などもあり、広さ、想定される使い方などは各戸それぞれである。

個性的な間取りが5タイプ

いくつか、使い方を考えながら部屋を見ていこう。

101のバッファスペース。廊下を挟んで右側に住戸部分への扉がわずかに見えている
101のバッファスペース。廊下を挟んで右側に住戸部分への扉がわずかに見えている

1階には居室とは廊下を挟んで10uほどの土間空間がある部屋がある。居室とは離れた別空間なのでコンパクトながら仕事場、作業場、アトリエなどのほか、子ども部屋、趣味スペースなどなんとでも使える。贅沢に収納部屋にするという手もあろう。

103のバッファ部分。写真右の扉が居室部分への入口。ガラス扉がお分かりいただけよう
103のバッファ部分。写真右の扉が居室部分への入口。ガラス扉がお分かりいただけよう

1階の他の2室はそれぞれ18〜19u強と広い土間空間があり、こちらは自分のオフィスにするほか、2〜3人と一緒に作業をしたり、会議をしたり、教室などとしても使えそう。来客が多い人なら接客スペース、ダイニングスペースとしても使える。

エントランスから見ると右手に101、102、奥に103のバッファゾーンへの扉が見える
エントランスから見ると右手に101、102、奥に103のバッファゾーンへの扉が見える

こちらの2室はバッファゾーンへの入口がガラス扉になっており、使われ方が垣間見えるようになっているのも面白いところ。どんな人が住んでいるのか、入居者が互いを知るよすがとなろう。

2階には入ったところが土間になっており、そこに面してカウンターのある大きなキッチンスペースがある部屋がある。見た途端に想起したのは料理教室。土間スペースを教室としてその前のキッチンでレクチャーすると考えると実に自然だ。

想定される使い方に合わせて水回りを配置

202は入ったところが土間で向かいにカウンター、キッチンがある。トイレは左手、棚の背後にある。この部屋には以前は室外機が並んでいた部分を活用したバルコニーも
202は入ったところが土間で向かいにカウンター、キッチンがある。トイレは左手、棚の背後にある。この部屋には以前は室外機が並んでいた部分を活用したバルコニーも

どの部屋もこう使ったら、あるいはこうも使えるなということが入った途端に人それぞれにイメージできるのが面白いところ。そして、よくよく間取りを見ると、そうした使い方を想定、トイレなどが配されている。

たとえば2階の料理教室をイメージした部屋ではトイレは土間側に扉が設けられており、来訪者に使いやすい配置である。

102の居室部分。左手の扉の先がバッファ部分で、そこで作業する人が利用しやすいよう、キッチン、トイレ部分はバッファ部分と同じ高さの土間に作られている。右側の居室部分は一段高くなっている
102の居室部分。左手の扉の先がバッファ部分で、そこで作業する人が利用しやすいよう、キッチン、トイレ部分はバッファ部分と同じ高さの土間に作られている。右側の居室部分は一段高くなっている

1階の作業、会議などで来訪者が想定できる間取りでは居室の、バッファ空間に近いところにトイレ、キッチンが設けられており、来訪者などにも利用しやすい配置。居室内の寝室部分はそこから見えにくく、囲われるように作られてもいる。

ブルー部分がバッファ、ピンクが居室でセットになっている
ブルー部分がバッファ、ピンクが居室でセットになっている
一番コンパクトな201。手前の一段低くなった部分がバッファーゾーンで、上がったところが居室。寝室は見えないようにカーテンで隠すことができる
一番コンパクトな201。手前の一段低くなった部分がバッファーゾーンで、上がったところが居室。寝室は見えないようにカーテンで隠すことができる

平面図を見るとまるでパズルのようだが、なるほど、こういう作り方があり得るのかという意味で参考になる。今後、既存建物を改装する時には立地によるが、居室のみならず、プラスαのある住戸を作ってみても面白いかもしれない。

追記:9月の頭に取材をさせていただき、その後、10月末近くに物件担当者とたまたまお目にかかる機会があった。聞くと1カ月ほどで全戸入居が決まったそうである。ニーズは確実にある。

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健美家編集部(協力:中川寛子(なかがわひろこ))

中川寛子

株式会社東京情報堂

■ 主な経歴

住まいと街の解説者。40年近く不動産を中心にした編集業務に携わり、近年は地盤、行政サービス、空き家、まちづくり、地方創生その他まちをテーマにした取材、原稿が多い。
宅地建物取引士、行政書士有資格者。日本地理学会、日本地形学連合、東京スリバチ学会会員。

■ 主な著書

  • 「ど素人が始める不動産投資の本」(翔泳社)
  • 「この街に住んではいけない」(マガジンハウス)
  • 「解決!空き家問題」「東京格差 浮かぶ街、沈む街」(ちくま新書)
  • 「空き家再生でみんなが稼げる地元をつくる がもよんモデルの秘密」(学芸出版)など。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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