• 収益物件掲載募集
  • 不動産投資セミナー掲載募集
  • 収益物件 売却査定

2,119アクセス

誤解も多いが実は使える「火災」保険。大家さんのための、台風、豪雨、土砂崩れ……に備える保険とは?

不動産投資全般/商品・サービス ニュース

■災害多発で最長契約年数は大幅短縮されていた!

2018年は大阪、北海道などで地震、西日本を中心に豪雨、そして複数の台風に見舞われるなど災害の多い年だった。その結果、2018年1年間だけで大手損保3グループが支払った自然災害に対する保険金は1兆円にも及ぶ(地震保険金を除く)とか。

だが、災害の多発化は2018年に限ったことではない。保険業界ではもう数年以上前から問題になっていたと保険ヴィレッジの斎藤慎治氏。

「かつては最長で36年の火災保険契約が可能でしたが、今は長くて10年(地震保険は5年)。3分の1以下に短くなっています。なぜかといえば、これだけ災害が多発する時代には先が読めないからです。業界では今後も頻発するであろう災害に備え、保険料の見直し、経営効率化、加入者増などを検討しており、その一環として保険期間がさらに短縮される可能性もあります」。

これまでは物件購入時などに勧められるままに融資期間と同じ年数の保険に加入、ずっとそのままという人が多かったはずだが、今後はそうはいかなくなるかもしれない。毎年のように見直しが必要となると、それなりのリテラシーが必要だ。

■火災、地震のみならず、豪雨、台風にも対応

だが、と斎藤氏。損保業界が賃貸経営を理解していない、不動産会社が保険といえば入居者向けの保険ばかりに注力しており、不動産オーナーに適切な保険を紹介できていない、保険に苦手意識を持つ人が多いなど様々な要因から、多くの人は保険を誤解しているという。特に誤解があるのが火災保険にオプションで付けることになる地震保険だ。

「地震保険は保険料に対して災害時に支払われる額が少ない、激甚災害時には支払いが多額に及び、払われなくなるのではなどと誤解が多く、加入していない人が少なくありません。しかし、賃貸経営は事業です。建物が倒壊、家賃が入らなくなったら収入が途絶え、人によっては破産する恐れがありますが、そこに保険があればそのリスクを減らし、保険金を頭金にするなどで事業再生への道が開かれます」。

地震保険の対象は噴火、津波なども含まれ、それを原因とする火災、損壊、埋没、流出に対して保険金が下りる
地震保険の対象は噴火、津波なども含まれ、それを原因とする火災、損壊、埋没、流出に対して保険金が下りる

しかも、適切にオプションを選ぶなどして火災保険に入っていれば、豪雨や台風による被害、土砂崩れなどにも対処できるのだという。まずは、地震保険の誤解について説明していただこう。

■保険と不動産の建物評価には大きな差

地震保険は保険会社は利潤を取らず、被害者救済と社会貢献として行っているもので、集められた保険料は国に再保険という形で預けられ、災害時にはそこから支払われる。相互扶助の意味合いが強いので、保険が支払われるのは全壊、大半壊、小半壊、一部損の場合で、契約金額の100%、60%、30%、5%と損壊の度合いに一律に割合が定められている。全壊は100%だが、一部損だと5%と割合が少なく、それが「あまり支払われない」と感じられている要因だろう。

損壊状況一覧。全部を保険で賄おうと思うと少ないかもしれないが、地震保険はそもそもそうした意味合いのものではなく、災害から立ち直るための相互扶助的なものである
損壊状況一覧。全部を保険で賄おうと思うと少ないかもしれないが、地震保険はそもそもそうした意味合いのものではなく、災害から立ち直るための相互扶助的なものである

しかし、たとえば中古アパートを1億円で買った場合、不動産の評価として、上物が5000万円であることはほぼない。築年数にもよるが、1000万円、2000万円ほどということもあろう。

