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まちの個性に合わせた開発、情報発信が決め手。「東京は郊外から消えていく!」の三浦展氏に聞くB

不動産投資全般/専門家インタビュー ニュース

消費、社会、家族や地域、都市と郊外など幅広いジャンルの調査、執筆で知られる三浦展氏。著書に80万部のベストセラーとなった『下流社会』のほか、不動産・住宅関連では『東京は郊外から消えていく!』『東京郊外の生存競争が始まった!』『人生を変えたいなら、住む街を変えよう あなたにいちばん似合う街』など。消費社会と価値観の変遷を論じた『第四の消費』は中国でベストセラーとなっている。
消費、社会、家族や地域、都市と郊外など幅広いジャンルの調査、執筆で知られる三浦展氏。著書に80万部のベストセラーとなった『下流社会』のほか、不動産・住宅関連では『東京は郊外から消えていく!』『東京郊外の生存競争が始まった!』『人生を変えたいなら、住む街を変えよう あなたにいちばん似合う街』など。消費社会と価値観の変遷を論じた『第四の消費』は中国でベストセラーとなっている。

社会デザイン研究者の三浦展氏へのインタビュー3回目は不動産所有者がまちに対してできることについて。不動産はそのものがどんなに良くても、どこにあるかで投資の成否が決まる。であればこれからは不動産所有者、投資家がまちに関わることも必要になるだろう。どのような形でまちに関われば良いか。教えていただこう。

■料理する男性が住む広尾、マッチョ系に好まれる六本木

まちによって選ぶ人は異なるという。

六本木と広尾、さほど離れていない場所だが、それぞれのまちを好む人はタイプが違う
六本木と広尾、さほど離れていない場所だが、それぞれのまちを好む人はタイプが違う

「私の「住みたい街調査」を分析すると、たとえば同じ港区でも広尾を選ぶ人と六本木を選ぶ人は違う。広尾に住みたい男性は料理をするし、夫婦揃って生活を楽しもうという人達という傾向があります。ところが六本木を選ぶ男性は料理はしないんです。仕事とお金が最優先なのでしょう。このように、まちによってどんな人が好むか、集まってくるかは異なり、その積み重ねによってまちの個性というものが形作られる。これからも選ばれるまちであろうとするなら、どういう人を集めて、どういう個性の街に変えていくかを構想するべきです。」。

■不動産オーナーの意向でまちは変わる

投資の仕方ひとつでまちは変わるのだと三浦氏が挙げたのは群馬県南東部にある工業都市・太田市。「空き店舗を埋めようと風俗店を入居させたところ、一帯に同業種が集まり、風俗街になってしまった例です。これは困ったことですよね。大家さん、地主さんにはどんな人、業種を入居させるかでまちを変えるすごい力がある。いい街にしようと思えばできる。矜持を持ってまちづくりをするべきではないでしょうか」。

その際に大事なのは多様性。日本人はつい、隣を見て同じものをと考えがちだし、何かが流行っていると聞くと、それにしようと同調してしまう傾向があるが、それでは生き残るまちにはならない。

「同じ沿線の隣の駅前にタワーマンションができたから、ここでも競うように同じものを作っても個性のあるまちにはならない。再開発は安心、安全、清潔で、いわば女性に好まれるまちを作りがちですが、今は女性自身が変わり、もっと多様性がある。猥雑な飲み屋街も好まれるようになってきている。清潔、安全一辺倒で無個性な街では選ばれない。渋谷駅前では超大規模の再開発をしていますが、のんべえ横丁は残すことにしました。だからこそ世界中からたくさんの人が集まる」。

■多様性のないまちは衰退する

今、銀座は面白くないと三浦氏。それは多様性が無くなったからだという。

「都市計画学会誌でも銀座について聞かれたので徹底批判しました。銀座に限らず、どのまちでもまちにある業種の種類がどんどん減っています。地価の高いまちでは賃料が高くなりすぎて、個人の喫茶店は経営できない。かつては飲食、物販ともに多種多様な個人店があったし、映画館や娯楽施設もたくさんあった。浦和にも1970年代まではヌード劇場まであったくらいで、それぞれの街に商業娯楽が一揃いあって、それが個人店だったから画一的ではなかった。ところが今は、チェーン店ばかりになり、均質化が進んでいます。それでどんどん面白くなくなるのです」。

