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一般の不動産投資家も他人事ではない。プロも騙された地面師詐欺、取引額の張る不動産に巣食う罠

不動産投資全般/社会問題・情勢 ニュース

2021/01/12 配信

「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(管理業法)」が今年6月に全面施行される。2020年6月12日に同法が公布され、同年12月にサブリース規制が先行的に施行された。

賃貸住宅管理会社が一括借り上げするサブリースでは、保証家賃が将来減額される可能性などを説明することが義務化され、募集の際の誇大広告等も禁じた。違反者には罰則も課される。

今年6月には、一定規模以上の管理戸数を有する賃貸住宅管理業者は、事務所ごとに1人以上の「業務管理者」の設置も義務付ける。

こうした対応の背景には、賃貸住宅ビジネスのトラブルが絶えないことが大きい。敷金・礼金、原状回復、家賃保証の減額などで入居者ともめることが少なくない。

女性専用シェアハウスのかぼちゃの馬車事件では、個人の不動産投資家に相場よりも高い値段で土地を売り、シェアハウスを建てさせて、あげくの果てに約束した保証家賃の支払いが滞りその不動産会社が倒産した。

ただ、不動産取引にまつわる怪しさは、これに限ったことではなく、不動産のプロが騙されるケースもある。そのプロが騙されたケースとして、直近では積水ハウスが詐欺被害に遭遇した「地面師事件」が記憶に新しい。

2017年に品川区五反田の旅館跡地を、同社が分譲マンション用地として取り引きが舞台となったものだ。

同社が分譲マンションの開発目的で用地を取得しようとしていたが、偽造パスポートなどを使い所有者に成り済ました地面師に積水ハウスは売買代金として63億819万3309円を支払い、小切手など約55億5900万円を騙しとられた。

◎積水ハウスが総括検証報告を公表

地面師グループは総勢10人が起訴され、2019年10月から2020年6月までに東京地方裁判所で有罪判決を言い渡され、このうち6人の判決が確定し、4人が控訴中。同事件主導役の1人とされるカミンスカス操被告には懲役11年が言い渡された。

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▲不動産は高額取引だけに詐欺グループから狙われやすい(写真はイメージ)

積水ハウスは、これを踏まえ2020年12月7日に同事件に関する「総括検証報告書」を公表している。

社内内部には、地面師グループの詐欺行為に加担したものは存在しなかったとし、完全に騙されてしまった原因を分析している。

それによれば、直接的な要因として次の3つを挙げている。

@契約締結前の本人確認が十分だったとはいえないこと

A取引の真実性に疑念を生じさせる複数の事象を安易に看過して適正な対応を怠ったこと

Bイレギュラー事象への適切な対応が欠けていたこと。

西五反田売買契約の際に地面師が持参したパスポート原本、印鑑証明書原本、住民票原本、本権利証原本を司法書士2人が確認したが、非常に精巧にできていたため2人の司法書士は偽造されていることに気づかなかったとしている。

その売買が締結した後、積水ハウスの大阪本社に売り主名義で作成された「御通知書」が内容証明郵便で届き、その通知書には、売買契約を締結していないことと、仮登記の印鑑は実印ではなく偽造、そもそも本人が面会謝絶で長期入院中であることなどを理由に仮登記の抹消を求めてきた。

◎地面師は古くからある詐欺手法

不動産ブローカーなど第三者からの苦情等も相次いだ。本当の所有者と主張する通知書のほかに、担当営業次長が知り合いの不動産業者から「西五反田の土地を買ったみたいだけど、(取引相手は)大丈夫なのか」などの質問があったとしている。

売買締結後の各方面からの働きを受けて、法務部では騙されている可能性を疑った。

だが、競合他社による嫌がらせで本人確認には問題はないとするなど、社内会議では通知書といった一連の動きは今回の契約を快く思っていない人物が取り引きを妨害する目的との見解が示されたという。

ただ、総括検証報告書にあるように「西五反田の土地を買ったみたいだけど、大丈夫なのか」と知り合いの不動産事業者から尋ねられたくだりからも、今回の地面師グループは、他の住宅・不動産会社にも同様にアプローチしていたものの、アプローチされた他の住宅・不動産会社は怪しいと感じて取り引きしなかったことを連想もさせる。

不動産取引を巡る地面師は新手の詐欺ではなく、古くからある詐欺手口であるだけに不動産取引のプロが脇の甘さを露呈した結果となった。

とはいえ、個人投資家として不動産取引の危うさへの対処能力をどこまで高められるか。

記事冒頭のパンプキン事件は、大掛かりな詐欺事件ではないが、破綻した不動産会社は、保証家賃がいずれ支払えなくなることを承知しながら個人投資家を取り込んでシェアハウスを建てさせていたとの見方が今では少なくない。

リスクに機敏な不動産取引が求められる。

(鹿嶋淳一)

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