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【事件簿】20歳代で急増。平均購入額2776万円 国民生活センターに寄せられた不動産投資トラブル

不動産投資全般/社会問題 ニュース

正しい知識をもってすれば、大きく失敗することは少ないとされる不動産投資。だが、知識を得る前に、投資トラブルに巻き込まれてしまっては元も子もない。国民生活センターには、不動産投資に関する相談が昨年度だけで1350件も寄せられている。相談件数は減少傾向にあるものの、20歳代からの相談が増加している。筆者も不動産関連の取材をする中で、トラブルの一部始終を耳にすることがある。いったいどんなトラブルが起こっているのか。事例を挙げて紹介する。

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2018年度の相談件数は1350件、うち405件は20歳代

国民生活センターが今年3月28日に発表した報道発表資料によると、不動産投資に関する相談件数は、2018年度だけで1350件、うち20歳代の相談件数は405件、平均契約購入金額は2776万円。全体では年々減少傾向にあるが、最新の調査では、20歳代からの相談件数は13年度の調査から2.5倍にまで増加している。

PIO-NETにみる投資用マンションの20歳代の相談件数と平均契約購入金額。PIO-NET(パイオネット:全国消費生活情報ネットワークシステム)とは、国民生活センターと全国の消費生活センター等をオンラインネットワークで結び、消費生活に関する相談情報を蓄積しているデータベースのこと。相談件数は2019年2月28日までの登録分。出典:国民生活センター
PIO-NETにみる投資用マンションの20歳代の相談件数と平均契約購入金額。PIO-NET(パイオネット:全国消費生活情報ネットワークシステム)とは、国民生活センターと全国の消費生活センター等をオンラインネットワークで結び、消費生活に関する相談情報を蓄積しているデータベースのこと。相談件数は2019年2月28日までの登録分。出典:国民生活センター

きっかけは、セミナー、街頭アンケート、名刺交換

筆者も、不動産関連の取材を行う中で、投資用マンションなどの購入を勧誘された経験が何度もある。例えば、著名人による老後のお金をテーマにした無料のマネーセミナーに参加したことがきっかけで、勧誘の電話が鳴るようになった。

そのセミナーは数百名ほど入る大きなホールで行われた。テレビでもよく見る著名人が自身の健康問題を切り口に、老後を迎えるための心構えについて語るもので、純粋にその内容に興味を持ったため、参加をした。

著名人のセミナーの後、主催した不動産会社が自社の宣伝に近い相続や節税に関するセミナーが行われた。アンケートに答えたら、数日後、その会社から投資用の中古マンションを買わないかと家の電話にかかってきた。

1回目は、話だけ聞いたが、断った。その後も4〜5回、数か月おきに電話がかかってきたが、2度目以降は、話も聞かず、購入の意思がないことをきっぱり伝え、断った。3年経った今でも忘れた頃に、ダイレクトメールが届く。

前出の国民生活センターの報道資料によると、勧誘のきっかけは、このようなセミナーもあれば、街頭アンケートに答えたことや、名刺交換をしたことなど、些細なことが発端となっている。

もちろん、勧誘されたものがすべて悪いわけではない。国民生活センターが発表している相談事例でトラブルに発展しているのは、購入する意思がないのに、無理やり契約をさせたケースだ。

威圧的な態度で、深夜まで話をながびかせ、契約するまで帰らせない。また、現物を見せずに、メリットだけ伝え、投資のリスクやデメリットを伝えていないケース。なかには、身の丈に合わないような高額な物件を勧め、ローン審査に通るように、年収など虚偽の申告をするように業者が勧めたケースも報告されている。

筆者が取材を行う中で、高額な会員制の不動産投資塾に参加した女性Aさんも断るのが難しい空気の中で、契約をしてしまった。

塾のメンバーがどんどん投資用不動産を買い、購入した人は拍手され、もてはやされる。購入していない自分は、取り残されているような気がして焦りを感じていた。

そんな中、「Aさんが買えるのは、この不動産だけ。この銀行だけ」という形で、断れない雰囲気の中、契約してしまった。購入したのは、空室の多い地方の不動産。購入後、空室や修繕に苦労した挙句、損失を抱えながら、売却したという。冷静になって考えると、洗脳に近い状態の中、購入していたとAさんは振り返る。

トラブルを防ぐためには、「断る」ことが大事なのはいうまでもないが、これらのケースに共通しているのは、「断れない雰囲気に飲まれてしまう」ことかもしれない。

クーリング・オフできないように事務所で契約も

宅地建物取引業法が適用される取引では、クーリング・オフできる場合がある。宅地建物取引業者が自ら売主となり、事務所等以外の場所において売買契約を締結した場合、買主は原則として書面によりクーリング・オフができる。

ただし、引渡を受け、かつ代金全額を払った場合、または告知の日から8日経過した場合はクーリング・オフできない(宅建業法第37 条の2)。

中には、クーリング・オフが適用されないように、事務所に呼び出して契約させるケースもある。

投資用のワンルームマンションの販売を長く行っている企業に話を聞いたことがあるが、長く続けている企業の営業手法は、まっとうだった。

リスクやデメリットをしっかりと伝えている。「儲かる」というようなトーンではなく、最初から持ち出しが必要になる場合についても伝えた上で、それでも買いたい人に販売していた。

不動産投資に関するトラブルが、まだ社会に出て間もない、20歳代で増えていることに、悪質さを感じざるをえない。

トラブルに巻き込まれないためには、怪しいものには近寄らないことが大前提であるが、一人で、話を聞きに行かないこと。もしも、契約させられそうになったら、トイレに行くとウソをついてでも、その場を逃げ出してでも断る勇気を持つこと。一人で対応できないと感じたら、周りの人にSOSを求めることも必要である。

最寄りの消費生活センターや消費生活相談窓口を教えてくれる、消費者ホットライン「188」(いやや)番も覚えておきたい。

健美家編集部(協力:高橋洋子)

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