Dr.コパ氏といえば、親しみのあるキャラクターで有名な、風水・家相のプロフェッショナル。今回のインタビューでは、2019年は変化の年だから原点に立ち返った土地の目利き、建物自体の運の見極めが重要など、多くのアドバイスをいただいた。
今回は前回、前々回の続きをお伝えするとともに、良い物件に巡り合うために、今日からできるアクションについてお聞きした。
良い物件を持つためには、
自身が幸せであることが条件!
またもや昔の話になりますが、こんなことも……。私は大学を卒業後、一級建築士の資格を取り、親父の建築事務所で働いていました。
ある時、「この仕事に本腰を入れるなら自分で土地を買って家を建て、住宅ローンをはじめ建て主の苦労を味わいなさい」と言われ、八王子でそれを実行したのです。
そこで、いそいそと設計図を描いていたら親父から「なんだお前、いまそんな女性と付き合っているのか?」と指摘されたのです。
なんと当時、私には本当に交際相手がいて、しかも婿養子になろうと思っていました。そんな思いが図面に表れていたのでしょうか、「婿養子に行くのに、運のない奴がそんな家を作っても意味はなく、住んでも幸せになれない」と言うのです。
不思議な話で、私はその家ができてからも引っ越す気になれず、お相手とも破局することに。その後、他の新婚カップルに貸したのですが、なんと家庭不和になり旦那さんが家を出ていってしまいました。
いまならわかりますが、当時、「幸せな結婚ができる運」のない僕が建てた家は僕自身が幸せになれないだけではなく、他の新婚さんにとっても同様だったということです。その後、バツイチであったり結婚をしないシングルの女性に貸したところ、立派に子育てをしたり、自分でマイホームを建てて出ていきました。要は、ここは女性が1人で生きるのに向いた間取りの家だったのです。
もうひとつ、親父がアパートを作るので設計しろと言われたので図面を引いたところ、「ここに住む人は出世しないぞ」と突き返されたこともありました。
「そういう間取りの部屋を描いているし、そんな図面を引くということは、いまのお前自身に運がない。このままだと落ちぶれるぞ」と言われ、愕然としました。この時に印象に残ったのは「好き好んで借家に住む人は少ない。誰もが成功したい、幸せになりたいと思って家を借りるのだから、運のつく家を作るのが我々の役割だ」という親父の言葉。
なら、僕自身が幸せになるための家をつくらないといけないし、そういった住まいを多くの人たちに与えたいという気持ちが芽生え、このエピソードは僕の原点になっています。
実際、そのアパートは親父が間取りを手直しして賃貸に回したところ、入所者のほとんどが更新2回で家を建てて出ていきました。
後年、僕がDr.コパになってから、あるレコード会社のお偉いさんと会いましたが、その方がアパートの入居者だったということも!
「コパさんのお父さんのアパートを借りるとき、『運の良い部屋にしているから、ここで人生が良くなったら、出ていくこと。いつまでもいないで、4年で引っ越しなさい』とおっしゃっていただきました」と聞いた時は、改めて、不動産には人を幸せにする力があると確信しました。
話はそれましたが、不動産にはエリア・土地だけではなく建物自体にも運があるということです。その背景には、親父や僕のような建築士のノウハウがあるかもしれないし、代々の入居者が積み上げていった運も影響しています。不動産投資は良い物件を買いたいはずですから、こういった情報もリサーチしてみることです。
いま住んでいる家を良くすると、
「縁」と「円」が向いて来る!
