「これまで戸建3戸、アパート2棟を購入しました。4人分の学費を稼ぐため、これからが本番です」と、話をしてくれたジョーさん。不動産投資をスタートして2年半、これまでの足取りをインタビューしたので紹介する。
■はじめたキッカケ
「約10年前、店舗併用住宅を相続して家賃が入るようになり、自分でも、いつか不動産投資をやりたいと思っていました」
そして、「日本の大学を卒業後、アメリカの大学院に進みたい」、長男の一言が直接のキッカケとなる。学費の準備はしていたが、アメリカの大学院となると、話は違ってくるからだ。
資金作りとして、なじみのある株式投資を真っ先に検討したが、そう甘くはない。うまくいけば大きく儲けられるが、一気に大金を失うリスクもある。
「色々な投資手法を調べた結果、会社員として働き、家事・育児をしながら確実にお金を増やせる方法は不動産投資、と考えました」
幸い、相続物件から毎月家賃がはいっており、抵抗感は全くない。
すぐ、行動に移した。
■不動産投資の勉強
とにかく、不動産投資関連の書籍、ブログ、コラム、記事などをひたすら読み、YouTubeも手あたり次第、視聴した。
「特に、健美家や他の不動産投資サイトのコラムは、仕事の休み時間等に必ず目を通し、全ての記事を読むようにしています」
コラム等をとおして、様々な手法や視点を吸収し、はるか上のレベルの人の記事も読み漁った。今すぐは無理でも、タイミングが来た時、すぐ動けるようにしておきたいからだ。
また、大家の会やセミナーに積極的に参加、高利回りをたたき出している人に、直接、話も聞きにいった。良いと思ったやり方は、徹底的に真似るようにしている。
融資情報は、金融機関の融資トレンドが紹介された記事で把握し、情報スピードが早いTwitterも、逐次チェックしている。
スタート期含め、現在も行っている学習、情報収集の話をしてくれた。
ジョーさんの貪欲な姿勢に、頭が下がる。
■戸建てスタートからアパートへ
「石原博光さんの影響を受け、まず、アパートを買いたいと思っていました。でも当時、融資をひくことは怖く、考えられませんでした」
融資に非常にネガティブなイメージがあったため、残る選択肢は現金買いだ。ただ多額の現金もなく、そうなると、投資対象は戸建てになる。
幸い、戸建てはアパートよりも、利回りが高い。
戸建てを現金で安く買い、再生すれば、高利回りに仕上がる。これを繰り返せば、どんどんキャッシュフローが積みあがるはずだ。
そう考えて戸建てに絞り、再生も見据え、修繕・空室対策を学んだ。
家賃収入の獲得経験と、徹底した学びのおかげで、一般的に抵抗感があるボロ戸建ても、臆することなく購入。
そして気が付けば、築古戸建てを4戸獲得、修繕、客付までこなした。
「とんとん拍子で購入したものの、全て現金買いしたため、軍資金が完全に枯渇しました。ちゃんと戦略を立てて、進むべきでした」
このままだと、拡大することができない。
どうすれば前に進めるのだろう、先が見えない不安にかられた。
そんな矢先、再生戸建ての売却で儲けた話を、知人から聞く。
「高く売却すれば、売却益を頭金に、融資でアパートを購入できるかもしれない、そう考えました」
そうなると、行動がはやい。
マインドブロックをはずすため、融資を中心に、アパートの購入、戸建ての売却についても、がむしゃらに学んだ。
その結果、戸建1戸を売却して頭金をつくり、想定どおり、融資でアパート2棟を購入できた。
■築古戸建ての現場対応
徹底した、学習と行動により拡大中のジョーさん。戸建ての現場で、どんな対応をしてきたか、その内容を聞かせてもらった。
・戸建て1号:ゴミ屋敷物件
建物、庭、倉庫、いたるところにゴミが散乱、庭には、お酒の空き瓶が数十本埋まっている状態。費用を浮かせるため、自身で全てのゴミ処分を行った。
・戸建て2号:傾き物件
先輩大家さんからのアドバイスで、床のレベル調整で対応。150万円はかかるジャッキアップに対し、40万円で済み、110万円のコスト削減となった。
・戸建て3号:雨漏り物件
「全部屋、雨漏り」の目を疑う状態。簡易修繕で客付けしたが、入居当日に雨漏りが発生し、屋根造作せざるを得ない。
翌年の台風では、更に雨漏りが複数回発生、応急処置ではきかず、外壁塗装・雨漏り修繕をすることとなった。
「安くても、雨漏りがひどい物件は買ってはいけない、そう痛感しました。結局、修繕費が嵩み、利回りが大きく下がります」
・戸建て4号:越境物件
隣家から植栽の越境があったため、了承をもらって伐採。庭にも、多量の木材・自転車等の廃棄があり、1号戸建て同様、全て自身で処分した。
サラッと教えてくれ、文字にするとシンプルだが、現場ではかなりの苦労があったに違いない。
■超ボロアパートの購入
1棟目で購入した築30年のアパートは、一度も外壁、屋根塗装をしていない、超ボロ物件だった。
内見時に、外壁、屋根、階段など細かい部分まで調査し、なんと購入前の段階で、複数社に修繕の見積りを依頼している。
「絶対に購入する、私以外には買わせない、融資も必ずつける、その意気込みで動きました!」
有言実行、言葉どおり、競合をおさえて獲得。
購入直後、ベストな提案をしてくれた業者に、即発注。外壁・屋根塗装、階段修繕を実施して、利回り12%に仕上げた。
1都3県、とても良い利回りではないだろうか。
この物件はノンバンクの融資だが、確定申告3期目の黒字化を武器に、信金への借換えを打診する予定だ。
信金と信頼関係を構築して、融資につなげ、購入を進めていく。
■今後の抱負
「子供4人の教育費を稼ぐ」、その想いで始めた不動産投資。2年後に必要な金額は、1,500万円だ。
現在、物件価格5,500万円(修繕費込み)、家賃715万円、キャッシュフロー300万円、まで買い進めた。
「給与、貯金、不動産収入、全て合算して教育費をカバーします。末っ子はまだ大丈夫ですが、上3人(大学3年、高校3年、高校1年)は、数年以内に準備しないといけません」
トータルの学費は、最低でも6,500万円になるという。
物件売却も織り交ぜながら買い進め、CASHとキャッシュフローを増やし続けなければならない。
「子供のためならなんだってやります。悩む暇はありません、日々、行動するだけです」
教育費のため力強く行動される姿に、筆者も2人の子を持つ親として、非常に感銘を受けた。
ジョーさんの、不動産投資の旅は続く。