• 収益物件掲載募集
  • 不動産投資セミナー掲載募集
  • 収益物件 売却査定

2,479アクセス

退去がある度に家賃を値上げ。年々利回りアップを実現する賃貸経営戦略とは?

賃貸経営/ターゲット設定 ニュース

2021/08/02 配信

築年数の古い建物の場合、退去をポジティブに捉えられる人は少ないのではなかろうか。手を入れる必要はあるが、それで家賃を高くできるわけでないしとネガティブに考えがちだが、退去がある度に家賃を値上げ、年間賃料、利回りともにアップさせ続けてきた人がいる。

2014年に猫共生型賃貸住宅necotoを武器に株式会社クラシヲを立ち上げ、現在では全国各地に71棟、405戸(2021年5月末日現在)の物件を普及させてきた杉浦雅弘氏である。どんな戦略でやってきたのかを聞いた。

取り壊し予定の
全空物件からスタート

不動産会社に勤務していた杉浦氏が最初に物件を購入したのは2013年のこと。その時点ではいずれ猫との共生を謳った物件を手掛けることを考えており、まずは個人でやってみようと考えてのことである。

第一号物件はこちら。物件それだけで見ると大きな特徴がある物件のようには見えない
第一号物件はこちら。物件それだけで見ると大きな特徴がある物件のようには見えない

「購入したのは1994年築の、会社の寮として使われていた木造アパート。16uにロフト付きで全12戸あり、購入時点での入居率はゼロ。寮として契約していた会社が解約したため、一括で入居者が退去することになったからです。

所有者は相続もあり、取り壊すつもりだったようですが、それだったら売ってくれと交渉、購入したのが最初の物件です。前職で管理していた物件でしたので、相場や状況もよく分かっており、necotoのコンセプトを試してみようと考えたのです」。

壁の高いところに猫が遊べそうな箱、壁にもステップを配して猫好みの空間を作った
壁の高いところに猫が遊べそうな箱、壁にもステップを配して猫好みの空間を作った

この物件の元々の賃料は5万円。それを猫共生型賃貸に改装することで賃料は6万5000円以上にアップさせることができた。この手法が家賃アップに有効であることが証明できたわけで、銀行も成果を認めた。

現在ではハウスメーカーその他のセミナーにもしばしば登壇。猫共生型の物件の魅力について話している
現在ではハウスメーカーその他のセミナーにもしばしば登壇。猫共生型の物件の魅力について話している

退去が出る度に
20%ずつ家賃をアップ

2棟目はこちら。改装後すぐに取材、紹介したが、その時点では猫がこんなに受けるとは思っていなかった
2棟目はこちら。改装後すぐに取材、紹介したが、その時点では猫がこんなに受けるとは思っていなかった

そこで2棟目として転売業者から購入したのが1988年築、駅からは13分と遠い、全19戸のマンションである。転売業者が扱う物件は当初の所有者から転売業者に渡ったところでADを2カ月、3カ月と多く付けてとりあえず満室状態とし、利回りが良く見えるようになったところで転売するため、取得後に退去が相次ぐことが多い。

だが、杉浦氏はそれを承知の上で購入した。退去があったら改装、家賃を上げられるので逆に好都合だからである。

壁面で猫が遊べるようにしている他、各室の壁の色を変え、選べるようにしたのもポイント
壁面で猫が遊べるようにしている他、各室の壁の色を変え、選べるようにしたのもポイント
壁の色、床材が違うだけでかなり違う空間に思える
壁の色、床材が違うだけでかなり違う空間に思える

「退去がある度に猫共生型賃貸へ改装、次の入居者の賃料を20%くらいずつアップすることを繰り返し、6年目の現在では7割が更新しており、もう少しで全戸猫共生型賃貸に変わります。当初の賃料は7万7000円でしたが、現在は9万4000円。年間賃料は当初より180万円ほど、利回りも11%くらいはアップしているでしょうか。年々収益が高くなっていく仕組みです」。

