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首都圏の数歩先を行く。1棟に住む、働く、集う等の多機能を集約。仙台「Blank」の将来性

不動産投資全般/不動産 ニュース

2021/02/22 配信

近年、高齢化、少子化、人口減少という言葉をよく聞くが、首都圏の市場を見ている限り、危機感を感じていない人が少なくない。まだ、スクラップ&ビルドが成り立つからだろう。

だが、地方都市ではすでにスクラップ&ビルドが成り立ちにくくなっている。逆にそれが要因になり、新しい動きを生んでいる例がある。仙台である。

建物だけでなく、使い方をも変える

仙台に着目するようになったきっかけは2016年に誕生した「THE6」。これはイベントに使えるスペース、大きなキッチンのあるシェアオフィス、その利用権を付加した住戸(一部住戸のみ)が上階にあるというもの。

しかも登記が可能なので、起業、副業を始めるにあたり、自宅とは別にオフィスを借りる必要がなくなる。起業などへのハードルが格段に低くなるわけで、これが人気を呼び、誕生以来満室状態が続いている。

リノベーションと聞くと建物を改装することと思う人が多いだろうが、「THE6」の場合、建物を変えた以上に使い方を変えたことが人気を集めたわけである。

2棟目は借りたものを貸せる物件

この成功に同様の物件を求める声が多く、次いで2020年4月に誕生したのが借りると貸すの常識をひっくり返すことを意図した「TNER」。物件名からして逆さから読むとRENT。意図がそのまま物件名になっている。

「THE6」同様、上階の住宅に下階のシェアオフィスの権利が付いてくるだけではなく、オフィスの利用者は借りたスペースを他に貸すことができる。一般の賃貸借契約では転貸は禁止されているが、ここではあり。しかも、わざわざ共用廊下に面して独立して使えるスペースが作られている部屋もあるほどだ。

また、集合住宅に自宅を借りて、そこでサロンや教室などを開くためには管理会社、管理組合の承諾を得る必要があるが、ここでは最初から可となっている。「暮らす」と「働く」がひとつの部屋の中で可能になるのだ。

建物内には菓子製造、飲食店営業ができるレンタルキッチン、簡易的なカフェスペースなどもある。仙台では菓子製造ができるレンタルキッチンは少ないそうで、順調に利用者が集まっている。

「住む」「働く」にまつわる機能を集約

フロアによっては元マンションだったことを感じさせないような仕上がりになっている
フロアによっては元マンションだったことを感じさせないような仕上がりになっている

これまでの2物件に続き、3月には先行する2物件の特徴に加え、主に泊まる機能を付加した「Blank」が誕生する。シェアオフィス、住宅はこれまでと同じだが、ホテル、SOHO、家具付きのサービスアパートメント、本格的なカフェがプラスされており、暮らす、働く、泊まる、食べるなど人の行為のより多くの要素が盛り込まれているのである。

この3物件間(実際には新宿にあるシェアオフィスも含め、4物件)では相互利用が可能になっており、今後はサイクルシェアも導入される予定。利用者が回遊しながら施設を使えるようになるわけである。

それが協業、経済を生んでいる。いずれの施設にも入居者同士が顔を合わせる場、機会があり、そこで知り合った人同士が仕事を受発注するなどの関係が生まれているのだ。場の多様性がそれに拍車をかけている。

どの物件でも広いキッチンが作られており、食を媒介にすると多世代が集まりやすいようである
どの物件でも広いキッチンが作られており、食を媒介にすると多世代が集まりやすいようである

分かりやすい例をあげよう。

レンタルキッチンを利用する人にとっては販路の開拓は重要である。共同使用している物件の中にオフィスやカフェがあり、その人たちと繋がることができれば売り先はひとつ確保できる。また、これらの施設を運営している株式会社エコラは他にも賃貸住宅などを運営しており、その共有部分を利用して月に数回マルシェを開催している。となると、そこも販売先となりうる。

そうやって販路が増えてくれば、商品のパッケージのデザインにこだわりたいその他のニーズが生まれ、それを同じ建物内にオフィスを構える人に依頼する、箱を作ってもらうなどと考えていくと、場と人の多様性が仕事を生み、経済を生んでいることがお分かりいただけよう。

借りる人からすると仕事を作り出せる住宅であり、オフィスということであり、人気を集めるのも当然だろう。

新築も単純な改修も収支は合わず

さて、新しい物件「Blank」は元々は分譲マンションだった昭和48年築の11階建て。以前の所有者は入居者に立ち退いてもらい、建替えて新築マンションとして販売する予定を立てていた。

だが、土地面積が92坪とさほど広くはないところに駐車場の付置義務があるため、住宅として販売できる部分が少なく、収支が合わず。

断念して売却したものを仙台でリノベーションなどを広く手掛けるエコラが購入、改装して活用することになったのだが、賃貸住宅でもやはり収支が合わない。そこで複合用途での利用となったわけで、フロアごとに用途は実に多様だ。

Blankではこれまでの2物件よりも暮らす、泊まるの部分の境界を意識、使う人が自在に選べるようにした。取材の中で驚いたのは、仙台にはこれまで家具付きのいわゆるサービスアパートメントが無かったという点。地域によってはそうした、無いとされる市場もまだまだあるようだ
Blankではこれまでの2物件よりも暮らす、泊まるの部分の境界を意識、使う人が自在に選べるようにした。取材の中で驚いたのは、仙台にはこれまで家具付きのいわゆるサービスアパートメントが無かったという点。地域によってはそうした、無いとされる市場もまだまだあるようだ

まず、1階にはカフェとエントランスがあり、公開イベントも開かれる計画。2階はコワーキングスペース、3階はオフィスで、4階には簡易宿所。

5階以上は住宅だが、それもSOHO可の住戸あり、家具付きのサービスアパートメントとしての利用が可能な住戸あり、一般的な賃貸住宅ありと様々。屋上にはフェンスを回してプランター、ベンチを置き、憩いの場にする計画だという。自分のニーズに合わせてどこを借りるかが選べる建物になっているのである。

オフィス、住宅、ホテルその他どのタイプでも室内はいずれもシンプルに作られている
オフィス、住宅、ホテルその他どのタイプでも室内はいずれもシンプルに作られている

また、地元で保育所、託児所を経営している会社と提携、施設利用者は特別料金で保育所が利用できる仕組みを導入する計画で、これにより子育て世代の女性などの利用も見込めそうだ。

以前から「THE6」は広いキッチンやイベントスペースの存在からか、他のシェアオフィスでは珍しい50〜60代の女性など幅広い年代の人たちに使われてきている。それがさらに広がれば協業の範囲も広がる。どのような連携、ビジネスが生まれてくるか、楽しみである。

建築と不動産、両方が分かる希少さ

ところで、改修では建物をスケルトン状態にし、給排水、電気施設に断熱、サッシその他も新設というフルスペックで行われている。それなりに費用のかかる改修だったわけだが、それでも新築の3分の1ほどで済んでおり、だから収支も十分に合うという。

エコラの代表取締役・百田好徳氏によると一戸建てや集合住宅内一室のリノベーションはできても、躯体を残して1棟の再生ができる事業者は少ないという。

「建築と不動産、その双方が分かっていないと怖くて手を出せません。新築だけをやっている建築業者だと何かあった時の保険を考えて見積もりが過大になりますし、不動産会社はそもそも建築コストをはじけません。これから中古の活用にはますますニーズが集まると思いますが、そこがネックになるのではないでしょうか」。

中古活用でビジネスパートナーを求める時には2つの視点、ノウハウのある事業者と組むことが大事というわけである。

健美家編集部(協力:中川寛子)

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