築年数の古い建物の場合、退去をポジティブに捉えられる人は少ないのではなかろうか。手を入れる必要はあるが、それで家賃を高くできるわけでないしとネガティブに考えがちだが、退去がある度に家賃を値上げ、年間賃料、利回りともにアップさせ続けてきた人がいる。
2014年に猫共生型賃貸住宅necotoを武器に株式会社クラシヲを立ち上げ、現在では全国各地に71棟、405戸(2021年5月末日現在)の物件を普及させてきた杉浦雅弘氏である。どんな戦略でやってきたのかを聞いた。
取り壊し予定の
全空物件からスタート
不動産会社に勤務していた杉浦氏が最初に物件を購入したのは2013年のこと。その時点ではいずれ猫との共生を謳った物件を手掛けることを考えており、まずは個人でやってみようと考えてのことである。
「購入したのは1994年築の、会社の寮として使われていた木造アパート。16㎡にロフト付きで全12戸あり、購入時点での入居率はゼロ。寮として契約していた会社が解約したため、一括で入居者が退去することになったからです。
所有者は相続もあり、取り壊す
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