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レオパレス再生最強の一手。改修を期にトップランナーに

不動産投資全般/社会問題・情勢 ニュース

2019/03/08 配信

多くのレオパレス所有者にとっては今回の施工不良問題は頭の痛い話だろう。入居者に転居してもらい、改修をしたとしても悪評が消えるわけではなく、すでに数多くの法人契約解除など、消費者のレオパレス離れは報じられているところ。最悪の場合、大量の空き家発生に繋がる可能性すらあり得るだろう。

だが、ビジネスの世界では良く言うではないか。ピンチはチャンスと。そして、今回の件にもその法則は十分当てはまる。要は発想次第だとスタジオA建築設計事務所エネルギーまちづくり社の内山章氏。

賃貸住宅のリノベーションも多く手掛ける内山章氏
賃貸住宅のリノベーションも多く手掛ける内山章氏

「賃貸経営で入居者がゼロになる機会は経営破綻以外ではほぼないはず。せっかく全空になるのですから、このタイミングでこれまでのマイナスをゼロにするだけでなく、プラスに転ずる改修を行い、マイナスを逆手に取れば良いのです。一発逆転ホームランのチャンスです」。

その前に今回の施工不良問題を非常にざっくりとまとめてみよう。逆転の仕組みを理解するためには問題点を知ることが第一歩になるからだ。

問題発覚の発端は界壁が屋根裏まで達していないという、建築基準法違反である。これが住宅の性能にどういう影響を及ぼすかといえば、大きく2点ある。ひとつは火が回りやすくなる、つまり、防火性能が落ちるということ。

同社ホームページから。界壁の意味を図解しており、それによる影響について解説されている
同社ホームページから。界壁の意味を図解しており、それによる影響について解説されている

もうひとつは遮音レベルが低くなるということ。昔からレオパレスでは隣の音がよく聞こえるなどと音問題に関する脆弱性が指摘されてきたが、それもそのはずだったわけだ。

それ以外にどのような施工不良があったかについては国土交通省のホームページを見るのが分かりやすい。これまた非常にざっくり言うと、壁や天井などの内部に入れるべきモノを入れていなかった、違うモノを入れていたということになる。

国土交通省のホームページから。界壁、外壁、床を構成する天井について何が問題かが分かりやすく図解されている
国土交通省のホームページから。界壁、外壁、床を構成する天井について何が問題かが分かりやすく図解されている

これによって界壁の場合同様、防火性能が落ちる、遮音ができないという問題が生じる。火災に弱い、隣の音がよく聞こえる物件になってしまっていたのである。当然、今後、行われるはずの同社負担での改修ではその2点を補う、マイナスをゼロにするものになるはずだが、それでは一度地にまで落ちた評判を取り戻すものにはならない。ゼロにしただけでは周囲の同種物件に対する差別化にはつながらないからだ。

では、どうするか。周囲の他物件に徹底的に欠けている条件を付加するのである。そうすればマイナスをゼロではなく、プラスにできる。よく、転んでもタダでは起きないという言葉があるが、転んだところででかい金塊を掴んで立ち上がろうというのである。

それが断熱改修。壁、天井、床下に断熱材を入れる、内窓を付けるあるいは性能の高い窓に交換するなどで窓の性能を改善させる、場合によっては換気計画を再考する。これだけである。難しいことは何ひとつなく、やれば効果が出ると内山氏。これによって周囲にはない、冬暖かく、夏涼しい賃貸住宅を実現できるのである。

「日本では断熱性能についての法規的な基準がなく、暑くて寒い住宅が普通にまかり通っていますが、断熱改修をすれば毎日の生活の質がまったく変わります。他の設備類と違い、一度改修しておけば30〜40年は更新する必要はありませんし、集合住宅なら屋根、外壁と窓を改修すれば全戸が恩恵を受ける。一戸建てより効率的に多くの人の生活を変えることができます」。

報道によるとレオパレスは内部留保が多い会社とのことで、今回の改修に230億円を計上しているというが、そこに内部留保の範囲でさらにプラスできれば賃貸業界で居住性能のトップランナーになれるのである。

「単に当初の仕様に戻すだけでは現在ついてしまった悪評をそそぐには不足。それだけなら、今後、同物件を借りる人、建てようとする人はいなくなるかもしれませんが、一歩進んだ改修までやっておけば、逆に大きなイメージアップに繋がります」。

もし、同社にその気がないとしても、個人の所有者でもできる人はやるべきだと内山氏。

「報道を見ていると、自分たちは被害者と考えている人が少なくないようですが、投資は本来自己責任で始めるべきもの。また、自分で選択した以上、同社と所有者はビジネスパートナーです。一蓮托生の立場と考えると非難したり、対決姿勢で臨むより、互いにプラスになる解決策が模索するのが賢明な方法ではないでしょうか」。

内山氏は同社がホームページ上でアップしている今回の検証について「しごく、まっとう」と評価する。やればできるはずなのである。

また、断熱性能を高める改修については日本にもきちんと知識のある専門家がいるという。「パッシブハウスJapanが認定する省エネ建築診断士は断熱改修に知識のあるプロです。また、国土交通省も住宅省エネルギー技術講習を行っていますから、こうした資格のある人あるいは講習を受けた専門家がいるかどうかを確認して依頼すれば、競合物件とは大差のある物件に再生できるはずです」。

住宅省エネルギー講習会のテキスト。こうしたものをきちんと受講するような意欲のある工務店、建築家を選ぶことで住宅の質も上がる
住宅省エネルギー講習会のテキスト。こうしたものをきちんと受講するような意欲のある工務店、建築家を選ぶことで住宅の質も上がる

もちろん、改修後はそれをきちんとアピールすることも大事である。

もうひとつ、この改修が優れているのはこの先の高齢化にも対応するという点。現在、単身者向け物件は若者を意識しているはずだが、これから先は高齢者も視野に入れる必要が出てくる。その時、快適に長生きできる家を供給できることは何よりの強みになるはず。

敵対したままで双方に不利な結末となれば、地域に空き家増というマイナスを生じさせてしまう懸念もある。災い転じて福となせるかどうか、経営者の力量が問われている。

健美家編集部(協力:中川寛子)

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