だが、火災保険の評価は違う。再建築時の価額で評価するので、不動産の評価よりはるかに高くなることもあり、都市部以外の物件では購入価格を超えることも有り得る。

そこで仮に、火災保険の再調達価額が1億円、地震保険は火災保険の半額が上限なので5000万円の契約が可能であった場合、地震での被災後に払われる金額は最大で5000万円。一部損の5%でも250万円である。この額は決して小さくはない。

不動産と保険の評価額の差が大きく出る上に、災害時のリスクの高い中古の場合には特に地震保険のメリットが大きいのである。

支払うべき額が増えれば政府の負担割合が高くなる仕組み。関東大震災級の地震があっても十分に払えるように設計されている
支払うべき額が増えれば政府の負担割合が高くなる仕組み。関東大震災級の地震があっても十分に払えるように設計されている

もうひとつの誤解、激甚災害時には支払われなくなるのではという懸念も大きな勘違い。保険金は884億円までは民間が100%、2244億円までは民間と政府で半々で支払うことになっているが、それを越える場合には99.8%を政府が負担することになっており、その負担額は11兆円以上。2018年の西日本豪雨、相次ぐ台風上陸での被害による保険金の支払いが1兆円だったことからすると、十分に余裕のある設定になっていると言えるのだ。

■ 土砂崩れも場合によっては保険で

加えて、一般には火災保険と言われているが、今どきの保険は様々な災害をカバーしている。

たとえば豪雨時。

「豪雨は水災とされ、床上浸水、地盤面から45p以上の高潮、洪水などの際には保険がおります。ただし、水災はオプション。付けない人が多いのですが、これからは検討したほうが良い。というのは、これまで水害の危険がないとされていた地域で起こるようになっているのです」。

かつて水害は河川、海の近くで起きるものと思われていたが、最近は河川、海から離れた都心、土地自体は高い場所などでも起きるようになっている。ゲリラ豪雨が分かりやすい例だろう。地表がコンクリート、アスファルトに覆われているため、降った雨が適切に流れず、逆流する内水氾濫も起きやすくなっている。

傾斜地では豪雨による土砂崩れも水災扱いになる。

「土地が浸食されて建物が傾いた場合(地盤沈下など)にはダメですが、土砂が流入して建物が流されたなどの場合は保険がおります。高台のもっとも高いところに建っている住宅なら大丈夫でしょうが、その下に建っている、背後に古い擁壁や崖があるなどの場合には土砂崩れも想定しておいたほうが賢明です」。

台風や竜巻などの風災、および雪災は標準で付帯されていることが多い。普段、あまり雪の降らない地域でたまに降ると駐車場の屋根や雨どいなどに被害が出ることが多いが、今どきの保険に加入しているのであれば保険で補償されるのである。

また、地震由来の火災には地震保険に加入していないと保険は下りない。「ウチの物件はRC造だから倒壊しない、だから地震保険には加入しないという人がいますが、RCでも燃えてしまったらおしまい。過去の地震では建物は倒壊しなかったものの、インフラ復旧時に火災が発生、それが地震由来の火災とされ、保険が出なかった例もあります」。

■ 損保自由化以降の保険かどうか、確認を

最後に大事なことを。今どきの火災保険は様々な災害に対応していると書いたが、ポイントは「今どきの」保険であるかどうか。

保険業界では2001年に損害保険の自由化が行われ、独自商品の開発が進んだ。そこで火災のみならず、様々な災害その他をカバーする、住まいの保険が普及したのである。

「呼び慣れているため、火災保険と言っていますが、現在の主流は住まいの保険と呼ばれる総合型。10数年以上前の保険、金融公庫時代の特約火災保険などは単一の、カバーする範囲が狭い保険である可能性があるため、見直したほうが良いかもしれません」。

もし、今どきの保険であったとしても、立地によっては水災のオプションが付いているのかなど見直したほうが良いポイントもある。苦手意識と思わず、一度、保険証券を取り出して、何がカバーされているのかはチェックしてみたほうが良いだろう。

健美家編集部(協力:中川寛子)

健美家サイト会員登録で最新コラムやニュースをチェック!

健美家不動産投資ニュース

最新の不動産投資ニュース

ページの
トップへ