今回は、昨今一般のニュースでも話題になることの多い「空き家」に関連して背景にある「ストック活用」の考え方と最近の流れを説明しよう。前回解説した「転用」の考え方もこのストック活用の考え方を理解することで、より関心が持てるだろう。
「建築のストック」とは。
既存の建築はすべて「ストック」である
財務の基本表としての損益計算書はフロー増減の状況を、貸借対照表はストック資産の状況を表すということになぞらえて、国交省周辺から既存の建築物、土木構造物、国土環境を「ストック」と呼ぶようになってきている。
「すでにある=既存の」空間・構造・環境の資産という意味であり、スクラップアンドビルドで発展してきた、戦後の建設産業がフロー的成長を焦点としてきたことからの転換を表すワードだ。
その考え方の上に「ストックをプラス」に変えるための政策も多く動き出している。
・既存住宅の建物評価手法の改善の一つとしてのインスペクション制度
・国の関与のもとで消費者が安心して購入できる物件に対し標章を付与する「安心R住宅」制度の取り組み
・全国版空き
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