職場の上司から相続物件の紹介が
一戸建てで価格は1万円?
以前ご紹介した大阪在住の女性大家みかりんさんは、ひょんなことから、1万円で廃墟物件を購入した。

相続物件だったことと、大家業をしていることを職場で話していたからこそ、つかんだチャンスだった。
経緯はこうだ。
ある方が亡くなった。ところが、その方には相続人となるべき親戚が誰もいなかった。そのため、その方は亡くなる前に、自身が所有していた賃貸物件を仕事関係の団体に寄付していた。
その団体は、寄付された物件の購入希望者を募り、何軒かは購入された。
しかし、長年空き家になっていてボロボロだったテラスハウスには、誰も購入希望者が現れなかった。物件が売れず、その団体は困り果てていた・・・。
たまたま、みかりんさんの上司が所属する団体だった事と、上司はみかりんさんが大家業を営んでいる事を知っていた。
そこで、築古物件を見事に再生しているみかりんさんにオファーが来た。話を聞いた彼女が手を上げて、その廃墟を購入することになったのだ。
「物件の引き取り手が居なくて、団体が困ってると聞いたのです。そこで、人助けのつもりでその物件を買いました」とみかりんさん。
「でも、内心では、『この物件は、最寄り駅も徒歩圏内と便利な場所にあり、きちんとリフォームすれば家賃も取れるだろう、とも思っていました(笑)」
不動産投資をしている事を、職場では内緒にしている方が多いと思うが、公言しておくと、そこから物件情報が得られる場合もある。
「常にアンテナを張っておくことが大事ですね(笑)」とみかりんさん。
ノールックで買ったけどボロボロすぎる…
「5000円に指値すれば良かった(笑)」
今回は購入価格が1万円だったこともあり、みかりんさんは、物件を見ずに購入した。また、費用を節約するため、登記も彼女自身が行った。
購入後、鍵をもらって物件に行ってみると、なんと鍵が合わず、玄関の引き戸が開かない!
慌てて団体に問い合わせみたが、鍵はその一本しか預かっていない、とのこと。
仕方なく、みかりんさんは鍵の近くの玄関ガラスを割って、そこから手を入れて、鍵を開けたそうだ。
そして家の中に入ってみると、ずっと空き家だったため、想像していたよりもボロボロだったそうだ。

物件は、築50年ほどの2階建てテラスハウス。風呂はない。台所のあたりは、2階ベランダから雨漏りがしていたようだ。



「もう少し形があるのかなと思っていたのですが、まさかの廃墟でした・・・。中に入った後は、『1万円ではなく、5000円に指値をしたら良かった…』と思いました(笑)」。





「廃墟物件でしたが、途中で心が折れずに済んだのは、リフォームは大工さん達プロに全部お任せしたからです」
「他の物件の時でも、打ち合わせをした後はあまり細かい事は言わず、職人さん達にお任せしています。今回は1万円で購入したので、好きにしてくれたら良いと思ってました(笑)」
大工さんとの打ち合わせでは、以下の事を決めた。
- 風呂がないので、風呂を新設する。
- 洗濯機置き場も新設する。
- キッチン関係も新しくする。
- 1階はLDKにする。
- 2階は和室と洋室の2部屋をつなげて、洋室1部屋にする。
- 2階ベランダは防水塗装して、木の枠を新たにつける。
ところで、大工さんから提案された1階の間取り案は、物件の奥からトイレ、風呂場、洗濯機置き場などの水回りをタテに並べる案だった。
しかし、それではLDK部分も細長くなってしまい、使い勝手も悪く、部屋が狭く見えてしまう…。
どうしようかと思案していたところ、打合せに同席してくれていたみかりんさんの旦那様から、妙案が提案された。つづきは次回へ。
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健美家編集部(協力:
(のはらともみ))