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「かぼちゃの馬車」入居者に聞くスマートデイズ騒動

不動産投資全般/社会問題・情勢 ニュース

2018/04/27 配信

今回は、現在「かぼちゃの馬車」に入居しているAさんにお越しいただいた。

Aさんは九州出身、都内のIT系企業で夜遅くまでバリバリ働いているキャリアウーマンだ。

■そもそも、なぜ「かぼちゃの馬車」に入居しようと思ったのか?

以前は上京してきて千葉のほうにある会社の寮に住んでいた。しかし、寮の更新などでお金がかかるし、通勤に時間がかかるので引っ越しを検討していたときに「かぼちゃの馬車」を見つけたとのこと。

Aさんも最初は普通に一人暮らしでアパートを探そうかと思ったが、面白そうなのでシェアハウスも検討していた。

なお、シェアハウスに決めたのは、単純に興味があったのと、家具家電付だったから。

同じ家具家電付の某大手サブリースアパートなども検討したという。しかし、探していたエリアでは良い家具家電付の物件がなかったため、当時新築だった「かぼちゃの馬車」にした。

■入居の決め手になった家具家電とは?

部屋には19型のテレビ、冷蔵庫(冷凍・冷蔵2口)、エアコン、モニター付きインターホン、ドレッサー(鏡台)、ハンガーラック、ベッドがあるという。なお、ベッドの上に敷くマットレスは自分の所有物だとのこと。

19型のテレビのメーカーは「株式会社エスキュービズム通商 MADE IN CHINA」、冷蔵庫はHaierのものだ。

建物の外観は女性が好みそうなかわいい雰囲気で、薄いオフホワイトで洋風な建物、ベッドやハンガーラックなどの家具は猫足仕様で女子ウケするので、決めたという人も多いようだ。

(参考:猫足の家具 写真提供:Aさん)
(参考:猫足の家具 写真提供:Aさん)

■部屋の作りは?

この物件の部屋数は全部で16部屋、1フロア8部屋の2階建てだ。

部屋の広さは7㎡くらい。シャワーとトイレは共同。シャワーは1フロアに2部屋、トイレも1フロアに2部屋あるので、この建物には全部で4つのシャワーと4つのトイレがある計算。

乾燥機と洗濯機が1フロア2個ずつ、2フロアで4個あるとのことだ。

Aさんの住んでいる物件の場合、2階には現在4人ほど入居しているとのこと。ちなみにそのうち1人は事件を聞いて、近々退去をする予定だとか。

■スマートデイズの提供する仕事のあっせんについて

女性のための転職セミナーや仕事のご紹介などはクラブスマートのサイトや、物件の壁に貼られた広告で紹介されていたとのこと。

Aさん自身は仕事を探していたわけではないので、特に仕事探しのメール登録は行っていなかったため詳細はわからないらしい。

■スマートデイズの管理に不満

Aさんを含むこの物件の入居者は以前からスマートデイズの管理に不満を持っていたという。

たとえば、故障修理や備品補充などの対応の遅さである。

乾燥機、洗濯機などの設備が故障して修理を依頼しても、なかなか修理してもらえず、一週間以上放置されていたこともあった。

また、キッチンの掃除用具やトイレットペーパーなどの備品についても、当初の説明と異なりなかなか補充してもらえず、何度も連絡しなくてはならなかったという。

Aさん自身が電話して連絡することもあれば、ほかの入居者が連絡することもあるが、平均して3回以上連絡しないと、補充してもらえないという管理状態には不満が募っていくばかりだったとのことである。

■スマートデイズが1月に賃料未払いを発表してからの変化・影響は?

【入居者の激減】

Aさんの物件だと、半数くらいの入居者が2月には退去したとのこと。もともと2階は満室だったのだが、8名中4名が一気に退去したため稼働率は50%となっている。

さらに近々もう1名が退去する予定なので、稼働率は38%を下回ることになる。

ちなみにAさんに1階の入居状況について尋ねたところ、入居者同士での交流は皆無のため、1階の入居状況は把握していないとのことらしい。

入居者同士が交流することがウリのはずのシェアハウスにしてはおそまつな話である。

【管理会社の変更】

3月末に突然、千代田区の業者から「管理移管」のメールがAさんのもとに届いた。メールによると、スマートデイズより管理が移管され、4月以降の賃料は新管理会社に支払うよう連絡が来たというのだ。