――不動産投資家の収入源は主に家賃で、空き家ばかり持っていても1円も手に入りません。みなさん、ネットや足を使い情報を集め土地や物件を探したり、建物や部屋の設備を良くするなど努力をしていますが、風水・家相の専門家として、ご意見をいただきたいと思います。
不動産に関しては、「縁」と「円」のバランスが大切です。縁があると良い物件に巡り合うことができ、円すなわちお金があってこそ物件を買うことができます。
あるいは、お金がなくても縁があり価値の高い不動産が見つかると融資を受けられるかもしれませんし、お金があっても縁がないと投資対象が見つからない……。いずれにしても、両者のバランスが良くなればなるほど、投資の確度は上がると思います。
そうなるために何をすべきかということですが、縁と円を集めるため、自分自身の運を良くすること。具体的には、運の入れ物である、いま住んでいる自宅から見直すのがポイントです。
まず、不動産には基本的に「鬼門ライン」があり、これは部屋の中心から鬼門である東北の方角と裏鬼門である南西の方角を結んだラインを指します。
ここが汚れていると運がたまらないので常にキレイに掃除・換気をしておき、さらに鬼門の方角には、鬼門が好む白色や黄色に物を置いておきます。また、日本では鎮守の森にいる神様から不動産をいただくわけですから、神様が好む観葉植物を置いておくのも良いでしょう。厄を払い幸運を呼ぶため、盛り塩もしておきます。
金運や不動産運を上げるという点では、白色と茶色の財布も効果的です。白と言ってもオフホワイトでもよく、茶系もこげ茶色からベージュまでなら構いません。同じデザインの財布で色違いを夫婦で使ったり、シングルの方なら長財布と小銭入れでわける手もあります。つまり、不動産の縁は鬼門ラインや置物、そして財布で、お金の円も財布で呼び込むというわけです。
いざ、物件が見つかり内見内検に足を運ぶ時は、風水のシンボルであり全方位から幸せを引き寄せる効果のある八角形の鏡、さらには厄落としと幸運の引き寄せる塩(粗塩)も持っていきます。ちょっとしたケースに入れたり、ビニール袋でも構いません。ただし、マイナスの気を持って帰る可能性もあるので、帰宅したらシンクで流してしまいましょう。
こういった風水的な下準備、土地や建物の歴史に関する情報収集も万全に、あとは実際に目の当たりにした時の直感も大事です。「自分だって今の家から住み替えたい」と思うほどの物件なら申し分ありませんし、「このエリアに住む人にマッチしている」でも構いません。「儲かる」よりも先に、「ここに住んだら快適で幸せになれる」と感じられるかどうかを優先させることです。
土地や建物の基準はまったく問題ないのに、なぜか入居者が長続きしないような物件なら、部屋自体に運がないのかもしれません。その場合は、自宅と同じように鬼門ラインを掃除したり、先にアドバイスしたように、思い切ってリフォームに踏み切っても良いと思います。
購入した物件に対しても入居者が入る前は自分自身が掃除をして、盛り塩や観葉植物を置いておきましょう。内見に来た時、そういった様子を見たら、「大家さんは気を使ってくれている」と思ってもらえます。退去する時も同様です。次の入居希望者に同じような印象を与えます。
運の良い物件を買うのは基本ですが、風水の知識を活かして改善したり、運の良さをキープ・アップさせることも可能です。
大事なのは買ったらそのままではなく、運勢の面でも育て上げ、良い人に入ってもらうことで運をため、それを次の入居者にも実感してもらうこと。そんな家なら空室になることはありませんし、いざ売却する時も、買い手に困らないでしょう。
ですから、投資家の皆さんには儲かる・儲からないという観点だけではなく、運勢的に土地の価値が上がるような運営を心掛けてほしいと思います。
今年は変化の年で、従来のやり方が通用しなくなる半面、新たなチャンスだって到来するかもしれません。住む人に対して「家で人生が変わる」「幸せになれる」といったことを後押しする物件が注目されるかもしれません。そんな視点でも取り組んでみてはいかがでしょうか。
――なるほど。本日は、風水・家相の第一人者というお立場から、たくさんのアドバイスをいただきました。ありがとうございました。
話し手:Dr.コパ氏
日本に古くから伝わる風水をわかりやすく説明し「西に黄色」で一般家庭に絶大な人気を得る。明るいキャラクターと実際に経営者としての成功実績などから講演会や寄稿の依頼を多数受ける。日本の風水・家相の第一人者。毎年発表されるラッキーカラー・ラッキーフード・干支の置物 などは全ての業種に影響を与える指針となっている。
建築家、神職として石見一ノ宮 物部神社に奉職し日本でも貴重な発言のできる神職。
本名;小林祥晃(こばやしさちあき)1947年5月5日(昭和22年)生まれ。東京都世田谷区出身。日本大学理工学部建築学科卒業。、一級建築士。愛知工業大学客員教授。日本中央競馬会馬主。東京馬主会&日本馬主協会連合会 理事。
聞き手(健美家編集部:大正谷成晴)