異常なほど加熱した2021年のアメリカ不動産市場、
外国人投資家の動きは控え目だった
コロナ禍の住み替え需要に歴史的な低金利と慢性的な供給不足が重なり、異常なほどに加熱した2021年のアメリカ・不動産市場。大手住宅メディアのRedfinによると、昨年売りに出された住宅の60%以上が2週間で成約したという。

売り物件も賃貸物件も市場に出た途端に居住目的の人々が奪い合いになる状況では投資家の出番は少なく、アメリカ最大の不動産業者団体「全米リアルター協会(National Association of Realtors)」によると、2021年の外国人によるアメリカ不動産投資額は約1070億ドルに留まった。コロナ前の2018年は2670億ドル、2019年は1830億ドルの投資があったことを考えると、やはりパンデミックによる渡航制限などが外国人投資家に及ぼした影響は大きかったと言えよう。
住宅価格の上昇一服が見込まれる2022年、
海外から多くの投資家がアメリカ不動産市場に復活か
その反動もあり、世界がパンデミックからの復活を目指す2022年には、再び外国人による旺盛な不動産投資が見込まれると、アメリカの多くの専門家、メディアは予想している。
第一の理由は、異常な盛り上がりを見せた昨年の住宅価格が、引き続き売り手市場ではあるものの、落ち着いていくだろうという見立て。急速に進むインフレを背景に住宅ローン金利の引き上げが見込まれ、住宅の買い手心理に冷や水を浴びせるだろうというのが大方の予想だ。
そうなると、ワクチン接種完了証明書の提示などの条件付きながらも外国からの入国制限をすでに緩和しているアメリカには、金余りの世界から投資家が心理的にも物理的にも 再び目を向けるだろう。
ロンドンやシンガポールと比べると、
圧倒的に「安い」アメリカ不動産
第二の理由は、アメリカ不動産価格の相対的な安さ。ニューヨークやカリフォルニアは別として、アメリカ国内で近年熱い!ともてはやされ、値上がり率の上位を争うテキサスやアリゾナ州の都市の中でもさらに学区の良いとされるエリアの人気物件でも、2021年12月の平均売却価格は40−50万ドル(日本円で約5000万円前後)。
これらの地域では平均的な戸建てが300平米前後の4ベッドルームだから、ロンドンやシンガポール、香港などの投資家にしてみたら、圧倒的に平米単価が安く感じられるのは当然だろう。物件価格が高止まりしている東京と比較しても、その差は歴然だ。
結局アメリカが最強??
人口増加、経済成長で投資先として安定
第三の理由は、やはりアメリカという国そのものの成長性と安定性。人口が増え続け、経済成長を続けるアメリカでは、購入にしろ賃貸にしろ住宅の需要が増加し続ける。前年比で20%値上がりした都市が続出した2021年ほどではなくとも、不動産価格は今後も安定的に右肩上がりを続けていくだろう。
ハイリターンは望めなくても、外国人投資家にとってミドルリスクミドルリターンのアメリカ不動産は安定した投資先として魅力的に映るのではないか。
そして、アメリカに家を買うという「アメリカンドリーム」は未だ過去のものではなく、「どうせ海外投資するならアメリカ不動産に!」と願う投資家が世界中にまだ多く存在するのも事実。
アメリカ不動産投資で最もポピュラーな戸建ての購入はハードルが高いかもしれないが、沸騰する賃貸需要向けにアパートの一室を区分購入して、リフォームなどの手を入れず「そのまま(As is)」で賃貸に出して高利回りを目指す方法もある。
2022年、アメリカ不動産に目を向けてみてはいかが?
健美家編集部(協力:大崎良子)
健美家編集部(協力:
(おおさきりょうこ))健美家編集部(協力:
(おおさきりょうこ))