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空き家900万戸、空き家率13.8%と過去最高。空き家の半数は「賃貸」の危機。専門家に聞く

不動産投資全般/社会問題・情勢 ニュース

2024/05/24 配信

総務省が4月30日に5年に1度行っている住宅・土地統計調査の速報集計結果を発表した。最新調査結果から全国の空き家数は900万件、空き家率は13.8%とどちらも過去最高の数値に。前回調査の2018年分と比較すると空き家数は51万戸件増加し、空き家率は13.6%から0.2ポイント上昇した。

そこで空き家対策の最前線を知る全国空き家対策コンソーシアム代表理事であり、株式会社クラッソーネ 代表取締役CEOである川口哲平氏を取材した。住宅・土地統計調査の結果から、不動産投資家や賃貸住宅のオーナーが留意すべき点について話を聞いた。

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空き家数及び空き家率の推移-全国(1978年~2023年)。空き家900万戸のうち、半数近くを「賃貸用の空き家」が占めている<出典:令和 5年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計(速報集計)結果(総務省)>

空き家問題は地方の戸建てだけではない。「賃貸」も要注意

空き家の総数がついに900万戸を超えた。背景には、総住宅数が増えていることも見逃せない。総住宅数はこれまで一貫して増加が続き、過去最多となっている。2023年10月1日現在における我が国の総住宅数は6502万戸と2018年と比べ、4.2%(261万戸)増加している。同時に空き家の総数も増え、2018年調査と比較して51万戸増えているが、その5倍のペースで今なお新たな住まいが提供されているのが現状だ。

こうしたなかで健美家読者にぜひとも知っておいていただきたい結果がある。それは空き家の半数が「賃貸用の空き家」であることだ。

空き家というと、地方の「戸建て」や「実家」のイメージが強い。しかし上の図から900万戸の空き家の内訳をみると、水玉模様で記された「賃貸用の空き家」が最も多く443万戸を占めている。賃貸用の空き家とは「新築・中古を問わず、賃貸のために空き家になっている住宅」を指す。

今回の調査結果を受け、川口氏はまだまだ空き家問題は序章に過ぎないと考察する。

「これまで世帯数が増えている中で空き家が増加している状況でしたが、今後世帯数が減少に転じていくことが予想されるなかで、空き家が爆発的に増えていく可能性が考えられます(下図参照)」

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世帯数(青)と空き家(赤)の推移<上側の赤線は空き家の総数。下側の赤線は空き家の総数のうち、戸建てのみを抽出「その他空き家(戸建)」または「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家(戸建)」> 出典:クラッソーネ(・ 世帯数:2020年までの実績値は総務省「国勢調査」を元にした。それ以降の予測値は、国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(全国推計)」を参考に自社推計した・ 空き家数:1988年の実績値は総務省「住宅・土地統計調査」を元に推計し、1993年 2018年の実績値は「住宅・土地統計調査」を元にした。以降の予測値は、NRI社「<2018年度版> 2030年の住宅市場と課題」を参考に自社推計した)

川口氏は空き家の増加の背景には次の要因があると指摘する。

「空き家の約半数が相続を機会に発生しており、空き家が増加する要因の1つは『意思決定の阻害要因』です。相続によって空き家を取得し、空き家の名義や所有者が、認知症など合意形成が難しい状況や、所有者が不明な状況、また空き家の解消に向けた意識の低さにより、空き家の解消が進まずに放置されてしまうのです。

もう 1点は『金銭的要因』です。空き家の建っている土地の市場性が低いことで売却や活用が難しく、解体工事費用の負担が大きいことや解体後の土地の固定資産税増額のデメリットがあり、放置され、空き家が増加し続けていると考えています」

長期空き家数が1軒増えると周辺の住宅の取引価格が約3%低下

空き家の増加を食い止めることが大事であるが、それは個人の力では限界がある。個人投資家や大家が留意すべきことは「空き家の経済損失」である。

川口氏が代表理事を務める「全国空き家対策コンソーシアム」に加盟する「東京大学連携研究機構不動産イノベーション研究センター(CREI)」が横須賀市で行った研究結果によると、50m以内の長期空き家数が1軒増えるごとに周辺の住宅の取引価格が約3%低下することが明らかとなっている。

クラッソーネ実施した「『空き家』に関する住み心地調査」では、回答者の半数が「空き家があることによって町の住み心地が下がる」と回答していることからも、長期空き家の増加は、日本経済や近隣住民の生活の質に悪影響を及ぼすことが明らかだ。

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空き家が及ぼす経済損失<出典:「全国空き家対策コンソーシアム」の試算結果より>

所有する物件近くに空き家が発生したら、役所に相談

では具体的に、空き家の経済損失に伴って、不動産投資家や大家も「損失」を被らないためには、どんな点に留意すべきなのか?

「これから物件を建築予定の方は購入予定の物件の近隣に放置空き家が無いかを念入りに確認することです。また購入予定の物件を将来的に手放す際にニーズがありそうな地域なのかどうか人口予測と照らし合わせて確認しておくことです。

すでに物件を所有されている場合は、近隣で放置空き家が発生したら、役所に相談して所有者に対処を促すことや、自身の建物を放置空き家にしないために、手放す手段や段取りについても検討すること。

将来的に建物を処分するための資金を残しておくことも必要な対策です」

空き家の問題は相続、除却、売却、活用など様々な分野に関連しており、空き家所有者への支援は幅広い専門分野の情報が必要になる。そこで昨年秋に発足したのが「全国空き家対策コンソーシアム」である。

独自に専門ノウハウを持つ事業会社・学術団体が集まり、知見を共有することで、各事業者の空き家所有者に対する啓発活動を強化し、具体的な課題解決の促進を目指している。必要に応じて、こうした団体の取り組みも参考にしていただきたい。

▽取材協力:全国空き家対策コンソーシアム 代表理事
株式会社クラッソーネ 代表取締役CEO 川口 哲平氏

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川口 哲平氏

京都大学農学部卒業後、大手ハウスメーカー勤務を経て、株式会社クラッソーネを創業。テクノロジーとインテリジェンスを駆使した解体業界のイノベーションを目指して、「もっとも安い」「もっとも安心」「手間いらず」な解体工事を標榜するスタートアップのCEO。また、社会課題である空き家問題を解決すべく、2023年9月に「全国空き家対策コンソーシアム」を設立。
「『街』の循環再生文化を育む」を自身のミッションとし、日本で最も空き家問題に取り組む社会起業家。
日本不動産学会にも所属。

健美家編集部(協力:高橋洋子(たかはしようこ))

高橋洋子

https://yo-coo.wixsite.com/home

■ 主な経歴

暮らしのジャーナリスト。ファイナンシャルプランナー。
大学卒業後、情報誌などの編集を経てライターに。価値0円と査定された空き家をリノベーションし、安くマイホームを購入した経験から、おトクなマネー情報の研究に目覚め、FP資格を取得。住宅、マネー関連の執筆活動を行う。

■ 主な著書

  • 『家を買う前に考えたい! リノベーション』(すばる舎)
  • 『100万円からの空き家投資術』(WAVE出版)
  • 『最新保険業界の動向とカラクリがよ~くわかる本』(秀和システム)など

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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