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どこまで役立つ?オーナーへの影響は? 賃貸経営で知っておきたい不動産DXの現在

不動産投資全般/社会問題・情勢 ニュース

2024/06/03 配信

不動産業界は他業界に比べて何かと遅れていると言われ続けてきた。だが、このところ、変化が起きつつある。社会実験としてIT重説がスタートした頃から積極的に各種DXサービスを取り入れてきた永幸不動産の森下智樹さんに聞いた。

管理、仲介業務をスピードアップするサービス続々

不動産DXに資するとされるサービスは多種出ているが、おおまかに分類すると不動産取引をオンライン化するものとそれ以外のサービスに分けることができる。不動産取引のオンライン化については複数のベンダーがそれぞれに特徴のあるサービスを提供しており、現在は混戦状態。サービス内容自体はどこもそれほどには違いはないが、情報量、使い勝手には差があると森下さん。

スマホ、PCから利用できるサービスなので、出先でもオフィスにいるのと同じように対応できる
スマホ、PCから利用できるサービスなので、出先でもオフィスにいるのと同じように対応できる

「取引のオンライン化を推進するサービスは物件情報を不動産会社間などで流通するシステムに掲載するところから始まり、一般消費者からの問合せを受けて物件の現状を確認、内見の予約を受けてその手配を行い、内見後の申込を受けて重要事項説明を行い、その後の契約まで行うというもの。ベンダーによっては物件の管理状態に関する報告書を作成するサービスなどが用意されていることもあります。

内容は電話、紙、ファックスでやりとりしていたものをパソコン、スマホで行えるようにしたものと考えれば分かりやすいでしょう。これまでは外出中で資料が確認できない、相手が電話に出ないために内見の予約ができない、書類を郵送してもらうために時間がかかるなどと作業を中断せざるを得ない、時間がかかる状況が多々ありましたが、オンラインであれば24時間、365日進めることができ、無駄に待つ時間がなくなります。

基本的なサービスの流れはどこもほぼ同じですが、提供しているベンダーは二大別できます。ひとつは不動産ポータル、そしてもうひとつはITベンチャー系です」。

ベンダーはポータル系、ベンチャー系の2種類

不動産ポータル系について知る前に不動産情報がどのように流通しているのかをざっと説明しておこう。

売買の専属専任媒介契約の場合にはすべて、賃貸の場合には所有者が掲載不可とするなど特殊なケースを除くと、不動産の情報は原則としてすべてレインズ(Real Estate Information Network System)に掲載されることになっている。レインズはご存知の通り、不動産会社だけが情報を見ることができるもので、ここには100%近くの不動産情報が集まっていることになる。

だが、基本プロ向けの情報であり、消費者が検索することを想定していないためか、レインズの情報はそのままでは使いにくい。そこで仲介をする不動産会社は自分が扱いたい情報を検索性の高いポータルサイトに掲載、そこで入居者を募る。

ポータルサイトとしてはエンドユーザー向けのSUUMO、ホームズなどがあり、どちらかといえば事業者間の流通を主目的としたものとしてはアットホームがあり、これらの会社はいずれも取引オンライン化のためのサービスを提供している。

「レインズの情報を100とすると、アットホームは70~80、SUUMOやホームズは50~60くらいでしょうか。不動産会社によるセレクトが入るため、レインズに掲載されていてもポータルサイトには掲載されない物件情報もあるわけです」

もう一種類のベンダー、ITベンチャー系としてはイタンジ、いえらぶ、いい生活などがあり、現状のシェアとしてはイタンジが一歩先を行っているように思いますと森下さん。

「彼らは自分たち自身でも不動産仲介業を手掛けてみることで実際の取引に何があったら便利かを熟考、それをサービスに落とし込んでいるようです」。

DX利用と成約率の関係は?

さて、気になるのはこうしたDXを導入している不動産会社の成約率である。成約率が高くなるなら、DXに取り組む会社をビジネスパートナーとしたほうが賃貸経営にプラスになると思われるからだ。

「今のところ、成約率はそれほど変わらないと感じています。ただ、これからは差が出てくるだろうと思います。

電話で物件の状況を確認するのは営業時間内しかできませんが、オンライン上でならそれ以外の時間、定休日でも可能。内見したその場で申込、書類を送れれば契約するまでの時間も短縮できます。

紙でやる場合には申込から審査完了に至るまでに早くても2~3日かかりますが、Web上で情報を入力し、スマホで本人確認書類をカメラでアップロードすれば1日で済むようになります。早く手間なく契約に至れるわけですから、DXサービスが普及してくれば成約率にも変化が出てくるのは当然でしょう」

