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新たな投資軸である「ESG」、賃貸経営者の意識変化が稼働に作用する!?

不動産投資全般/社会問題・情勢 ニュース

2021/08/24 配信

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世界的な気候変動による台風の大型化や豪雨被害が深刻になっている。洪水被害だけでなく、熱波による森林火災も毎年のように地球のどこかで発生している。

人間の経済活動が地球に悪影響を与えていることは明白だ。欧州委員会(European Commission)は、この気候変動に関する新たな政策パーッケージを7月14日に発表している。

そのプレスリリースにアクセスすると、「policies fit for reducing net greenhouse gas emissions by at least 55% by 2030, compared to 1990 levels.」とある。

つまり、2030年にEUが温暖化ガスの排出量を1990年比で55%削減するというものだ。これを実現するためには、EU諸国とのかけ引きなど難しい問題が残るが、EUはコトの深刻さを訴えている。

欧州だけでなく、日本にとってもこれからの社会・経済活動で環境対策が求められる。それは不動産業界にも波及している。不動産各社にとってもESGが今後の投資テーマだ。

ESGは、環境 (Environment)・社会 (Social)・ガバナンス (Governance)のアルファベットの頭文字を取って表したものである。

国土交通省は、ESG投資の進展を踏まえて、金融安定理事会(FSB)により設置された気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)での「不動産分野におけるTCFDガイダンスのポイント」を示している。

そのガイダンスでは、今後の気候変動について複数のシナリオを設定し、シナリオごとに事業に対するリスク影響を評価し、経営戦略・リスク管理に反映することなどを解説している。国も不動産分野への支援を色濃くしている。

環境への対策が重要、入居者の質に影響する

民間部門の取り組みも進んでいるが、ここでは賃貸住宅にフォーカスしてみると、賃貸住宅経営を提案する会社は、地主、物件オーナー、入居者に選ばれるためにESGへの取り組みが必要だと感じている。

ESGをないがしろにすると賃貸経営に悪い影響が生じると考えるからだ。社会性とガバナンスは、やる気次第ですぐにでも結果を出せるが、環境分野はそうはいかない。取り組み始めてから結果がわかるまでに数十年単位がかかる。

環境への対策は喫緊の課題となっている。洪水被害が毎年のようにどこかで発生しているような状況下では、ハザードマップ上、高いリスクがあると判断される地域は、入居先を探す人の足が遠のいてしまったり、入居してもらうために家賃を下げざるを得ないことも考えられる。家賃を下げれば入居してもらえても、入居者の質が伴うかといった心配ごとが増えるかもしれない。

また、大型台風による家屋への被害が毎年のように発生すれば、それだけ賃貸オーナーの修繕費用が増して経営を圧迫することになる。

強風により屋根が吹っ飛んだり、窓ガラスが破損したり、外壁が壊れて落ちる。床下・床上浸水により、専有部の床が傷んだり、機械系統が故障する。そのような事態への備えとしての保険や災害に強い持続可能な住宅の開発が欠かせなくなっている。

賃貸住宅供給トップの取り組み

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大東建託が埼玉県草加市で建設した脱炭素の賃貸集合住宅(出典ニュースリリース)

とはいえ、気候変動による自然災害を抑えるためには、すべての根本的は温暖化を抑えていくことだ。そうしなければ保険料や建設費が上がり続けるばかりで収益環境を圧迫するだけだ。

企業の対策を見てみると、供給トップを走る大東建託では、2020年9月にグループ主要3社を中心に「ESG・SDGs経営推進プロジェクト」を発足させている。

環境の基本方針として、省資源、再利用、再資源の3リユースを事業活動に主軸に置いて土地活用や住環境を提案していく。新5カ年計画でCO2排出量の削減率を2017年度比で2024年3月期に25.2%の計画を立てている。

既に2020年8月に主要3社の全国事業所の約3割の202事業所で再生可能エネルギーへの切り替えが完了している。

このほかに再生可能エネルギー100%で完成した建物を北名古屋市で完成させたり、東京都江東区にある情報発信施設「ルーフフラッグ」では100%国産木質バイオマス由来の再生エネルギーで運営している。

2021年6月には太陽光発電を採用した脱炭素型の賃貸集合住宅を埼玉県草加市で完成させている。この取り組みは、建設から解体までの建物の一生(ライフサイクル)を通じてCO2排出量をマイナスにする脱炭素住宅となっている。

市場経済研究所が発表した「2020年度全国・アパート供給ランキング」で大東建託は1位を獲得し、戸建住宅と賃貸住宅の両方を合わせた供給戸数は3万8329戸となった。賃貸オーナーと入居者の双方の満足度を高めるためにESGは大きな指標の一つとなりそうだ。

健美家ニュースで既報済みであるが、グローバル・リンク・マネジメントが投資用物件保有者400人(全国)を調査した結果、ESG投資の認知度を問わず不動産投資家の73%が「不動産のESG投資は重要」と回答し、「今後の不動産投資でESG意識する」は83%と大多数を占めている。

賃貸住宅の経営に新たな投資の軸が登場したようだ。

健美家編集部(協力:若松信利)

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