『夏は北海道、冬は沖縄で過ごしたい。ズバリ、働くのは好きじゃありません、だからFIRE目指して行動してます!』 と、ブッチャけてくれたミドリさん。不動産投資をスタートして1年半、これまでの足取りをインタビューしたので紹介する。
■不動産投資をはじめたキッカケ
もともと貯金が正しく、借金、投資、ギャンブルはもってのほか、という考えだった。それが学生時代にスロットに出会い、衝撃を受ける。知識をつければ儲けることができる、とても魅力的だった。
「それ以降、勉強して知識を積めば勝ちやすいもの、にハマりました。楽して稼ぐために、勉強するのがとても楽しかったです!」
スロットの延長で、株式、FX、店舗せどり等、色々な投資にトライする。店舗せどりは、月10万円ぐらいコンスタントに稼げるようになったが、手間がかかり、家族との時間が削られるため断念した。
そんな中、「金持ち父さん貧乏父さん」を読み、不動産投資に興味を持つ。ただ、「借金は悪」という考えが消えない。また当時は、区分マンションしか選択肢がないと思っており、儲かるイメージが持てず、やらなかった。
そんな中、結婚して子供も生まれ、マイホームを購入。
「極度に借金に抵抗がありましたが、住宅ローンを借りて買ってみると、たいしたことなかったです!」
この時点でマインドブロックがはずれ、勉強して知識を積めば勝てる、そう考え、不動産投資の勉強をスタートした。
■不動産投資をスタート、いきなり4戸同時購入
色々な書籍、ネットメディア、動画などで情報を収集する。
You Tube「10分不動産・みわさん」がお気に入りで、戸建て投資を知り、これなら利益がでると思い、フォーカスをあてた。
手持ち資金が豊富にないため、融資ありきで戦略を練る。
日本政策金融公庫は、一度持ち込むと、次は1年くらい融資がおりないと聞き、4戸同時に持ち込んだ。内、1戸は増築部未登記、別の1戸は売主NGとなったが、2戸は公庫の融資審査を通過した。
未登記物件は売主の登記後、住宅ローンの銀行を窓口に、保証協会に申し込み、審査通過。また、別の物件も見つけ、こちらは何とか工面して、現金決済する。
結果として、計4戸をほぼ同時に購入した。
「正直なところ、普通にネットに掲載されている物件を買っているだけです。こんな物件でいいなら、他にもあるよ、というのを抱き合せで買うこともあります」
「洗練された投資家と違い、川上でなく、売れ残りの川下物件を拾ってます。逆に、競合もいないので、融資をゆっくり出来るメリットがあります」
「苦労したこと、あまりないですね。全体的にうまくいってる、と思っています。この物件は失敗したかな、と思っても、たぶん売ったら利益が出ます。これが不動産の奥が深いところですね」
■家賃の調査や、指値基準について
「家賃は、徹底的に調査します」
その地域にある全ての不動産仲介に、場所、広さ、築年数を伝え、いくらなら確実に客付できるか統計をとり、その最安値を、想定家賃としている。
指値基準についても、教えてくれた。
「利回り20%以上を目標に指値しています。想定家賃5万円(年間60万円)なら、購入金額、リフォーム費用、諸経費を300万円以内におさえます」
現に、620万円を130万円、680万円を250万円、など大きな指値で購入している。
「売主さんの気持ちを考えること、絶対に文句を言わないこと、仲介の方に色々聞かないこと、などを心掛けて交渉しています」
「交渉に応じてくれる売主さん、仲介の方とだけ、可能な範囲で進めているので、だいたいまとまります。泣く泣くではなく、納得して譲ってくれている(と思ってる)感じです」
指値効果で、これまでの最大利回りは、40%だ。
平均利回りも30%と、とても高い。
リフォームは、生活に支障をきたさないよう、水漏れ、傾き、抜けそうな床の補強、簡易水洗への変更等、インフラに特化し、30万円程度で安く仕上げている。
■エピソード
いくつかエピソードを話してくれた。
記念すべき1戸目の物件、外国籍家族の申込があり、勤務先と法人契約(社宅扱い)を締結した。しかし入居直前、身内に不幸があり、母国への帰国を余儀なくされる。
また、一から客付かと思っていたところ、代わりに外国籍従業員2人を入居させたいと、法人契約はそのままになった。
「退去があっても次の入居者がいれば、法人契約はそのまま、客付及び現状回復も不要で、社宅は良いなと思っています」
別の物件で、自分でリフォームするから、そのかわり家賃を少し安くしてほしい、と言われことがあった。
セルフリフォームと思っていたところ、工務店に発注するとのことで、急遽打ち合わせに同席する。
「ユニットバスにしたい、等色々言われましたが、高いからやめたほうが良いと、大家と工務店で入居者を説得する不思議な展開になりました。入居者の費用で物件をキレイにしてくれるなんて、ありがたかったです」
■今後の抱負
不動産の世界に足を踏み入れて1年半、戸建てばかり購入してきた。
最初は、利回りのみで判断してきたが、家賃が低いと経費率が高くなるため、今は、5万円以上とれる物件しか買わないようにしている。
また、再建築不可や、調整区域も安いという理由で買っていたが、今なら、よほどの高利回りでない限り手を出さない。
「戸建てでかなり経験を積めたので、今後は1棟ものにフォーカスし、拡大スピードを上げていきます!」
ゴールは、キャッシュフロー月200万円を獲得して、FIREすること。そして、一日もはやく、毎日ダラダラ過ごしたいそうだ。
ダラダラという言葉とは裏腹に、努力家であることが、節々から伝わってきた。やりとりのスピード感も、すごく速い。FIREしても、新たなゴールを設定し、進み続けるだろう。
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執筆:石橋 仁 (いしばし ひとし)
https://twitter.com/hitoshi1114
■主な経歴
経済的自由を獲得したい、子供との時間を一緒に過ごしたい(幼稚園の送り迎え等)一心で、不動産投資をスタート。2015年に1棟目のアパートを購入、キャッシュフロー重視で物件を購入し、現在9棟98室を保有(返済比率37%・残債利回り18%)。大家歴8年目。通称「親バカ大家」
趣味は食べ歩き、旅行、そして子供と遊び、成長を見届けること。
米国株、仮想通貨にもアクティブに投資している。
座右の銘は『出来るか出来ないか、ではなく、やるかやらないか!』