最近、不動産投資家の間に「イールドギャップ」なる指標を口にする人が増えている。
金融用語のイールドスプレッドからの派生とも考えられるが、学術用語ではないので明確な定義は存在しない。
不動産投資の世界では、「物件の表面利回り ー 借入金利」をイールドギャップと呼ぶことが多い。
用語の定義についてはいささか曖昧さが残るが、当記事においても巷の呼称と同様にイールドギャップを
「物件の表面利回り ー 借入金利」
と定義して話を進めたい。
このイールドギャップは表面利回りから借入金利を引くという、一見単純な構造をもつため、多くの初心者が口にする指標となっている。
例えば、ある物件の表面利回りが8%で、借入金利が4.5%なら、イールドギャップは、8% ー 4.5%=3.5%と言うように、誰でも手軽に計算できるのが流行している理由であろう。
しかし、この手軽さこそが、投資判断を誤らせる元凶となっているのである。
不動産投資における最重要指標は、あくまで「手取の年間キャッシュ額」と、「純資産額」である。
ただ、「手取の年間キャッシュ額」や、「純資産額」を算出するには、様々なインプット情報やB/S、P/L、C/Fの財務諸表
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