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ワンルームで競争力を考えた31.39m2。鶴見にハイスペックな高性能木造アパート誕生。賃料アップが試金石。

不動産投資全般/商品・サービス ニュース

2020/11/09 配信

横浜市鶴見区、JR鶴見駅と東急東横線綱島駅を結ぶバス路線のほぼ中央に当たる同区獅子ヶ谷二丁目に木造賃貸アパートとしては破格に高性能な物件「パティオ獅子ヶ谷」が誕生した。

高気密、高断熱で快適な住まいを実現

どのくらい凄いかを数字で示すと、たとえば断熱性能はほぼG2クラスだという。

これはHEAT 20 G2グレードのことを意味する。HEAT20とは産学連携による「2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会」が策定した住宅外皮性能の指標を指し、それがほぼG2グレードだとすると、冬季間の暖房エネルギー消費量(部分間欠暖房)を平成11年の省エネ基準、一般に次世代省エネ基準の住宅より約45%削減できることを示すそうだ。

既存の木造アパートではそもそも次世代省エネ基準どころか、遥かに低いレベルである場合があることを考えると、エネルギー消費量は半減はおろか、それ以上に削減できるということになろう。

あるいはC値という建物の気密性能の指標として用いられている数値は0.4cm2/u(1棟あたり5cm角相当)である。これは建物全体にある隙間面積(cm2)を延床面積(m2)で割った数値で、実際に建てられた建物内で専門の気密測定試験機を使って測定をする。

数値が小さいほど優れた気密性をもつことになる。そして、国が定めた次世代省エネルギー基準の「C値」は5cm2/m2。パティオ獅子ヶ谷はそれよりも遥かに気密性が高いのである。

また、窓にはLow-E複層ガラスの樹脂サッシが使われており、外壁の断熱材はネオマフォーム66mm。換気システムにはドイツ・スティーベル社のダクトレス全熱交換機を導入しており、換気はしても、室内の熱は逃さないようになっている。パティオ獅子ヶ谷はこれらの仕様により、暑さ寒さに悩まされることなく、一年中快適に過ごせる賃貸住宅なのである。

建設費は1割アップ

と聞くと、気になるのは建設費だろう。通常の賃貸住宅を建てるのに比べて1割ほどアップしているという。

設計を担当したスタジオA建築設計事務所の内山章氏によると「よく使われているサッシで作った場合に比較すると、パティオ獅子ヶ谷の、単板ガラスの約4倍の断熱効果のあるLow-E複層ガラスだと56%アップになりました。断熱材、サッシ、換気などで少しずつアップ、全体としては10%高くなる計算になります」。

一般の3000万円前後の住宅の場合で性能を上げて作ると、10〜15%アップになるそうで、パティオ獅子ヶ谷は全体で4戸と規模が小さい割には優秀な成績だったと言えるわけである。

これについて事業主である岩崎興業地所の岩崎祐一郎氏はこの物件単体でがっちり儲けるというよりも、今後の経営の指標にと考えているという。

「今後、築年数の経った物件の建替えが控えており、それをどのような物件にしていくべきか、それを考えるための指標としてこの物件を考えています。普通に作ればワンルームが8戸入りますが、綱島から菊名にかけては狭いワンルームの激戦区。差別化できない物件を作り、新築時だけは満室になるものの、それ以降が苦戦というのはどうかと考えました」。

*2020年11月9日に記事をアップした以降で内容に変更を加えました。当初、工事中の暫定的な数字を出していましたが、その後、工事費の精査を行ったところ、本来断熱の費用とすべきでない鉄骨階段部、給水引き込みなどの数字が算入されていたことが判明したためです。

家賃は相場より1万円以上高めに設定

元製麺所だった土地を購入、新築したもので、全額を借入で賄い、返済には30年以上かかるという。性能のような見えない価値については家賃をアップしにくいところがあるが、同物件では31.39uで6万8000円〜7万円という相場に対し、1万円以上高い家賃8万5000円を設定した。

国の方針もあり、今後の住まいにはスペックの高さ≒建設費アップが必要になるが、それを賃料に反映させられなければ賃貸住宅の高品質化は進まない。性能に合わせた賃料が取れるかどうか、この物件はそのチャレンジのための一棟でもあるわけだ。

手前がリビング、真ん中にキッチン、水回りを挟んで奥が居室。スタイリングされた写真をお借りしたが、さすがのクオリティ
手前がリビング、真ん中にキッチン、水回りを挟んで奥が居室。スタイリングされた写真をお借りしたが、さすがのクオリティ

