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トランクルーム市場規模拡大の中、100名が騙される詐欺事件。架空取引で購入実体なし。どうすれば防げたか!?

不動産投資全般/その他投資 ニュース

2021/07/13 配信

不動産投資をめぐってのトラブルがまた報道された。トランクルームの投資で詐欺の被害が明らかになった。

記憶に新しい女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」事件では、事業者が投資家に相場よりも高い価格で投資を持ち掛けて、融資の審査で本来なら融資できないような人にも審査書類を改ざんして融資するなどの問題が発覚。その事業者が破綻したことで、サブリース契約していた物件所有者への家賃が支払われなくなった。

レンタル倉庫
写真はイメージ

今回のトランクルーム投資は詐欺事件だ。トランクルームを展開するユアスペース(東京都墨田区)の営業マンが架空取引をしていたことが判明した。一般報道によれば、約100人が8億円以上を出資していたとみられている。

営業マンに持ち掛けられて購入したトランクルームは、既に所有者がいるもので、ユアスペースと契約したと見せかけて購入金額を騙し取って自分の口座にお金を振り込ませていたようだ。

トランクルームを購入した投資家は、利用者から賃貸収入が毎月入り、高い利回りにひかれて購入したものの、実は購入できていなかったことになる。発覚するまで約3年間、毎月賃料が振り込まれていたが、その営業マンが警察に自首したことでユアスペース側から連絡があったことでわかった。

市場規模は拡大続く
2020年度は774億円

トランクルーム市場は、東京など大都市を中心に急速に広がりを見せている。収納スペースが不足するマンション居住者が近くのトランクルームを借りるケースが増えている。季節物の洋服や節句で使う祭壇、釣りやゴルフ、スノーボードやサーフボード、自転車などの趣味の道具をしまうなどの利用が多い。収納の専業者だけでなく、東急リバブルや小田急不動産など不動産大手も参入している。

矢野経済研究所が4月に発表した「レンタル収納・コンテナ・収納・トランクルーム市場に関する調査」によれば、2020年度の市場規模は774億7000億円(前年度比2.3%増)という。2011年度から9年間で約1.7倍に拡大し、拠点数も1万3000カ所を超える水準と見ている。同社では、成長スピードに鈍化の傾向もあるものの、市場拡大は進むとの見通しだ。

2021年度以降についても、不動産価格の高止まりから仕入れが難しくなっているが、都市型で新築の開発が増加するなど小中規模の開発が進むことで、より一般の生活者に身近なトランクルームが増えて認知度の向上もさらに見込めるとする。

会社チェック体制に不備
投資家は固定資産税の有無で所有の判断できる

生活者の身近な存在となれば、トランクルーム詐欺のような事件は健全な市場拡大を阻害しかねない。個人投資家は、騙されないようにするにはどうすべきか。

特に今回のように取引の実体がないのに、取引を行ったように見せかける架空取引。あたかもその取引が実在するように見せかけてお金を横流して着服することが犯人の主要な目的である。

ユアスペース側としては、社内体制のチェック不備が挙げられるが、架空取引の実行者が営業部長だっただけに周囲の人が詮索しづらい状況である。部長クラス以上の監督責任は免れないが、今後の対応として一般社員が上司の不正などに気づいた場合に報告・通報しやすい環境づくりが欠かせない。通報者が名前を出さずに通報できる制度などだ。

一方、騙された投資家側としてはできることが少ない。会社が循環取引をしていることを察した従業員は、エンドユーザ―に取引の実体を確認できるが、ユアスペースのように最終エンドユーザ―である個人投資家は取引実体を調べにくい。最初から疑ってかかって「この担当者は本当に大丈夫なのか? 」と食ってかかるのも現実的ではない。

ただ、購入して所有しているのであれば固定資産税がかかる。今回のケースでは、投資家の1人はおよそ3年の間賃料が振り込まれていたとされているので、固定資産税の通知が来ていないことで会社側から事件を知らされる前に気づくこともできた。

不動産取引に対するリスクは慎重を期すべきであろう。大手住宅メーカーでさえ地面師に巨額の土地代金を騙し取られたりする。インターネット社会となり、社会構造が複雑化している中で、リスクに対するリテラシーを高めることが求められている。

健美家編集部(協力・若松信利)

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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