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スルガ銀行事件、不動産ADRでの救済を模索!「債務免除益」での税金発生は大きな課題!!

不動産投資全般/社会問題 ニュース

催告書

前略、平成25年12月20日付抵当権設定金銭消費貸借契約に基づき貴殿にご融資申し上げましたローン金45,000,000円也(現在残高金41,283,307円也)については平成30年8月1日返済分以降が遅滞しております。

つきましては、至急、遅延弁済金ならびにこれに付帯する利息及び遅延損害金の金額をお支払いくださいますようお願い申し上げます。

万一、お支払いのない場合は、期限の利益が喪失となる可能性があります。

その場合、ローンに付保されている団体信用生命保険の失効、担保物件の競売などの所定の法的手続による請求やローン債権を他社へ譲渡することにもなりますので、ご承知おきください。

平成30年12月7日

上記の催告書は、スルガ銀行の某支店長名で出されたもので原文のままである。女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」のスマートデイズの倒産で返済が滞った都内在住の個人宛に出された。

不正融資の舞台となったスルガ銀行では、関係各所が対応に追われている中、直近でも被害者に対して催告書を出し続けている。被害者の年収は900万〜1500万円と比較的高い人が多い。将来の年金代わりなどとしてにわか不動産投資家を目指した。

かぼちゃの馬車は、サブリースを売りにしてスマートデイズが販売・運営していたが、同社の破たんで毎月の賃料が支払われなくなり、ローンの返済に行き詰まった人が続出している。

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かぼちゃの馬車では、建物を建てる前に事件が発覚し、土地だけ抱えている投資家もいる(写真はイメージ)

このシェアハウスの問題点は、物件価格と建築費用が相場からかけ離れて高いこと、書類を改ざんしてアパートローンを組んだことだ。土地値が相場の倍だったり、実際の評価額は3分の1程度にしかならなかったケースもあった。例えば、足立区内では相場4000万円のところを1億2000万円で販売していた。

相場より高い金額で購入、かつ担保評価額を上回る金額で融資を受けていたため、売却しても残債が処理できない。なかには、返済をあきらめて破産した人もいる。

この一連の事件について、スルガ銀行調停案作成検討委員会で委員長を務める井上徹氏は、

「不正融資と言われているが、実際問題としては押し貸しみたいなことになっている。本来ならば融資できないものに融資をしてしまった。最も悪いのが不動産仲介会社で、スルガ銀行も不動産会社を利用して融資実績を上げていった。不動産会社と金融機関が一体にならないと今回のような融資はできない」

と話すとともに、決済後に売買価格変更の合意書を作成しているケースもあり、何が本当の価格なのか見極めるのが大変だとこぼす。

第三者委員会の報告書では、不正行為の詳細も明らかになった。例えば、媒介契約に売り主が立ち会っていない。相場よりも高値で売却し、超過部分から物件紹介者にキックバックする、それも巧妙に別会社を使って入金する。

重重要事項説明をしていない宅建士の印鑑が押してあることも。一つの取引で1000万円以上のおカネが物件紹介者に流れていることも判明している。

ある投資家は、「金消契約をしているときに金額未記入の支払伝票にいろいろとサインさせられた」といい、前出の井上氏は、「最も多いのが通帳のコピーを紹介者に送り改ざんするケースだ」と話す。これらはすべて決済当日に気付く。

しかし、決済日に気付いてなぜ契約するのか。売買契約書には違約金条項があり、キャンセルすると違約金が発生するとの不安感から目をつぶってしまうとの声もある。

また、年収1500万円の人が3億5000万円の融資が可能だと言われ、「なぜそんなに借りられるのか」との疑問には、銀行サイドが「金融スキームを持っているからだ」と回答する。

この金融スキームという言葉がくせ者で、この言葉からは違法行為は連想出来ない。賃貸経営者として、投資の利回り・賃料にばかり目を奪われ過ぎ、不動産投資の基礎の勉強を怠り、将来の賃料を約束されているとサブリースも信じ込んでしまった。

また、スルガ銀行側も物件の適切な収益力の評価をしていなかった。

被害者救済ではADR(裁判外紛争解決手続)での解決を目指している。金融庁の意向もあり、スルガ銀行は基本的にADRでの対応を考えているようだ。

代物返済や金消契約の取り消し、債務の減免など。被害者弁護団は、スルガ銀行に集団での対応を要求しているが、物件の紹介者も改ざんの方法も個々に違うため、スルガ銀行は個別に対応したいようだ。

金融庁が債務者の生活を守るよう指導しているため、井上氏は、「スルガ銀行としても債務の減免にある程度応じる準備もある」と話す。

直近の相談者には、建物を建てる前にスマートデイズが倒産して土地だけ残った人もいる。こうした場合は、土地の売却額までの債務の減免を訴えていく。

ただ、物件を相場より高く購入したものの、適切に運営出来ている物件であれば減免に応じない。いくら割高で買ったとしても、キャッシュフローが出て返済も出来ているのであれば減免する必要はない。物件の価値を見誤って高値掴みした投資家と同じ対応となる。自己責任の範疇である。

ADRに話を持ち込む投資家のなかには、2年後が不安なので減免してほしいという人もいるが、「それは虫がいいでしょう」ということになる。しかし、例えば高金利のローンだったら金利を多少下げてもらう申し立てをすることもあるし、元金の返済を一定期間猶予し、その間におカネを貯めて返済するなど様々だ。

金融のADRとは違い不動産のADRでは負債をチャラにするというよりも、事業の再生計画が主眼であり、どうすれば返済ができるかである。ただ、注意しなければいけないのは、債務免除になった場合、「債務免除益」となり税金の支払いが発生する可能性がある。キャッシュが無い故の債務免除であるのに、税金を支払っていては元も子もない。

ADRでの仲裁又は調停は、課税関係まで考慮したものが求められる。債務免除を受けても、税金で破たんしてしまうのでは笑い話にもならない。

法務大臣認証ADR機関である日本不動産仲裁機構は、

「我々は破たんさせるためのスキームで投資家と話しているわけではない」

として、金融庁を通じて国税庁に減免措置等を要望している。ただ、国税庁の回答は

「個別案件なので所轄税務署に相談してください」

というもので、要望の実現には至っていない。

健美家編集部

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