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世界に広がるスリバチネットワークでまちを知る!東京スリバチ学会会長に聞く「スリバチが教えてくれること」B

不動産投資全般/専門家インタビュー ニュース

東京スリバチ学会の皆川典久氏に聞くシリーズ第3回は日本のみならず、世界に広がるスリバチネットワークについて伺う。

名古屋からスタート、地元の人たちが活動

名称の通り、東京からスタートした東京スリバチ学会だが、今では日本はおろか、世界中にネットワークを広げている。最初にできたのが名古屋スリバチ学会である。

「2013年10月に名古屋で開かれたあいちトリエンナーレで「名古屋凸凹地形探索」をテーマにワークショップを行ったところ、それがきっかけとなって2014年4月名古屋スリバチ学会が立ちあがりました。名古屋に限らず、どの団体も地元の人が中心となって活動しており、書籍を出している人も多数います」。

名古屋市のホームページから。中央部の薄い茶色部分が台地、左側の濃いこげ茶部分は0m以下の土地、白い部分は0m以上はあるものの低地
名古屋市のホームページから。中央部の薄い茶色部分が台地、左側の濃いこげ茶部分は0m以下の土地、白い部分は0m以上はあるものの低地

その名古屋、というよりも濃尾平野はご存じの通り、非常に平坦。大垣市の辺りまでは低地が広がっているほどである。名古屋市内中心部で高台といえば名古屋城から熱田神宮までの熱田台地があり、その東側に千種、御器所、笠寺などの台地があるだけで、特に西側は大半が低地。中には0m以下という土地もあるので、投資を考える時には地盤に要注意である。

関西では大阪、京都、神戸、奈良に高低差学会がある。

大阪市のホームページから。中央に細長く伸びているのが上町台地。右上に大阪城がある
大阪市のホームページから。中央に細長く伸びているのが上町台地。右上に大阪城がある

「大阪も名古屋同様に平坦な土地で大阪城から四天王寺、住吉大社にかけて細長い上町台地がある程度。上町台地の際には天王寺七坂など坂もありますが、全体としてみると坂のないまちですね」。

京都、奈良はいわずとしれた盆地。そのため、全体がスリバチとも言え、市街地はほぼ平坦だが、周囲には坂があり、高台がある。

「日本の内陸の都市はほとんどが盆地。大きなスリバチと言えます。歴史的に見ると江戸に政治の中心が移るまでの都市は多くが盆地に立地していますが、それは湧水があるなどで水が得られ、周囲に山があって木が得られるからです」。

関西で他都市と様相が異なるのは神戸。市街地は六甲山地と海の間の幅3キロほどの細長い低地に広がっており、低地と山地が隣り合っているのが特徴。そのため、坂が多く、三宮の北野坂やハンター坂などは観光スポットになっているほど。それ以外にも勾配が20%を超すような急坂(100mを進むと20m高くなるという意味)もあり、眺望は良いが、生活には大変なことも。特に子どもやお年寄りのいる家庭には選ばれにくい面もあるので、注意したいところだ。

それ以外では宮城秋田にもスリバチ学会がある。宮城は皆川会長が赴任していた時期があり、それがきっかけて誕生、活発に活動をしている。

宮城スリバチ学会のイベントで、被災した仙台市荒浜のフィールドワーク時の写真
宮城スリバチ学会のイベントで、被災した仙台市荒浜のフィールドワーク時の写真

「宮城の場合、仙台はスリバチではなく、河岸段丘。市街地は階段状になっており、その勾配を利用してかつては四谷用水などが引かれていました。窪地ではないものの、地形的には魅力があるまちです。また、市内のみならず、近郊にも遠征、あちこちの地形を楽しんでいます」。

雄物川の三角州に広がる秋田市は肥沃ながら平坦な土地が多く、市内で台地といえばかつて久保田城があった千秋公園周辺。ただ、その周辺には深い窪地などもあり、これまでと違う視点でみれば新たな発見も多いはずだ。

■首都圏では多摩武蔵野、千葉、神奈川、埼玉に

多摩武蔵野スリバチ学会のフィールドワーク。芦花公園での一枚
多摩武蔵野スリバチ学会のフィールドワーク。蘆花公園での一枚。左の建物は蘆花記念館

首都圏では各県及び都下の多摩武蔵野にスリバチ学会がある。多摩武蔵野は武蔵野台地の奥の多摩丘陵が主舞台で、都心ほどの凸凹はないものの、湧水があり、国分寺崖線がありと地形は変化に富む。

千葉は海に囲まれている県ながら、実は面積的には台地、丘陵の占める割合が高いという不思議な場所。逆に埼玉県は海がないにも関わらず、実は低地が多い。

「千葉は武蔵野台地同様、標高で20m以上の下総台地があり、さらに房総半島には上総丘陵も。ですが、人口が集中しているのが海沿いの低地のため、そのイメージが強いのでしょうね。埼玉に低地が多いのは関東平野の真ん中が沈み込む、関東造盆地運動という動きがあるからとされています」。

高低差がはっきりしている場合は危険は目に見えやすい。傾斜や崖がある場合は崩壊を気にするし、その下の低地では液状化その他を危惧する。ところが、埼玉のように薄く、広く窪んだ土地は高低差が意識されにくく、危険に気づきにくい。意外に盛土で作られた造成地が少なくないので、購入時には注意したい。

神奈川は地域によってかなり様相が異なる。横浜市中心部は埋立地、低地と武蔵野台地より高い下末吉台地が接しているため、坂が多く、いささか神戸に似た雰囲気もある。坂の多い鶴見、盆地の秦野など毎回異なる場所を歩いているそうで、変化に富んでいて楽しそうである。

そして、驚くことにスリバチ学会は世界にも広がっている。

ローマで行われたフィールドワーク。現地集合、現地解散ということで日本からスリバチ好きが集まった
ローマで行われたフィールドワーク。現地集合、現地解散ということで日本からスリバチ好きが集まった。写真はローマ近郊のクラウディア水道橋にて

「ローマには七つの丘があり、その間にはもちろんスリバチが。ヨーロッパではイタリア・フィレンツェ、フランス・パリに活動している人がいます。アジアでは台北。台北は後藤新平が立案した都市計画によって碁盤の目状のまちになっていますが、その整然とした街並みのところどころに不規則な道などがあり、それが暗渠。暗渠周辺には日本のスリバチの底と同じように古い街並みが残っていることが多く、共通項を感じます」。

面白いのは言葉が通じないとしても、地形やスリバチ的な現象は世界に共通しているということ。東京でまちのルールを理解できたら、パリでも、ローマでも同じ感覚で歩き回れるとも言えるわけで、そう考えると歩いてみる価値はあるというものだ。

健美家編集部(協力:中川寛子)

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