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クラウドファンディングで空き家活用、再生に興味持つ出資者が鍵。廃れた建物も収益物件に様変わり【後編】

不動産投資全般/商品・サービス ニュース

空き家再生のプロフェッショナル育成に乗り出したエンジョイワークスの福田和則社長は、再生自体が目的ではなく、その後の持続的な運用により地域社会に貢献することで初めて空き家が再生できたとする。

ただ、再生には少なからずおカネが必要になる。空き家再生とセットで考えなければならないのが資金調達である。同社では、まちづくり参加型のクラウドファンディング「ハロー!RENOVATION」で、複数の投資家が小口出資できるプラットフォームを整えている。今回は、小口出資で実現した再生事例などについて聞いた。

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――まずは小口出資による資金調達実績についてうかがいます。

「これまでにファンドを3本立ち上げており、第1弾で600万円、第2弾1200万円、第3弾で350万円をそれぞれ調達できた。最初は、神奈川・葉山で古い蔵を宿泊施設にする『泊まれる蔵プロジェクト』で実施。最大4人が宿泊可能で1泊の平均単価は3万円台後半となっている」

「第2弾では、逗子の廃工場をシェアアトリエ『桜山シェアアトリエ』に再生した。このプロジェクトは、前オーナーからの買い取り資金1200万円を65人の投資家から集めた。第3弾では、目標募集額350万円に対し39人から380万円を集め、黒川紀章氏設計の中銀カプセルタワービルの1室をリノベーション。マンスリーカプセルとして賃貸事業を行うプロジェクトを手掛けた」

古い蔵
▲『泊まれる蔵』と▼『桜山シェアアトリエ』のように、どんなに古くて廃れている建築物であってもアイデアによってキャッシュフローを生み出すことを証明している。

桜山シェアアトリエ

――クラウドファンディングは、ソーシャルレンディングとも呼ばれ、様々なところで注目を集めていますが、ここではどのような投資家が参加しているのでしょうか。ほかのファンディングとの競合になりませんか?

「クラウドファンディングの特徴は、1人あたりの投資単位が小さいことだ。少額投資。想定利回りとしては、第1弾が年率4%、第2弾は収益連動で最大年率8%程度、第3弾は収益連動で年率3%程度。

出資者の属性として、余剰資金の運用先としての性質ももちろんあるが、圧倒的な感覚としては街の再生に興味を持っている人が多い。投資リターンを追求するものではなく、地域と一緒に街作りをしたい人が出資しているので、ほかのソーシャルレンディングなどとバッティングしない」

「運用期間も長く設定している。第1弾が4年2カ月、第2弾が5年、第3弾が約3年となっており、一般的なソーシャルレンディングを使う投資家では興味を持たないと思う。やはり資金を投じて再生して場が提供できて終わりではなく、いい形で継続していくことにこだわっている。我々としても、むしろ出資者に事業の運営に長く携わって欲しい。運用に関する情報もかなり赤裸々に開示して意見をもらい、運営に生かしている」

――出資者の意見や提案を取り入れたりするということですね

「そう。昨年11月に初めて設けた投資家との会合では、運営開始から3カ月程度しか経っていない案件の稼働率の引き上げ方法について、売上高・利益をすべて開示した上で決めていった」

「葉山の泊まれる蔵プロジェクトは、古い蔵にバスとベッドだけの不思議な空間で、1日1組限定の宿泊施設として運用している。ここでは、稼働率の低い冬の時期をどうするか出資者と話し合った。

ベンチソファーなどを備えているので、部屋(蔵)に篭もって読書したり、映画を見たり、バスローブのまま寝転ぶことができる企画を打ち出し、今年1〜2月に実施したところ稼働率が上がった。当初は成功するのか不安だったが、我々とは違い出資者ならではの感覚が当たった例と言える」

中銀カプセルマンスリー
▲サイコロの1の目を積み上げたような建物は、東京・銀座8丁目に1974年に竣工した『中銀カプセルタワービル』。小口出資で1室をリノベ。

――今後のプロジェクトでお話できる範囲で教えてください。

「直近では、鎌倉市が所有する旧村上邸という古民家の再生プロジェクトのファンドを、3月2日に立ち上げた。鎌倉市が事業者を募集して我々が受託したもので、目標の募集総額は900万円となっている」

「明治末期の家屋が2016年に鎌倉市に寄贈されたのを受け、同市が公募型のプロポーザルを実施して当社が受託したプロジェクトとなる。再び住宅として再生するのではなく、企業が保養所を兼ねた研修所として活用する。もともと村上邸が持っている能舞台や茶室を含めて活用し、地元のコミュニティーにも貸し出す予定だ」

「これに加えて今月は、京都・五条楽園でも地元の事業者2社とプロジェクトを手掛けることになった。五条楽園は旧赤線地帯であるため、遊郭建築など変わった建築物が残されている。

最近では外国人や若者に人気なことから、今回の事業化は、従来のイメージから脱却し、街のボトムアップを図る好機を捉えたものとして、注目を受けている。こうした視点を評価してもらって全国からお声かけいただいており、順番に事業化していくことになるだろう」

旧村上邸

▲鎌倉市が所有する古民家の再生に向けて動き出した。

――あらためて空き家再生の成功の秘訣をうかがいます。

「我々だけではできない。人的資源が限られている中で、空き家のプロフェッショナルを育てて、そうした人たちが核となってネットワークを拡大することが最も重要である。

そして、資金調達では、クラウドファンディングの可能性と性格を十分に理解してもらえる投資家との出会いが、個々のプロジェクトを生かす上で重要であることを実感している」

健美家編集部(聞き手・中野淳)

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