
いま人気のサウナを自社ビルの屋上に設置!
きっかけは友人大家さんの紹介
サウナを楽しむ「サ活」がブームになっている。各地で人気のサウナを巡って「ととのう旅」を行う「サウナー(サウナを愛する人)」という言葉も出てきている。
サウナがある場所は、スーパー銭湯などの温浴施設や、旅館やホテルなど宿泊施設、スポーツジムやゴルフ場などスポーツ関連施設が多かったが、最近のサ活ブームでキャンプ場などのアウドドアにも作られている。
今回は、大阪城に近いビルの屋上にバレルサウナを設置した大家さんをご紹介する。
バンブーさん(仮名)は、大阪城まで徒歩10分圏内にある6階建ALCビル1棟を所有している。その屋上に、昨年 7 月にバレルサウナをオープンさせた。
元々の経緯は、友人大家さんの紹介からだ。友人大家さんは宅建業も立ち上げていて、各方面に顔も広く、バンブーさんのビルのリノベーションや入居付け等も請け負ってくれていた。
その友人大家さんから、ある会社が貸別荘用のバレルサウナを、試験的に大阪市内のビルの屋上で運営したいという話が来た。それを聞いて、真っ先に手を上げたのがバンブーさんだ。
実は、同じく1棟ビルを所有している他の大家さんも興味を示していたらしい。
しかし、最初にバンブーさんのビルを内見した会社社長が、バンブーさんのビル屋上の景色を気に入り、その場で即決したらしい。

そして、バレルサウナを置いてトライアル運営をしてみると、かなりの反響があった。
立地とビル屋上からの展望、そして少人数でサウナを貸し切りできるプライベート感が良かったようだ。

試験期間の終了前に、同社から「買い取りしませんか?」とオファーが来たため、バンブーさんがバレルサウナを買い取った。そして、サウナの運営自体は引き続き同社に依頼した。
カップルや家族で貸切できる屋上バレルサウナが人気に!
他人に気兼ねなくロウリュもできる
サウナの予約枠は1日4枠。午前10時、13時、16時、19時からで、各90分から120分を貸し切ることができる。時間帯や平日・週末などにより、料金が違う。
利用人数は最大4人まで。貸切で使えるので、20代から30代のカップルや、家族や同僚などのグループでの利用が多いそうだ。
水風呂もあり、ロウリュもできる。サウナストーンにかけるアロマオイルはサービスとして提供している。
※ロウリュとは、サウナストーブにある石(サウナストーン)に水をかけて発生する蒸気を浴びる蒸気浴のこと。体感温度を上げるため、発汗作用を促進する効果があると言われる。

夏には、水風呂に入れる一定量の氷もサービスで渡している。タオルや水着は有料だが、タオルを借りると手ぶらで来れるのが便利だ。

着替えは屋上のテント内で行う。

サウナーの間で流行っているオロナミンとポカリスエットを混ぜたドリンク「オロポ」は、同ビル3階テナントのチーズケーキ屋さんがデリバリーしてくれる。同店の人気チーズケーキのデリバリーも可能だ。
今年1月、2月の予約状況は、5〜6割ほど埋まったそうだ。オープン当初の昨年夏は7〜8割だった。

「バレルサウナは木の良い香りがするし、テントサウナよりも暖かくて、気持ちが良いですよ」とバンブーさん。
バレルサウナの買い取りは、設置料も含めて、1年ほど運営すると回収できるぐらいの金額だった。
ただ、サウナの運営委託費は民泊運営等よりも高く、電気代や水道代もオーナー持ちのため、昨今の光熱費高騰がキツイとのことだ。
とはいえ、「何も生み出さなかった屋上から、収益が上がるというのはとても嬉しい!」とバンブーさん。
実はこの屋上、立地と眺望が良いため、以前は別の業者さんに貸出していた。屋上でBBQができるというコンセプトだ。
しかし当時は、BBQの予約が入って会社に売り上げがあった時だけ、場所代がもらえるという形だったため、BBQの予約が入るのは年に1度の大阪・天神祭の花火の日だけだったそうだ。
それに比べると、今回のバレルサウナは人気が高く、その希少性からテレビ番組などでも何度か紹介されているそうだ。
「サウナを利用される方はお酒を飲まないので、運営がしやすいのが良いですね」とバンブーさん。
確かに、レンタルスペースをパーティ会場等として貸出していると、お酒を飲んだりして、使用後の掃除が大変という話も聞く。
バンブーさんは、屋上サウナと同ビル内のレンタルスペースをセットで貸し出すプランも販売している。
なお、現在の形での運営は今年4月7日まで。それ以降は、他の階にもバレルサウナを設置するなど、リニューアル工事を行う予定だ。
次回は、猫を飼っているバンブーさんがオープンさせた「猫好きさんが集まるシェアオフィス」についてご紹介する。
※サウナの設置要件等は各自治体や管轄消防署などで異なるため、詳細は事前に要確認。