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コロナでの収入不安から不動産投資へ。新築住宅の設計士として働きながらボロボロの戸建を再生する女性大家・あこさん

不動産投資全般/投資家インタビュー ニュース

2023/05/18 配信

不動産投資は単なる”投資”というよりは”事業”という側面が強い。取り組む人の持つ属性、資産背景、経験やスキルによって投資のスタイルに個性が出てくるのも、不動産投資ならではの面白さではないだろうか。

始めるにあたって特別な資格や経験が必要ということは決してないが、その人ならではの強みを活かして不動産投資を有利に進められるということは往々にしてある。

今回紹介する不動産投資家のあこさん(@mame_oya)も、ビギナーながら自分の強みを不動産投資で発揮し、自分らしい投資スタイルを確立中のひとりだ。あこさんは関東在住、建築会社に勤める会社員で、これまで主に注文住宅の設計士としてキャリアを積んできた。

あこ (2)
ボロボロの戸建をリノベーションで再生した実績あり

新築住宅の設計士が築古戸建の投資家へ
きっかけは新型コロナでの収入不安から

約2年前から不動産投資を始め、これまでに築古戸建を2戸購入。住宅設計のプロの視点を活かして居住性、デザイン性にすぐれたリフォームを行い、月に約14万円の家賃収入を得ている。長らく住宅に関わる仕事をしてきたあこさんだが、不動産投資に関心を持ったのは新型コロナがきっかけだったという。

「新型コロナで在宅勤務が始まり家に居る時間が増え、SNS等で色々な情報を受けとる機会も増えたある時、不動産投資家のきこり先生という方を見つけました。不動産投資でFIREしたのちに投資家向けの収支改善サービス、初心者向け情報発信やスクール運営などをされている方で、最初はなんとなく興味本位で眺めてるだけでした。

ですが、その後会社がコロナ等の煽りを受けて業績が悪化し、ボーナスがカットされてしまったんです。このままじゃまずいなという危機感が芽生えて、じゃあ不動産投資やってみよう、と思って行動を始めました」

きこり先生が持たざる者の不動産投資の最初の一歩として築古戸建投資を推奨していたこともあり、実質利回り20%を目指して戸建探しを開始。

しばらくは家から車で30分圏内で探すも、近隣エリアは地価が高く収支が合いそうな物件は皆無。そこで車で2時間圏内まで検索範囲を広げてみると、「これは」と思うような物件が徐々に見つかるように。

あこ
低コストのリフォームながら水回りの動線変更など暮らしやすさに配慮した

そして物件探しを始めて約5ヶ月、埼玉県で見つけた築41年、380万円の戸建に300万円で買付を入れ、そのまま指値が通って購入となった。

内装、水回り等設備のリフォーム、雨漏りや浄化槽の修繕を行い、総投資額約450万円に対して、家賃6.35万円で入居がつき、利回り17%の仕上がりで不動産投資のスタートを切ることができた。費用はリフォーム費の一部のみ日本政策金融公庫で借入を行い、あとは現金で賄った。

大量の残置物、雨漏り、シロアリetc…
「ボロ戸建あるある」をコンプリートしたような2号戸建

2戸目の戸建は2022年の夏にネットで発見した神奈川県の物件。築42年経過しているものの当該エリアの地価を鑑みれば破格の200万円で掲載されていたため、すぐに問い合わせを入れて内見に向かった。

当初は満額で購入する気満々だったが、家じゅうにはびこる大量の残置物、さらに空き家として長年放置されていたことで建物の劣化も激しく、満額ではとても無理ということで50万円で指値交渉したところ、これが成立。めでたく購入、と言いたいところだがこの物件、課題まみれの非常にハードな案件であった。

あこ (1)
山のような残置物。他にも購入希望者がいたが、あまりの量に撤退したという

最初の課題は契約直前に売主の物件名義人が亡くなり、相続の手続きを待たなければならない期間が発生したこと。相続が完了するまでにはたいてい数ヶ月の期間を要するため、それまで何も出来ないということでは大幅な機会損失となってしまう。そこであこさんは売主と交渉の上、事前に残置物撤去を行うことに。

「とてもじゃないけど自分でどうこうできる残置物の量ではなく、50万円の予算で外注しようと見積を取りましたが、何社取っても予算を大きくオーバーする見積結果しか得られず、一番高いところでは250万円と言われました。

いきなり困り果ててしまいしたが、ある業者さんが『期間を定めず、手の空いたタイミングで入ってよければ』という条件で55万円で受けてくださいました」

なんとか残置物の問題はクリアしたものの、本当の課題はそこからだった。それまで大量の残置物によって隠されていたが、壁はカビだらけ、床は床板はもちろん根太、大引まで腐っており、他にも雨漏り、シロアリや野生動物の糞や死骸まで見つかるなど、いわゆる「ボロ戸建あるある」を全て兼ね備えたような物件だったのだ。

「こんなの無理だと、一度は真剣に撤退を考えました。ですがきこり先生への相談や、売主側からの物件価格は50万円でなく10万円でいいという言葉もあり、ここが大家力をつけるための踏ん張り時だ、最悪お金さえかければ利回りが低くなるだけで物件再生自体は何とかなるさ、と考えてチャレンジすることにしました」

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売主と契約について覚書を交わした上で、相続を待つ間にリノベも実施した。

工務店に一括見積を取ると解体・大工工事だけで300万円以上掛かるため、大工の友人に日当制で作業を依頼したほか、あらゆる業者、設備から建築資材まで自ら分離発注。各業者の手が止まらないように工程表を作り、進捗を管理した。

DIYを積極的に行わない代わりに、細かい部分にまでコスト意識を徹底し、小さな削減の積み上げで大きなコストカットに成功。壁、床から作り直す大工事にも関わらずかかった費用は約380万円。物件価格、諸費用を含めた総投資額で約420万円に抑えることができた。

また、物件再生にあたっては設計士として培ったスキルを活かして、間取りの変更も実施。学校に近い好立地を活かして子育て世代をターゲットに高家賃を狙える物件に作り上げ、家賃7.8万円で入居がつき利回り20%超えに成功した。

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あこさんが自ら作成したビフォーアフターの間取り図(1階部分)

「キッチンとリビングを細かく区切る建具を撤去してひとつなぎのLDKにするとともに、階段も廊下からリビング内に取り込みました。古い物件にありがちな暗くて細長い廊下を解消し、2階の居室へのアクセスにリビングを経由することで家族の団らんを促す今風の間取りに変更しました」

あこさんは3年以内に「月40万円の税引後キャッシュフロー達成」という目標を掲げている。2号戸建は早期の売却も視野に入れており、売却益を頭金に1棟モノにもチャレンジできれば、とのこと。今すぐにFIREしたいという願望はないが、自分らしさを活かして付加価値のある物件を提供していきたいと意気込む。

「周りから『あこは設計士だから不動産投資ができた』と言われたりもしますが、決してそんなことはありません。たまたま持っていた強みが活きた部分はありますが、不動産投資を始めるにあたっては分からないことばかりだったし、賃貸業はさまざまな分野のプロの力を借りて成り立っています。特別なスキルや経験がなくても、熱意さえあれば男女関係なく参入可能ですし、実際、私が所属しているきこり先生のスクール仲間も過半数が女性大家さんです」

健美家編集部(協力:Tamaarai(たまあらい))

Tamaarai

■ 主な経歴

地方都市でサラリーマン業、ライター業、大家業の3足のわらじで活動する30代。 趣味は物件と料理のDIY。 特技は人の顔と名前を覚えること。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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