所有からシェアの時代へ−−。少なくともリーマン・ショック前までは所有の文化が根付いていた。
筆者が社会人に成り立ての頃は、自分で住宅を買う、クルマを買うというのが当たり前だった。今のように住まいもクルマも不特定多数の人とシェアして使うという発想はなかった。
このシェアリングが急速に普及し始めたのは、所有するよりも利便性、使い勝手が良いという評価はもちろんある。しかし、日本においてはバブル経済崩壊後の20年間に及ぶ景気の落ち込みが大きいだろう。
特に就職氷河期の今の40代前後の世代は、収入も安定しなかったため緊縮傾向が強く、無駄な出費はしない世代だ。可処分所得の落ち込みを背景に生まれた、効率よく資産を使い豊かに暮らせれば良いとの発想が、今のシェアリングビジネスの底流にあるといっていい。

住宅・不動産業界では、これまでシェアリング事業に興味を示してこなかった不動産大手の参入が相次いでいる。
三菱地所レジデンスは、初のシェアハウスプロジェクトとして、今春、井の頭線の西永福駅徒歩4分、築38年のNTT
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