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「屋上緑化」で電気代節減、”環境投資家”の取り組み。緑化で時代に即した賃貸経営へ

不動産投資全般/投資家インタビュー ニュース

2021/03/30 配信

イメージ写真中庭

いま国際社会の最大の関心事は地球温暖化だ。新興国の経済活動の活発化を受けて二酸化炭素の排出量が増え、それに伴い気温が上昇する。毎年のように猛暑に悩まされ、台風の大型化で激甚災害が頻発するといった地球は住みづらい環境に向かっている。

そうした中で、政府は2050年までの温室効果ガス排出量ゼロに向けて舵を切り、2022年度に温室効果ガスの排出量を取引できる新市場の創設を推進する。

海外でも二酸化炭素の排出量を取引する動きが活発になっており、中国では専門の取引所を上海に創設して近く取引開始を目指すことなどが報じられている。中国も2060年二酸化炭素の排出を実質ゼロにする目標に向けて動く。

こうした大所高所の観点からだけではなく、不動産賃貸経営でも脱炭素社会を踏まえた運用が求められ始めている。大東建託はこのほど、日本で初めての脱炭素住宅「LCCM(ライフ・サイクル・カーボン・マイナス)賃貸集合住宅」を開発すると発表した。

京セラの太陽光発電システムを導入するもので、埼玉県草加市で6世帯が入居できる2階建てアパート建設に着手して今年7月に竣工する予定だ。太陽光発電などを利用した再生可能エネルギーを使うことで、解体から建築までCO2排出量をマイナスにするなどの取り組みだ。

◎軽量土壌の開発進展で屋上緑化が導入しやすく

太陽光や地熱、風力、水力など再生可能エネルギーは、今後の成長分野として注目も集めている。経済活動に必要なエネルギーを自然界から調達しようという攻めの試み。

これとは別に、都内で小規模会社を経営する個人投資家のO氏は、防御面から不動産を運営する。

緑化に着目して小規模ビルや賃貸マンションの運用を目指しているもので、「ビル砂漠の大都市部にオアシス的な空間を創出し、夏場の強い日差しの照り返しによるヒートアイランド現象を抑え猛暑を和らげることにつながるのでは……」と考えて壁面緑化や屋上緑化を取り入れている。個人住宅に屋上緑化をしてエアコンをほぼ使わなくなったケースもあるという。

植物のメカニズムとして蒸散作用がある。葉っぱから水、水蒸気が出るので、それが暑さを緩和する。緑の近くにいると涼しく感じるのは、この蒸散効果があるためだ。植物の呼吸が多い植物ほど蒸散効果が得られる。

そうした機能を建物に取り入れる。屋上緑化の技術は進化している。15年ほど前は軽量化が課題だった。屋上に土を盛ることになるので築年数の経過したビルやマンションでは重さに耐えきれずに導入できなかった。梅雨や台風シーズンでは雨水を含んでさらに重さがさらに増してしまう。

しかし、軽量化の研究が進んで今では見た目は普通と変わらないが、通常の土に比べて半分の重さ。軽量土壌は十数種類ある。植物を植えるベースとなるパレットも片手で持ち上げられる1kgまで改良されている。

1立法bに土を乗せると1u当たり1.6トンの重さがかかるが、軽量土壌(湿潤の状態)を使うと1uあたり800Kgと半分。水はけも通常の土に比べて100倍という。

◎リーズナブルな導入費用で光熱費も軽減

気温が突出して高くなる都市部のヒートアイランド現象は、昼間の太陽光の照り返しにとどまらず、そのビル・マンションのコンクリートに熱が蓄えられ、夜になっても気温が下がらない。

「コンクリート面は、熱いときには50〜60度に達する。そこに緑化を導入すると、明らかな表面温度の低下が認められる。最高気温30度の時に緑化されていないコンクリートは50度以上、緑化された部分は20度近く低い。表面だけでなく建物内部への断熱効果もあり、電気の使用量が10%程度削減される」(O氏)。

一般的に屋上に乗せられる重さは1u当たり60sまでが限度とされ、土の軽量化が実現するまでは屋上緑化であまり土を必要としない芝生などに限定されるケースが多かった。いまでは、軽量の土壌と凹凸上の特殊パレットを使い、多種多様な植物の植え付けが簡単にできるようになっている。

屋上緑化の手順としては、植物の根が屋上のコンクリートを突き破らないように耐根シートを敷き、続いて発泡スチロール製の特殊パレットを置く。植物の根に必要な最低限のスペースを確保しながらパレットのかさ上げをすることで無駄な土を入れることなく全体的に軽くできる。

並べたパレットの周囲は、排水システムを備えた枠で囲み植物を植えて軽量土壌を入れる。その土壌が風などで飛ばされないようマルチング材で覆えば出来上がりだ。

1u当たりの緑化時間は20分。再開発などで使う業務用とコストが異なるが、オーナー向けで1u当たりコストは2万3000円ほど、高くても4万〜5万円が目安だとする。

O氏は、「1981年以降の新耐震基準ではおおよそ60s/uは耐えられるため、屋上緑化に耐えられる建物は多い。屋上緑化のポイントは排水もよく保水もできるバランス感覚。不必要な水を吐かせたいが植物を生かすため水を含む保湿も欠かせない。この相反するものを組み合わせて実現しているが、環境対応の建物を増やしていきたい」と意気込みを見せている。

(取材・文 鹿嶋淳一)

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