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「住宅ローンで不動産投資できる」は大きな間違い!! 初心者大家さんの気を付けるべき甘い罠【不動産投資の法律知識】

不動産投資全般/法律知識 ニュース

2024/06/15 配信

令和6年5月に、借入目的を偽り「住宅ローン」を申し込んだことが詐欺罪として逮捕されたとの報道がなされました。

住宅ローンの低金利で不動産投資ができると聞くと、飛びついてしまう方もいるかもしれません。ですが、今回、詐欺罪で逮捕されたように、これは犯罪です。

不動産会社や不動産コンサルと名乗る人物に「住宅ローンで不動産投資できるよ!」と聞いても、飛びつかないように注意しましょう。

こんな話に乗ってしまうと、負債を負ってしまう可能性がありますし、不動産投資家さんは、「騙された被害者」ではなく、「金融機関を騙した加害者」になってしまうのです。どういうことか詳しくみていきましょう。

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さて、そもそも住宅ローンと、投資用ローンでは、大きく金利が違います。金利は、個人の属性や金融機関によっても異なりますが、住宅ローンの金利が安く、不動産投資ローンの金利が高いというのは、ほとんど共通しています。

たとえば、住宅ローンですと、1%未満の金利も珍しくないですが、投資用ローンですと2%以上5%未満であることも多いです。

個人の属性、すなわち、安定した収入があるかとか、保有している資産の額などの個人の属性によって金利も上下しますが、一般的には住宅ローン金利と投資用ローンの金利には、これぐらいの差があることが多いでしょう。

例えば、築浅の物件で5%の利回りの物件で、本来は2%の金利がかかる、そうすると、差し引き3%が利益になる、というのが不動産投資の収益の仕組みです。これが、仮に金利1%未満の住宅ローンで同じことができてしまうと、差し引き4%の利益をあげることができてしまいます。

3%の利益と4%の利益を比べると、収益不動産による利益が25%ほど違ってきます。不動産投資を考える方なら、「住宅ローンで不動産投資ができないものか」というのは、一度は考えたことがあるのではないでしょうか。

ではなぜこんなに金利の差があるのかですが、住宅ローンと投資用ローンで金利が違うのは、

①住宅ローンは国民の自宅確保のために政策的に低い
②住宅ローンを支払わないと自宅がなくなってしまうので、未返済になる可能性が低い
③不動産投資のほうが、貸し倒れリスクが高いので金利も高い

などが、主な理由です。金融機関としても、住宅ローンなのか、不動産投資ローンなのかによって、返済可能性というリスクや金利という金融機関の収益に直結するものが大きく異なりますから、借入目的が異なることによって、同じローンでも全く異なるものという認識なるのです。

さて、ここまでくると、冒頭の件は、「不動産会社・不動産コンサル」と「不動産投資家・大家さん」が加害者で、金融機関が被害者になるというイメージできてきましたでしょうか。

詐欺罪というのは、人を騙して、錯誤、すなわち勘違いさせて、金品等を騙し取るといった犯罪です。

同じ金額の融資であっても、借入目的によって住宅ローンか不動産投資ローンかというのは、金融機関にとって非常に大事なことなので、そのような中核的な事情を偽って、住宅ローンだと錯覚させて、融資を受ける、金銭を受領するというのは立派な詐欺罪にあたる、ということになるのです。

少なくとも、不動産投資家さんとしても、家を買うための住宅ローンで、不動産投資を行うことを理解して、金融機関に偽っている認識があれば、詐欺の故意があるといっても過言ではないでしょう。

もっとも、違法であることを知りながら「住宅ローンで不動産投資できる裏技があるよ。」と、不動産投資家を騙す不動産会社や不動産コンサルが罪にならないのか?というのが気になるかもしれませんが、この点に関して、不動産投資家から不動産会社・不動産コンサルを訴えた裁判では、ハードルが高い主張になっています。

たとえば、色恋営業で不動産投資家の判断の余地を奪ったとか、強迫等によって逆らえないようにして不動産投資家に契約させた、という類型では、一定の救済を認めていますが、基本的には騙した不動産会社から不動産投資家へ損害を賠償するような裁判例は少ない印象です。

裁判所としても不動産会社の甘い誘惑に乗ってお金を稼ごうとした不動産投資家には厳しい態度だとも言えるでしょう。

とはいえ、実際上は、刑事罰を課すために、起訴するかどうかは、検察庁に広い裁量が認められています。

今回のような不動産会社ないし不動産コンサルは実刑になっても、ローン利用した本人については不起訴という結果になるかもしれません。ただ、だからといって、詐欺罪に問われるリスクがあるのは間違いないので、「裏技」とか「抜け道」などと言われる不動産投資スキームには注意しましょう。

近年、宅建業法も整備され、不動産業界はかなりクリーンになってきた印象ですが、まだまだこの手の「甘い誘惑」といいますか、「悪徳スキーム」というのは存在して、初心者大家さんを食い物にする方もいるので、不動産投資に挑戦する際にはしっかりと勉強してから物件を買うようにしましょう。

執筆:山村暢彦(やまむら のぶひこ)

山村暢彦

山村法律事務所ホームページ(不動産・相続)
山村法律事務所ホームページ(企業法務)
不動産大家トラブル解決ドットコム

■ 主な経歴

弁護士法人 山村法律事務所 代表弁護士 神奈川県弁護士会 所属
不動産・相続の法務に精通した、スペシャリスト弁護士。不動産投資・空き家活用・相続対策などのセミナーで講師経験も多数有している。不動産・相続をテーマとしたFMラジオにも出演。
自身でも築古戸建を購入し、大家業の経験を積むなど、弁護士の枠内に収まらない不動産の知識と経験を有する。大家さん、不動産投資家に寄り添い不動産賃貸トラブルを解決する姿勢から、近年、不動産投資関連トラブルの相談も急増。

不動産投資関連トラブルでは、「賃貸」法務だけではなく、リフォーム、建設、不動産取引、融資業務など関連する法分野が複雑かつ多岐に携わる。そのため、多数の不動産・建設会社の顧問業を務め、不動産・建設分野全般にわたる知識とノウハウが問題解決に役立っている。
近年では、ラインワークス(チャットワーク)やzoom等のITツールを駆使して、依頼者と気軽に相談できる体制を構築している。また、その評判から、個人の不動産投資家の方の顧問業務の依頼も増加している。関東一帯を中心に、なかには、関西や東北からの相談や顧問業務をこなす。
現在は、弁護士法人化し、所属弁護士数が3名となり、事務所総数6名体制。不動産・建設・相続・事業承継と分野ごとに専門担当弁護士を育成し、より不動産・相続関連分野の特化型事務所へ。2020年4月の独立開業後、1年で法人化、2年で弁護士数3名へと、その成長速度から、関連士業へと向けた士業事務所経営セミナーなどの対応経験もあり。

クライアントからは「相談しやすい」「いい意味で、弁護士らしくない」とのコメントが多い。不動産関連のトラブルについての解決策を、自分ごとのように提案できることが何よりの喜び。

■ 主な著書

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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