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ちょっと待って! 和室を洋室化する前に知ってほしいこと【不動産投資家のDIY&リノべ講座Vol.11】

賃貸経営/リノベ・修繕 ニュース

2023/05/07 配信

築古賃貸物件の改修アイディアを軸に、空室対策や不動産活用を実現していくためのプラットフォーム「モクチンレシピ」。

「少しの予算と工夫で、たくさんの魅力を」を合言葉に、会員に向けてコストパフォーマンスの高いリフォームのレシピを提供している。

本連載は、そのモクチンレシピの改修・リフォームのアイディアをもとにした『不動産投資家のDIY&リノべ講座』である。

闇雲な洋室化は
物件の魅力を損ねる

モクチンレシピを展開するNPO法人CHAr代表の連勇太朗(むらじ・ゆうたろう)さんは「和室に魅力がないと決めつけて、洋室化する投資家さんが多いと思います。しかし、闇雲に洋室化するのは、物件の魅力を損ねる上、コスパ的にもよくありません」と話す。

ということで、不動産投資家のDIY&リノべ講座VOL.11となる今回は「和室を洋室化する前に知ってほしいこと」と「和室の魅力を活かすリフォーム案」を紹介していきたい。

まず、和室と洋室の違いを振り返る。

リフォーム済みの和室
リフォーム済みの和室。画像左のデスクは元々押入だった。
和室と洋室の決定的な違いはどこ?
和室と洋室の決定的な違いはどこ?

和室と洋室の決定的な違いをあげるとしたらどこだろうか。

まず大きな違いとしてあるのは、壁である。和室は木の柱が露出している「真壁(しんかべ)」である。一方で、洋室は柱の外側から貼る「大壁(おおかべ)」のため、木の柱が露出していない。

連さんは「真壁を大壁にわざわざ変えることはお勧めできません。大壁にして洋室化することで新築物件と同じ土俵で比べられることになったら、築古物件にとって不利なリフォームだと思います。洋室化することに対して特段の意図がない場合は、真壁のレトロモダンな味を活かして差別化しましょう」と話す。

モクチンレシピでは、和室のリフォームアイディアとして、真壁の味わいを活かした「ぱきっと真壁」というレシピを紹介している。

「ぱきっと真壁」をする前の様子。
「ぱきっと真壁」をする前の様子。
「ぱきっと真壁」のアフター写真。
「ぱきっと真壁」のアフター写真。

ぱきっと真壁

柱を残したまま、壁の色を白などに整えることで、明るく清潔感のある空間に変わる。

■改修費の目安
¥11,780 / (帖)

<内訳>
4.5帖の場合
壁面のクロス貼り:13m2 × 1000円 = 13,000円
木部の塗装(柱、長押、鴨居、窓枠など):40,000円
<合計>
53,000円

押入をクローゼットに変えず
物件の目玉に変える

続いて、押入れのリフォームについて考えてみる。洋室化する場合は、押入をクローゼットに変更することが多い。ただ、そもそも押入はクローゼットにするには奥行きが深く、中段(中板)の処理にも手がかかる。

そのため、押入をクローゼットにする際にはリフォームコストがかかる上、せっかくクローゼットにしても没個性的になりやすい。

モクチンレシピには、和室のレトロモダンな雰囲気を活かして、押入をリフォームする方法もあるので紹介したい。

リフォーム前の和室。
リフォーム前の和室。
リフォーム後の和室。
リフォーム後の和室。「パキッと真壁」「のっぺりフロア」「押入デスク/ベンチ」の合わせ技。

スクリーンショット 2023-04-26 11.34.16

押入デスク/ベンチ」は、押入をデスクスペースやベンチ、テレビ台などに変えるレシピである。

■改修費の目安
¥102,000 / (箇所)

<内訳>
・既存押入解体工事(解体材撤去片付け含む):20,000円
・材料:18,000円・ハンガーパイプ、カーテンレール:5,000円
・大工手間:27,000円
・内装工事(床CF貼り):17,000円
・カーテンレール取付:10,000円
・養生:5,000円

<合計>
102,000円

「押入をリフォームするのは収納が十分にある場合のみで、そもそも少ないのであれば、あえていじらないほうが良いと思います」と連さん。

収納は少ないなら押入を毛嫌いせず、襖だけ貼り替えてそのまま使うのもアリだ。

また、なるべくコストをかけずに印象を変えたい場合は「シャイニングふすま」というレシピをお薦めする。

リフォーム前の状態
リフォーム前の状態
襖を銀色にするだけで引き締まる。
襖を銀色にするだけで引き締まる。

■改修費の目安

<内訳>
・襖表面貼り替え(ダイノックシート):18,000円/枚
・下地貼り替え:2,500円/枚

<合計>
20,500円

畳はNGと決めつけず
複数あるなら一部屋残そう

連勇太朗(むらじ・ゆうたろう)建築家、起業家。1987年生まれ。2012年慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修了。2012年にNPO法人モクチン企画を設立。
連勇太朗(むらじ・ゆうたろう)建築家、起業家。1987年生まれ。2012年慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修了。2012年にNPO法人モクチン企画を設立。

最後に、問答無用でフローリングやCFにされがちな「畳」について連さんに見解を語ってもらった。

「畳も必ずしもNGではないんです。私たちも畳の部屋が複数ある場合は、一つぐらいは畳表替えだけしてそのままにしています。子育て中の家族などには、畳の部屋が喜ばれたりするんですよ。元の素材を活かすリフォームが一番コストパフォーマンスが高いので、既存のものを残すこともぜひ意識してください」

なお、本記事は和室の洋室化を全否定する意図はない。大規模修繕でコンセプトを持って行う場合や、耐震補強や断熱施工とあわせて洋室化し、バリューアップすることには連さんも賛成である。

「なんとなく見た目だけの問題で和室を洋室化するのはもったいない」というメッセージを受け取っていただければ幸いだ。

さて、今回はここまで。次回も手軽でコスパの高いリフォームレシピを紹介する予定である。興味がある人はぜひ、これまでに紹介した記事も、あわせて読んでみてほしい。

VOL.1 築古物件の差別化戦略
VOL.2 押入れの改修・リフォーム
VOL.3 300円でできるカラーリング
VOL.4 遊び心のある外構リフォーム (前編)
押入れの高コスパ内装リフォーム(後編)
VOL.5コスパ最強格の照明リフォーム
VOL.6コスパと住み心地を両立させる床リフォーム4選
VOL.7予算1万円からの高コスパ外構リフォーム
VOL.8不人気のアパート1階をウリに変える外構リフォーム4選
VOL.9繁忙期に間に合う! 今すぐできる簡単リフォーム5選
VOL.10プロでも難しい! 素人がやってはいけないリフォーム

健美家編集部(協力:外山武史(とやまたけし))

外山武史

■ 主な経歴

SUKETTO合同会社代表
2009年からフリーランスで広告制作・編集執筆を行い、2020年に法人化しSUKETTO合同会社設立。

1年間にインタビューする人数は100名以上。経営者や不動産投資家をはじめ、会社員や美容師、農業関係者など多種多様な人の声を聞くことをライフワークとしている。

不動産関連では足立区や川口市をテリトリーとして、常に情報を集めている。

保有資格:経済産業大臣登録 中小企業診断士/宅地建物取引士

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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