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若い、健康な人でもあり得る。孤独死現状レポートで見る想定外の現実

不動産投資全般/社会問題 ニュース

書籍「超孤独死社会」(菅野久美子著 毎日新聞出版)が話題になっている。賃貸住宅所有者にとっては気になるテーマだが、データで見ると現状はどうなっているのか。一般社団法人日本少額短期保険協会孤独死対策委員会が2019年5月に公表した第4回孤独死現状レポートから見て行こう。

同レポートが定義する孤独死とは「自宅内で死亡した事実が死後判明に至った1人暮らしの人」。それが社会問題となる背景には単身世帯(27.0%)と単身予備軍となる夫婦のみの世帯(24.0%)の増加がある。厚生労働省の平成29年国民生活基礎調査によると、2017年時点で単身世帯と夫婦のみの世帯で全世帯構成の半数を超えているのである。

■若い人が亡くなるケースも多々

と書くと、高齢化が要因ではないのかと思われるかもしれない。ここは注意すべきなのだが、もちろん、高齢者で孤独死が多いのは間違いない。同調査で男女、年代別の孤独死者数を見ると60代男性が32.9%となっており、男女・年代別では最多。だが、平均年齢は男女とも61歳で、それほど高齢ではないのである。

さらに詳細に数字を見ていくと60歳未満の現役世代の孤独死は男女ともにおよそ4割。65歳未満では約半数となっており、多くの人が思っている以上に若い世代での孤独死が多いことが分かる。

若く、健康に見える人でも可能性がないわけではない
若く、健康に見える人でも可能性がないわけではない

多くの人の想像通りだろうと思われるのは男性の比率が高いこと。同調査は今回が4回目だが、初回からずっと男性比率は高く、具体的には8対2である。

■平均より7倍以上高い自殺率

死亡原因は不明を除けば大きく3種類。ひとつは病死で男性で63.5%、女性で56.5%。次いで多いのは自殺で、男性で10.2%、女性で16.3%。残りが事故死でこれは割合的には少なく男性で1.6%、女性で2.7%だ。

同レポ―トではこのうち、自殺に焦点を当てている。というのは2017年の厚生労働省の人口動態統計(確定数)の概況からみると死亡者の全死因に対する自殺率は1.5%。孤独死者のうちの自殺の割合は約11%で、自殺の割合は全国平均の7倍以上にもなっているのである。特に女性の自殺の割合が男性よりも6ポイントも高い点は注意すべきだろう。

自殺者の比率が特に若い年代では高いことが分かる
自殺者の比率が特に若い年代では高いことが分かる

さらに年齢別に見て行くと20代〜40代では20%を超す数値となっており、平均よりも10%以上高い年代もある。特に孤独死した女性の場合20〜30代では自殺者が60%超となっている。

■発見までの平均日数は17日

発見されるまでの平均日数は全体で17日となっており、そのうち、早期発見といえる3日以内での発見が全体で40.2%。女性のほうが普段からの様々な付き合いがあるからだろうか、男性と比して9.4ポイントも高く、47.9%。30日以上経過してからの発見は全体で14.3%。男性は発見までに長期間を要する割合が高いそうである。

第1発見者で最も多いのは不動産の管理会社・オーナーで27%超。家賃の支払いの遅延、滞納や郵便物が溜まっていることなどで異変を察知、発見に繋がるのだろう。次いで多いのは親族の19.8%、福祉関係者19.5%など。異臭や郵便物の滞留などから近隣住民など他人が気づくことも多い。

■人間関係で発見までの時間に変化?

発見原因と発見されるまでの日数には相関関係がある。連絡がつかないことを心配しての訪問、問合せなどが発見に繋がるケースでは9割近くが3日以内と早期に発見されていることに対し、異臭や居室の異常、家賃滞納で発見される場合には30日以上が3日以内の数倍に及んでいる。人間関係があり、心配してくれる人がいる場合は早期に発見される可能性が高く、そうでない場合には明らかな異常があらわれだしてからの発見になりやすいといえるわけである。

季節ごとにみると、さほど大きな差異はないものの、1月と夏季はやや多い状況だ。

損害額と保険額については数字を見ていただいたほうが早かろう。平均で見るとある程度までは保険で賄えているように見えるが、損害額の幅は非常に大きい。保険を利用することはもちろんとしても、それで安心はできないということである。

損害額と保険額。平均と個別の数字の乖離に注目したい
損害額と保険額。平均と個別の数字の乖離に注目したい

では、不動産所有者として何ができるか。ひとつは見守りなどのサービスを利用することである。民間のサービスから行政、ボランティアその他最近は各種の見守りサービスが登場している。入居者の年齢などによってはこうしたものを利用することが考えられる。

それ以外では抽象的な言い方になるが、家賃の入金状況や郵便物滞留、住戸回りの様子などから入居者の変化に気を配っておく、この調査のような現状について知っておくなどだろう。あまり考えたくないと思う人も多いだろうが、避けては通れないことだけに少なくとも現状については押さえておきたいところだ。

健美家編集部(協力:中川寛子)

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