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【実録】「かぼちゃの馬車」どん底からの再生事例。金利4.5%から1%。グループホーム、労働者の宿所に

不動産投資全般/社会問題 ニュース

かぼちゃの馬車」を販売したスマートデイズの経営破綻から、間もなく1年になる。首都圏を中心に点在する、かぼちゃの馬車の物件は、今、どうなっているのか。

中には、グループホームや労働者の宿所にして、起死回生を図っている例がある。どちらもオーナーからのSOSに対して、救いの手を差し伸べ、再生プランを実現したのが、元銀行員で、現在は不動産投資家でコンサルタントの川村龍平氏である。そこで川村氏が手掛けた、かぼちゃの馬車再生事例について話を聞いた。

■元銀行員ならではの交渉術で、金利4.5%から1%に

全国で講演活動を行い、不動産投資勉強会「東京築古組」を率いる川村龍平氏は、一昨年の夏から、異常事態が起こっているという。

「以前は『もっと収益を上げたい』など、前向きな相談が多かったのですが、かぼちゃの馬車を購入した人に限らず、立ち行かなくなっている人からの相談が急増しています」

不動産投資をするうえで最も重要になるのが、「長期にわたる税引き後経費控除後のキャッシュフロー分析」であると川村氏は力説してきた。

しかし、そこまで考えていないがために、うまくいかないケースが多いという。実際に相談を受けた、かぼちゃの馬車の例では、3.8億円の借入で、毎月、手元に残るのが15万。フルローンで借りていたとして、年間利回りに直すと0.47%。

建物も土地も周辺の2倍の価格で購入しているケースがあった。その上、建築前も後もオーナーに物件を見せず、管理体制がブラックボックスになっていたことも判明した。

「なぜ、このようなスキームに1000名近くが騙されたのかといえば、不動産投資の仕組みや金利上昇のリスクなどの基礎知識が乏しいまま、自ら汗をかいて取り組もうとせず、楽をして儲かると考えた人が多かったからでしょう」

かぼちゃの馬車のオーナーから相談を受けた川村氏がまず行ったのが、物件への潜入調査である。管理会社からキーボックスの番号を聞き出し、中に入ると20部屋中1〜3室しか埋まっていないケースがほとんど。防犯システムも作動しておらず、泥棒が入っても分からないような無防備な状態だった。

次に、複雑な資金繰りの実態を解明し、周辺のワンルームやシェアハウスの賃料を調査し、金利引き下げ交渉に向けた大量の資料を作成した。ここで元銀行員の手腕が発揮される。

「フリーローンを使って融資の足りない分を補填していたことや銀行預金の改ざん、土地購入の二重売買などが明らかになりました。そこで、こちらが作成した金利交渉のための分厚い資料を手に、銀行に突撃し、交渉を重ねた結果、金利4.5%から1%に下げることができました。だからこそ生き残れたのです」

ほかにも様々な方法でリフォーム費用を捻出。また、保障の低い保険に半ば強制的に加入させられていたことから、電気設備などの故障に保険が下りるタイプのものに火災保険を変更させた。

■世田谷区だからできたグループホームへの転用

イメージ写真

次は、新たな入居者の模索である。そもそもかぼちゃの馬車は、首都圏を中心に点在しているが、山手線沿線や大学近くの物件であれば、ある程度はニーズがあるものの、少し場所が外れると、途端に空室を埋めるのが難しくなる。

そこでたどり着いた再生プランが次の2つである。世田谷区のA物件と、板橋区のB物件の例を挙げて解説する。

A物件は立地から、グループホームとして再生の可能性が見えてきた。

「グループホームの運営会社に相談をすると、世田谷区のそれもA物件があるエリアなら、グループホームのニーズがあると分かりました。そこで1、2階それぞれに10室あるのを各7部屋に減らし、その分、各部屋を広くして、共用部を拡大し、浴室を新設。さらに内装をオシャレにするなどのリフォームを施しました」

運営はグループホーム専門の運営会社に任せ、収益性は向上し、管理の手間が省けた。そのため、長期保有を考えている。

■板橋区では労働者向けの宿所にして空室を埋めた

板橋区のB物件は、労働者向けの宿所にして、再生を図った。

「B物件があるエリアは調べていくうちに、警備員や引っ越し業者など日雇いや派遣で働く労働者向けのニーズがあることが分かってきました。そうした労働者の派遣を行う派遣会社と提携し、空室を埋めることに」

B物件では、部屋の広さは変えず、1階の10部屋中3部屋を潰して、17畳と広々としたLDKの共用部を設けた。もともと1〜2階の2か所にあったキッチンを1階に連結させ、2階のキッチンがあった場所には、洗濯置き場を集約させ、入居者が暮らしやすいようにリフォームをした。

こうして労働者向けの宿所として空室を埋め、収支を改善させた。こちらは川村氏の試算を元に10年後に売却をする目論見だ。

■血みどろになって駆けずり回れば、必ず、ウルトラCはある

これからますます融資が厳しくなり、かぼちゃの馬車のようなトラブルは減ってくるだろう。しかし、不動産投資の怖い点は、失敗がすぐに表面化せず、5〜10年以上経ってからから表に出てくるという厄介な点である。

そこで川村氏が勧めるのが、管理会社に任せきりにするのではなく、自主管理に切り替え、清掃などできることは自分ですることだ。

「私はサラリーマン時代からずっと、すべて自主管理です。その理由はシンプルで、管理会社に支払う費用をカットするため。管理費の税引き後の手残りに占める割合は、相当大きいですよ。サラリーマン大家なら、会社が終わってからや土日に、物件の清掃はできるはず。問題があるなら、いろんなツテを探して電話をしまくり、人に会いまくって、模索することです。かぼちゃの馬車に限らず、血みどろになって駆けずり回れば、なにかしら必ず『ウルトラC』ともいえる解決策があるはずです」

川村氏は自ら作業服をして、頭にタオルを巻いて配線工事を行ったり、物件の清掃を行ったり、額に汗をかき、時には、ストレスで体を壊しながらも耐え抜いてきた。

「物件の清掃など、主婦が家を掃除する延長でできますよ。家族総出でやったっていい! 実際に自分でやってみることで、管理会社の手抜きが分かって注意することだってできるのです。僕は、実際に、タオルを巻いていろんなことやっている。それが僕の精神論です」

今なお、全国から不動産投資の失敗に関する相談が相次いでいるという。川村氏の言葉を肝に銘じたい。

健美家編集部(協力:高橋洋子)

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