これまでより早く決めてもらえ、空室期間を短くできるなら、オーナーとしてもそうした会社と組むほうがうれしいはずだ。

もうひとつ、こうしたDXを利用することは情報の整理にもなると森下さん。

「各種レポート、書類などが紙ではなく、クラウド上に保管されるようになるとそのためにスペースを用意する必要がなくなりますし、もし、書類を無くしてしまってももう一度ダウンロードすれば良いだけ。事務的な手間が減ります」。

電子サインの普及は今ひとつ

進み始めた取引のオンライン化だが、ひとつ、あまり進んでいないものもある。それが電子サインを使った契約だ。

「オーナーと管理会社間の管理受託契約など二者、二社間の契約なら電子サインで行えることもありますが、賃貸借契約だと場合によっては元付、客付、オーナーと入居者という最大四者のサインが必要な場合があり、そうした場合には誰か使えない人がいたり、ツールが限定されていてダメという会社があったりとまだまだハードルがあります。

また、保証会社、火災保険が電子サインでの契約不可ということもあります。

売買契約の場合には電子契約にすると印紙代が不要になるので、金銭的なメリットがあって普及が進んでいるのですが、賃貸の場合にはそうしたインセンティブがありません。今後、郵便代が値上がりすることで経費節約のための導入という可能性はありますが、さて、どうでしょうか。ただ、紙とファックスの時代に戻ることはないので、少しずつ普及は進むものと思いますが」

駐車場オーナーならツール利用で経費削減も

取引のオンライン化ツール以外で森下さんが実際に使用しているものとしてては代表電話自動応答サービス、駐車場の募集から契約、入金管理までを行うサービスそしてAI査定がある。

このうち、不動産オーナーにもっともお勧めしたいのは駐車場管理ツールと森下さん。これを導入すればオーナーが自分で募集から管理までができるようになり、不動産会社に依頼する手間、費用が不要になるというのだ。

パークダイレクトというサービスを利用しているのですが、これはサイトから募集、申込、クレジットカードを利用した支払いまでが一気通貫にできるようになっているというもの。駐車場の契約は宅建業免許が不要なので不動産会社に書類の作成を依頼する必要はありませんし、クレカ払いなので未払いの心配も少ない。

ただ、これまではアパートやマンションと一緒に貸すことが多かったためか、不動産会社に依頼することが多く、紙で書類をやりとりしていたので、なんだかんだで申込から利用開始まで1週間ほどかかっていましたが、このサービスを利用すれば1~2日で利用可能。しかも、利用者に会うことなく、オンライン上ですべて完結します」

査定サービスでは単に数字を出すだけではなく、その根拠となるデータを一覧表や地図で見せてくれるため、プレゼンなどにも使える
査定サービスでは単に数字を出すだけではなく、その根拠となるデータを一覧表や地図で見せてくれるため、プレゼンなどにも使える

もうひとつ、投資家にお勧めなのがAI賃料査定。査定したい物件情報を入力すると周囲の類似物件をピックアップ、そこから賃料を査定してくれるというもので、地図上に類似物件が表示されるなど、自分でやるには大変な作業をAIが楽々代行してくれる。

「ただ、現状では使用料がやや高いので、とりあえず無料で使えるプランの範囲で試しているところ。利用者が増えれば使用料もこなれてくるかもしれません。また、都心部のように類似物件が多いところではかなり精密な査定ができますが、郊外に行けば行くほど事例が少なくなるため、若干精度が下がるようです」

森下さんはスマサテなるサービスを利用しているそうだが、それ以外にも同種のサービスは出てきている。査定以外のサービスも含め、お試し利用ができるものもあるので、気になるサービスがあったらまずは試してみてはどうだろう。

健美家編集部(協力:中川寛子(なかがわひろこ))

中川寛子

株式会社東京情報堂

■ 主な経歴

住まいと街の解説者。40年近く不動産を中心にした編集業務に携わり、近年は地盤、行政サービス、空き家、まちづくり、地方創生その他まちをテーマにした取材、原稿が多い。
宅地建物取引士、行政書士有資格者。日本地理学会、日本地形学連合、東京スリバチ学会会員。

■ 主な著書

  • 「ど素人が始める不動産投資の本」(翔泳社)
  • 「この街に住んではいけない」(マガジンハウス)
  • 「解決!空き家問題」「東京格差 浮かぶ街、沈む街」(ちくま新書)
  • 「空き家再生でみんなが稼げる地元をつくる がもよんモデルの秘密」(学芸出版)など。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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