改装は元に戻すのではなく、
価値を付加するもの

普通は築年が古くなればなるほど賃料は下がるとされる。だが、杉浦氏は人が入れ替わる度に賃料アップを繰り返してきた。これが可能になるのは元に戻す改装ではなく、付加価値を付ける改装をしているからだ。

「築30年、40uの2DKに300万円をかけてリノベーションをしても元の家賃では決まりません。壊れたものを直しても、室内を新築同様にしてもダメ。そうではなく、古くても新築以上に払っても良いと思われる何かがなくてはいけない。私はそれを猫と考え、徹してきました」。

猫に絞ったのは不動産会社勤務時の経験から。いくら禁止しても猫を飼いたいという人は絶えなかったのである。だが、ペット可として犬を飼っても良いとする物件はnecoto誕生前から増えてきていたが、猫を可とする物件は希少だった。

猫好きの人からするとたまらない、肉球が見えるガラスのステップ。猫好きの気持ちを理解、楽しんで暮らせる設備を提供している
猫好きの人からするとたまらない、肉球が見えるガラスのステップ。猫好きの気持ちを理解、楽しんで暮らせる設備を提供している

「本来犬は群れの動物ですから一頭で飼って留守番させるのは犬にとっては過酷な状況。それが不安で怖いから留守番させられた犬は吠えるのですが、猫は繁殖期以外は常時一匹でも平気。賃貸の一人暮らしでも飼いやすいのは猫です。

でも、これまで隠れて飼われてしまい、それで臭いや爪の被害を受けた人たちは猫に拒否反応を示します。去勢せず、多頭飼いから猫屋敷になってしまった例のイメージが定着しているのかもしれません。犬はいいけれど、猫は嫌というのがこれまででした」。

そこで杉浦氏は猫共生型賃貸を自ら作り、ニーズがあることを証明して見せたのである。室内に猫が喜ぶ施設を作ると同時に室内を傷付けない工夫をし、さらに不妊手術あるいは去勢をすることや、外に出さないなど飼育時のルールを定めることで猫飼育が建物所有者に負担をかけない仕組みを作り上げたのである。

それでも猫と暮らせる物件は
まだまだ足りない

それから6年でnecotoが認知されるようになり、全国に作られるようになったのは冒頭で説明した通り。他にも猫との共生を謳う物件も出てきている。だが、それでも猫と暮らせる物件はまだまだ少ないと杉浦氏。

「猫自体は江戸時代から飼われており、最近ブームになったというものではないと思いますが、それでも増えているのは確か。特に一人暮らしの場合、犬の飼育には1日2回散歩に行かなくてはいけないなどのハードルがありますが、猫ならそうした問題も不要。留守にする時にも最近一般的になってきた猫シッターに来てもらうという手があります。

また、昨年、今年とテレワークが進み、一人で寂しいからペットを飼いたいと猫を飼う人が増えているという報道もあります。数字で検証されるのは来年になるでしょうが、たぶん、増えているでしょうし、これからも増えるでしょう。

犬の場合は個体差が大きく、犬種で好き嫌いがあるため、犬好きばかりが住んでいても入居者間でトラブルが起きることがありますが、猫の場合はそれがありません。黒猫は好きだけれど三毛猫は嫌いという人はいません。だから、入居者間もうまくいく。本当はもっと増えても良いと思っているのですが……」。

もちろん、猫でなくても新築以上に付加価値が付けられる改装であればなんでも良い。大事なことは元に戻すのではなく、価値を上げるためにはどうすればよいかを考え、長期的な戦略を持って経営に当たること。杉浦氏の経営には学ぶものが多いはずである。

健美家編集部(協力:中川寛子)

不動産投資ニュースのライターさんを募集します。詳しくはこちら


ニュースリリースについて

編集部宛てのニュースリリースは、以下のメールアドレスで受け付けています。
press@kenbiya.com
※ 送付いただいたニュースリリースに関しては、取材や掲載を保証するものではございません。あらかじめご了承ください。

最新の不動産投資ニュース

ページの
トップへ