4月分からの家賃の支払先がスマートデイズから千代田区の別の業者になり、支払手続きなどを再度行う必要があるので面倒だとAさんは漏らす。

新しい貸主の業者はスマートデイズ同様にシェアハウスでそこそこ有名な業者のようだが、もともと家賃30000円、共益費が20000円の合計50000円だったものが、今後は35000円と15000円に変更されるという。

【引っ越しは考えているか】

Aさんに引っ越しについて聞いてみたところ、ごたごたしているから出て行こうと思ったけど、引っ越すのも面倒なので、もうしばらく考えるつもりとご回答いただいた。

2階の部屋の稼働率が下がったことにより、隣の部屋などが空室で、快適になったという。このまま稼働率が50%を下回っていれば、しばらく住み続けてもよいとのことだった。

■謎の強制加入「クラブスマート」の終焉

Aさんは今の「かぼちゃの馬車」の物件に2年ほど住んでいる。物件の賃貸契約は1年ごとの更新で、更新の際には更新料を徴収されている。

Aさんは1回目の更新(入居2年目)のときに突然、クラブスマートへの加入を強制させられたという。

クラブスマートとはスマートデイズが主催するイベントクラブだという。Aさんの場合、初年度では特に加入義務のなかったこのクラブスマートに2年目からは強制加入させられ、月々約2,000円の料金を、スマートデイズに徴収さていたという。これは家賃とは別の料金なので、年間24,000円を家賃に加えて追加でスマートデイズに支払っていたことになる。

クラブスマートでは、毎月イベントを開催しており、「かぼちゃの馬車」に入居している人にメールでイベントの告知と応募を行っていたらしい。

イベントはヨガ教室で女子力を高めましょうというものや、たこ焼きパーティーなどで親睦を深めようといったものだった。場所はその時々によるが、セミナー会場などを借りて行っていたという。

イベントの参加費自体は無料だが、抽選や先着順で20名など一部のメンバーしか参加できないため、月々約2000円支払う価値はないとAさんは思っていたとのことだ。

実際Aさんは2年近い入居期間のうち2回しか参加できなかったとのこと。

そのうち1回はクリスマスに開催された、ディズニーのアンバサダーホテルでのディナーだった。ワンフロア貸切で40名程度だったと記憶しているという。それ以外のイベントはそれほど豪華ではなく、都内の貸会議室でこぢんまりと行われるものがほとんどだったため、参加しなかったとのこと。

このクラブスマートも2月28日に、会員サービスが一方的に終了されてしまったという。しかし、それに伴い、3月以降は約2000円の負担がなくなったので同じフロアの入居者全員で喜んでいるとのこと。

■国籍の謎

Aさんによれば、当初「かぼちゃの馬車」には外国人は入居できず、日本人だけしか入居していないため、安心ということがスマートデイズの謳い文句だったという。

もちろんそんな話は契約書には一切書かれていないのだが、営業のセールストークを確かに覚えているとのこと。そして、最近は国籍に関係なく、韓国人も中国人も台湾人も住んでいる。

Aさん自身はインターナショナルな雰囲気を楽しんでいるとのことだが、外国人と同居したくないという入居者にとっては当初と話が違うということになりかねない。

■結論のようなもの

今回の「かぼちゃの馬車」事件は、そもそもの元凶であるスマートデイズから、投資家、スルガ銀行まで巻き込んで泥沼の様相を呈してきている。

そんな状態でも、入居者にとっての生活の場が必要なことに変わりはない。

事件の当事者が法律に則って、不正の追及や責任の押し付け合いをするのは勝手だが、それは入居者には関係のない話である。大家業を営む者として投資家や管理会社は入居者に快適な住居を提供するという責任を果たし続けなくてはならない。

そのことが、ひいてはオーナーの奏功にもつながっていくはずだ。その点からも今回の問題の早期解決を切に願っている。

【執筆者プロフィール】

記者:姫野秀喜

不動産投資コンサルタント 1億円大家さん 姫ちゃん(姫野 秀喜)1978年福岡市出身。九州大学経済学部卒。アクセンチュア(株)で売上3,000億円を超える大企業の会計・経営コンサルティングに従事。激務の合間に不動産投資を実施し短期間で資産1億円を達成。高い問題解決能力で、一人一人に合致した戦略策定から実行までを一貫してサポートする無料コンサルを実施している。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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