一方で人の向かう先は多様化している。かつてだったらデートといえば銀座や原宿のような、よく知られた商業などの集積している場所に行くのが一般的だったが、今では人により、行き先は実にバラエティに富んでいる。

「SNSのおかげで、いろいろな招待状がスマホに届くようになりました。小竹向原で建築のオープンハウスをやっているから見に出かけたり、味噌作りのワークショップがあるからと江古田へ行ったりと、人の行き先がばらばらになってきた。アクティブな人ほどいろいろなところに身軽に行っている。かつて渋谷公園通りには1時間で4000人の人が歩いていました。それがいまはおそらく40箇所に100人ずつ人が分散しているような状態です。SNSで上手に発信すれば自分のまちに人が呼べるのです。そのツールをどう使うか、不動産オーナーはSNSでまちに人をどう集めるかも考えるべきでしょう」。

■利便性を越えるコンテンツの要素とは?

特に住宅を作るために開発された郊外では元々多様性に欠けるだけに、それをどうカバーしていくかが今後の生き残りのためには重要である。ただ、前述したようにアクティブな人たちは『わざわざ行かなくてはいけない』場所でも興味があれば足を運ぶ。利便性が重要視される時代ではあるものの、コンテンツによっては利便性を越えることもできる時代でもあるのだ。

そのためのキーワードとして考えたいのは「集まる場」。

「不動産会社、不動産オーナーは商業ビルを造ってテナントを入れれば人が集まると思っていますが、そうではありません。西荻ですら去年できた新築飲食ビルの1階がまだ空いている。モノを買わない時代には人は人と交流したいと思っている。

それでなんだったら料理も出しますよというスタイルがよい。コワーキングスペースなどのオフィスでもキッチンがあるものが人気だそうです。今は、商業ビルに人が集まるのではない。商業ビルに人が集まっても個人個人は交流しないからです。今は見知らぬ他者と出会い、新しい発想や行動につながる出会いを求めている。特に郊外では今後は個人として集まる場が必要になってくる。私が郊外でのスナックが大事といっているのはそうした意図です。昔ながらのスナックではなくて、多世代交流の場としてのスナックが必要です。」。

しかも、そうした場の多くは女性が作っていることもポイントだ。

「リタイア後の男性が始めたジャズバーはまず失敗します。人の交流感がないのでしょう。でも女性が始めた店は続く。女性はおしゃべり、コミュニケーションが得意だからでしょう。その意味では女性の力を使うことは重要。それはプロでなくても、住宅地の中のママかもしれない。ママはまずママ友と飲んだり食べたりおしゃべりしたりする場所が簡単につくれる。そこにおじさんも集まる。子どもも来る。そういう内発的な力が発現しやすい場所を提供していくことが大事です」。

■不動産オーナー、大家は何を目指すか

多くのまちを歩き、人に出会っている三浦氏からすると社会には意外に成功事例があるものの、一般の人はそれを知らないという。

「少し前にある大手不動産チェーンの社員と話していて、その人が東京R不動産を知らないことに驚きました。不動産業界にいるのに、その業界で近年ずっと新しい面白いことをやり続けてきている会社を知らない。情報源が狭すぎる。西荻にあるokatte西荻とかも知っていて欲しいけれど、知らない人も多いでしょうね。なぜならR不動産もokatte西荻も、旧来の不動産事業ではないからです。不動産業界の中の情報としては流れにくいのでしょう。だから別の情報源をとるべきだ。ネット上には面白いまちづくり情報はいくらでもある。それを見るところから始めないといけない。

特に近年、不動産を巡っては変化が急で、様々な動きがある。すべてを追うのは難しいだろうが、社会がどちらの方向に向いているかだけはいつも意識しておきたいものである。

健美家編集部(協力:中川寛子)

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