会社員の夫と、幼い3人の子と暮らす、鹿児島県在住の神村楽々(らら)さん。結婚前は看護師として働いていたが、結婚前に退職。
子育ての時間を大切にしたいと考え、個人事業主として、観光ブログの運営や講師業などにトライしてきた。2020年から、さらなる安定収入を求めて不動産投資を開始。
大家の会に入るなどして不動産投資の勉強をしても都市部での成功事例が多く、実際に鹿児島で物件探しをするなかで、人と会って話をするなかで分かってきたことが多かったそうだ。神村さんの不動産投資ストーリーを紹介する。

子どもと過ごせる時間は短い。子育ての時間を濃密に。
子にはいろんな仕事があることや挑戦する姿を見せたい
看護師資格を持ち、医療職としてバリバリ働くこともできるなかで、神村さんが重視したのは子供達と過ごす時間である。
「子供と過ごす時間は限られており、どれだけ濃厚な時間を過ごすことができるかが大事だと思っています。そのためには夫婦の収入をもっと上げたい。そして、さまざまな職種や仕事があり、それらにチャレンジする親の背中を子に見せたいと考えていました」
夫は会社員のため、収入を上げるには限界がある。妻である神村さんが妻社長となって、小さいながら法人を持ち、そこでブログの運営や講師業など副収入を増やしてきたが、さらに安定的にお金が入る方法を模索してきた。
そこで興味を持ったのが不動産投資だ。当初は手の届かない世界だと思っていたが、勉強をするなかで考え方に変化があった。
勉強会で、岡山県を中心に投資を行い、サラリーマン大家から専業大家になった田口泰己さんと出会い、地方都市でも、サラリーマンでも、大家業で活路を見いだすことができると勇気づけられた。
地方では、情報が埋もれている。自ら動いて人に会い、
信頼できる業者さんとの対話から有益な物件を発見
物件探しを始めるなかで、夫婦で役割分担をした。
「夫は数字に強く、パソコン関係も得意なので、ネット検索から、物件情報を見つけてくる役に。私は現地調査が得意で、初対面の相手でも、話を引き出すことが得意です。夫がネット検索して、目ぼしい物件があれば、私が見に行っていました」
まずはエリアを絞り、自分達が住んでいる鹿児島市のなかでも中心部から少し離れているが、駅がきれいに改装され、再開発が進んでいる場所に狙いを定める。
「最初は戸建てで目ぼしい物件があるということで、見に行ったのですが、その物件には、魅力を感じず、ただもう少し周りで何か見てみたいという気になり、車を走らせていたところ、いい売りアパートを見つけたのです。
そのアパートを購入するべく動いていたのですが、購入直前に大規模な水漏れが発生し、リフォームするからと、売値に金額の上乗せをされ、そのオーナーさんの対応に不信感を抱き、購入を見送りました」
ただ間に入っていた不動産仲介業者が、とても信頼できる、素敵な人達だった。
「ご縁をいただいた不動産仲介会社さんが、奥さんが社長で、ご主人が元公務員で、夫婦で会社を営むスタイルを何十年も続けていらして、私達夫婦の理想とする働き方で話が弾んだのです」
この不動産仲介会社からアドバイスをもらうなかで、1棟目の購入にこぎつけた。
購入したのは、築37年、1280万円、1DK×4戸の単身者用のアパート。ネット検索で見つけたがこの物件を買ってよいのか迷いがあった。

不動産仲介会社に相談すると、下記の理由を挙げて、購入しても大丈夫そうだと、背中を押された。
《購入の決め手となったポイント》
●再開発が進み、盛り上がっているエリア。出口戦略も立てやすい
●全4戸満室で、入居者がみな長く住んでいる
●駅や商業施設まで自転車で10〜15分。物件に駐車場がないが
自転車で行ける範囲に駅や商業施設があり、生活利便性が高い
満室のため、室内を見ることができなかったが、何度も下見に行き、入居者と話をするうち、部屋の状態も問題がないと判断した。
「入居者さんから間取りなど教えてもらい、室内の状況も、なんとなく把握でき、大きな不満がないこともプラスになりました」
アパート購入にあたり、夫のサラリーマンの属性を使って信用金庫から、融資を受けることに。融資額は1000万円で、金利は1.95%、期間は20年。頭金として380万円、自己資金を入れた。先輩大家さんからは「お得に借りることができたね」と言われた。
最初は初めての賃貸経営であることから物件の管理を、アドバイスをくれた仲介会社にお願いした。ところが長く住んでいる入居者ばかりで手間がかからないことから、今年から自主管理に。アパートの家賃は1戸3万1600円。表面利回りは11.85%となる。
購入後、屋根と、外壁の一部に大きなクラックが入っていたので修繕した。気になるところがあれば、今後もその都度、手をかけていくつもりだ。
「鹿児島では、いつも同じような物件がサイトに掲載されて、掲載物件の入れ代わりが少ないのですが、不動産仲介業者と会って話をすると、表には出ていない、お宝物件が出てきたり、ずっと掲載されている物件でも、話を聞くと魅力的なものがあったりと意外な真実がたくさんあります。だからこそ、リアルでの対面や、アナログでの物件探しが重要だと感じました」
その後も物件探しを続け、次は戸建てを売値の半額以下で購入した話をご紹介する。(明日の後編につづく)