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都内で地震に弱いまちはここだ! 東京都の最新危険度調査をチェック

不動産投資全般/災害・防災 ニュース

2018/03/09 配信

東京都では1975年以来、おおむね5年ごとに都内の市街化区について地震に関する危険度を調査、公表している。2018年2月15日には第8回目となる最新調査が公開された。

この調査は建物倒壊危険度、火災危険度の視点からまちをチェック、そこに災害時活動困難度を加味して総合危険度を測定するもの。市街化区域の5177町丁目が対象という、日本の各種危険度調査の中でも細密さでは有数の調査だ。以下、順に危険な地域を見ていこう。

■建物が倒れやすいのは地盤が弱い下町エリア

まず、建物の倒壊危険度が高い地域は23区、特に足立区、荒川区、墨田区、葛飾区などといった下町エリアに集中している。逆に多摩地区では測定対象外となっている地域もあるほどで、あまり危険はないという結果だ。

建物倒壊危険度。荒川、隅田川、多摩川などの川沿いに集中している
建物倒壊危険度。荒川、隅田川、多摩川などの川沿いに集中している

これは倒壊危険度が地盤特性、建物量、建物特性の3つの要素から算出されるため。地盤が弱く、建物が密集している上に倒壊しやすい建物が集まっていると危険度が高いと評価されるのである。火災危険度も建物の状況に左右されるが、それ以上に地盤の要素が高いのが倒壊危険度であり、そこで危険なのは川沿いの低地ということになるのだ。

実際、この調査では荒川、隅田川沿いの低地である下町エリア一体が危険とされる。この地域は地盤が弱い上に、車社会が到来する以前から人が住んでいたため、道幅が細いのも特徴。そこに古い木造、軽量鉄骨増の家などが多く建っているとしたら、危険度が高いと判定されるのは無理もないことだ。

また、下町エリアほどではないものの、多摩川沿いにも危険な地域があることは覚えておいていただきたい。

加えて多摩エリアに危険がないというわけではないので安心は禁物だ。多摩エリアは地盤自体は強固なため、揺れはさほど大きくはならず、下町のような建物倒壊の危険は少ない。だが、この調査には含まれていないが、造成地、崖地であれば斜面崩壊の危険がある。

■環七沿い、中央線沿線には火災の危険

続いて火災危険度だが、これは出火・延焼の危険性から算出される。具体的には古い木造住宅など燃えやすい建物が多く集まっている、広い道路や公園がないなどの地域が危険とされる。

建物倒壊危険度よりも広い範囲に危険が見てとれる
建物倒壊危険度よりも広い範囲に危険が見てとれる

分布図から分かるのは下町エリアでは建物倒壊危険度が高い重なる地域あるものの、それ以外にも区部の環状七号線の内側、JR中央線沿線に危険度の高い地域があるという点。

これらの地域は戦争で被災しなかった場所が大半。そのために戦前の狭い道路が残されており、建替えがしにくい。その結果、古い木造住宅が密集して残されているのである。現在、東京都が不燃化を進めているのがこれらの木造住宅密集地域(通称モクミツ)である。

■救助活動しにくいのは多摩地域、23区西部

もうひとつ、前回から新たに指標として採用された災害時活動困難度は災害後に行われる救助活動のしにくさを指標としている。

ここまでの調査とは異なる地域に危険度が高い地域が分布する
ここまでの調査とは異なる地域に危険度が高い地域が分布する

具体的には道路幅や公園の有無・面積などから活動有効空間不足率を算出、さらに幅員の広い道路にまで到達するための平均所要時間から道路ネットワーク密度不足率を算出、そのかけあわせで評価を行っている。

道路の幅員等が指標になっていることから分かるように、災害時活動困難度が高いのは道路整備が遅れている地域に多い。具体的には多摩地域や23区の西部など。逆に道路の基盤整備が進んでいる都心部や23区東部は困難度が低いという結果だ。

■総合危険度が高いのは下町と中央線沿線など

総合的に見た場合の危険度の分布。単体の危険度よりもさらに広範に及んでいる
総合的に見た場合の危険度の分布。単体の危険度よりもさらに広範に及んでいる

では、最後に総合危険度である。建物倒壊危険度の高い下町エリアが中心となっているが、それ以外にも広い範囲に危険度の高い地域が散在している点に注目したい。

調査では危険度の高い地域の上位100町丁目をまとめているが、そこには足立区、荒川区、葛飾区、墨田区、葛飾区などの下町エリアに加え、大田区や中野区、杉並区、品川区なども。地盤のためか、下町が弱いとはよく言われるが、それ以外でも危険な地域は意外にあるのだ。

以下、下町エリア以外で危険とされる場所をざっくり見て行こう。

大田区では多摩川沿い、蒲田周辺に危険

広い範囲で危険が高いのは大田区。上位100町丁目には10町丁目が上がっており、見ると2種類のタイプがある。ひとつは羽田6丁目、同3丁目、仲六郷2丁目、西六郷1丁目、同2丁目のように多摩川沿いである。

もうひとつは西蒲田1丁目、同2丁目・4丁目・5丁目に南蒲田3丁目など細街路に建物が密集した地域である。

中野区では妙正寺川沿いに集中

次いで危険度が高い地域が多いのが中野区。5町丁目のすべてが妙正寺川沿いとなっており、区全体としては決して低い土地ではないものの、川沿いには危険があることが分かる。具体的には若宮1丁目・2丁目、大和2丁目・4丁目、野方2丁目である。

品川区は木密地域が意外に多い

品川区と杉並区がそれに次ぐ。品川区は西大井駅を中心に北側、南側にそれぞれ豊町4丁目・5丁目、西大井3丁目・大井7丁目と隣り合った2町丁目の危険が高いとされている。品川区は細街路と木密が危険の要因だが、これでも以前に比べれば再開発その他でかなり改善されてきている。

杉並区も木密、川沿いに危険

杉並区は善福寺川沿いの成田東1丁目以外は住宅密集地。具体的には天沼1丁目、高円寺北3丁目、方南1丁目である。

それ以外にも豊島区、新宿区でいくつか危険とされている地域があるが、それについては調査を見ていただきたい。

最後にこうした調査の使い方である。もちろん、危険とされている地域には買わない、投資しないという考え方もあるが、もうひとつ、危険の種類と実際の場所を知った上で選ぶという考え方もある。たとえば地盤の弱い地域でもRC造の築年が新しい建物ならさほど危険はなくて済む。木密地域では耐火構造であれば延焼の危険が減る。

また、危険度が高いとしても、町丁目のエリアすべてが危険というわけではないはず。そう考えれば、危険を避けて、でも比較的安い場所に買える可能性もありうるわけだ。

健美家編集部(協力:中川寛子)

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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