そのために、同社ではスタイリストに依頼、家具を入れて室内を撮影、しっかりしたチラシを作成した。地元の不動産会社だと賃料、広さだけで「これは無理」と言われかねないため、遠方からの客も呼び込もうというのだ。

こちらは居室。二面に窓がある
こちらは居室。二面に窓がある

幸い、バス便の始発駅のひとつ、綱島ではこのところ、東急新横浜線の新綱島駅(仮称)新設に伴って高層の駅ビル建設、周辺地域の区画整理などが行われており、今後の利便性アップは間違いない。

さらに駅東口地区でも市街地再開発事業が検討されていることを考えると、今後数年間でまちは大きく変わることになろう。これまでと違う層が入ってくることも想定される。となれば、現状の常識で、この地域に「これは無理」と切り捨てるのはチャンスを逃す可能性もあろう。

31.39u、1.5人仕様という広さの意味

真ん中に通路を挟んで上下2戸、計4戸のパティオ獅子ヶ谷
真ん中に通路を挟んで上下2戸、計4戸のパティオ獅子ヶ谷

さて、実際の住宅は31.39uの1LDK。中央の通路を挟んで1フロアに1戸、2階建てなので全4戸という構成である。この広さについて内山氏は1.5人仕様と表現している。

「もう15年ほど前に代々木上原の一戸建てで、1階に35u、天井高2.9mのワンルームを1戸作ったことがあります。1人でちょっと広めに住む、2人でもぎりぎり住めるという広さですが、そこはずっと満室が続いており、このくらいの広さにはニーズがあると考えています。地元に多いコンパクトなワンルームとの差別化もあり、ここでもたっぷり収納を取り、2人でもぎりぎり住めるようにしてあります」。

単身で8万5000円は高めかもしれないが、2人でと考えれば逆にお手頃だろう。どちらも取り込める広さと考えると、30u台は面白いのかもしれない。

また、将来、ニーズが変化した場合に備え、上下階の床の一部を抜いて70uのメゾネットに、逆に壁を作って1LDK1戸をワンルーム2室にすることもできるように作られてもある。

玄関の広さ、居室の独立感が印象的

収納をたっぷりとった玄関。室内も明るい
収納をたっぷりとった玄関。室内も明るい

部屋を見せていただいた。入る時に気づいたのは玄関の広さ。1230×995、つまり1.17u(玄関収納含まず)あり、この印象が部屋全体を広く感じさせている。下駄箱もたっぷり用意されている。

住戸の真ん中にキッチン、水回りが集約されており、それがリビング(約6.1畳)と寝室(約4.5畳)を分ける形になっており、それぞれの部屋に独立感がある。これについて内山氏は「彼氏、彼女を呼びやすい間取り」と表現されていたが、なるほどである。

無垢のフローリングながらコストは抑えた。寝室となる居室の収納も豊富
無垢のフローリングながらコストは抑えた。寝室となる居室の収納も豊富

床は無垢の異なる色の材を組み合わせたフローリングで、なんとu4000円という。最近は安価でも良い商品が出ているわけである。多種の色が入っている商品で汚れや傷が目立ちにくいのもポイントだ。

物件自体は交通量の多い道路に面して建っており、外にいるとかなりうるさいのだが、室内にいるとほとんど気にならない。樹脂製サッシ+複層ガラスには省エネ効果に加えて静音効果もあるためだ。

隣家の庭を借景として使い、気持ちの良い室内に
隣家の庭を借景として使い、気持ちの良い室内に

設備、室内のデザインは地元の木造アパートを多く手掛ける工務店によるものとのことでそれほど特徴的なものはなかったが、北側1階でも昼間なら明るく電気を使う必要がないことや、隣家の庭を上手に借景に使って豊かな気分になれる作りになっている点など随所に住む人への配慮が見られたのが特徴。

それぞれ、ひとつずつの配慮は小さなことのように思えるかもしれないが、こうした積み重ねが住み心地に繋がるのである。

バス便エリアながら、自転車、車1台なら置けるものの、駐車場は設けていない。物件のすぐ前にバス停があり、しかも、時間帯によっては5分間隔で来るほどの便利な路線である。それを使えば良しという判断だろう。また、近隣にはカーシェアもあった。

物件としては非常によくできており、明るく気持ちの良い住まいだったが、問題は相場からプラス1万円以上の家賃が受け入れられるかどうか。気になるところである。

健美家編集部(協力:中川寛子)

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