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賃料相場、今秋から2021年以降に注意!新型コロナによる経済悪化の影響は遅れて出る

不動産投資全般/専門家インタビュー ニュース

2020/06/28 配信

企業は業績悪化で住宅手当の打ち切りも
家賃払えない入居者は安い物件へ転居

6月19日、都道府県境を超えた移動が解除され、新型コロナウイルス感染拡大で打撃を受けた日本経済が、少しずつ正常化に向かい始めた。物件を貸し出し利益を得ている不動産投資家にとって気になるのは、今後、賃料相場が果たしてどう動いていくかだ。

東京カンテイ市場調査部の高橋雅之主任研究員によると、「今年秋から2021年にかけて以降の賃料相場に要注意。賃料相場は経済の動きに遅れて影響が出る」という。

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高橋氏はまず、「(東京カンテイで)まとめている賃料相場は、分譲マンションが一回、売り渡され、さらに貸し出しという形でマーケットに出てきたものをとらえている」と断った上で、次のように語る。

「賃料相場は、経済状況よりもワンテンポ、ツーテンポ遅れて変動がやってくる。新築、中古のマンションの(販売)価格が、景気の変動に敏感に反応する部分があるのとは違う点だ。経済が悪くなっても、借りている人が入居している最中に、(オーナーが)すぐに賃料を下げたり、上げたりということはない」

その意味で、コロナ禍で足元の景気が冷え、企業業績が悪くなっている影響は、賃料相場に、そこまで出てきていないという。だが、秋口から来年にかけ、国内経済の先行き不透明感が晴れず、企業業績の悪化が進むことになれば、注意が必要だという。

「賃金が下がったり、企業が住宅手当を出せなくなったりすると、高い賃料が出せず、都心部から、周辺の、もっと相場の安い賃料の物件へと引っ越す人が出てくる。入居者が出ていった段階で、賃料の減額改定の動きにつながりうる。また、賃料の額面のそのものを変えることが難しくても、フリーレントにしたり、敷金・礼金を弾力的に見直すといった動きがありうるだろう」

1都3県の分譲マンション賃料、5月はマイナス
ただし、堅調トレンドはまだ変わらず

ちなみに、東京カンテイが6月16日発表した5月の首都圏・分譲マンション賃料は、賃料水準が高い東京都の事例のシェアが相対的に大きくなった影響から、前月比0.3%プラスの1平方メートルあたり3061円と小幅ながらも上昇傾向を維持した。

だが、都県別で見ると、東京都は0.5%マイナスの同3647 円、千葉県は2.2%マイナスの同1603円と、引き続き下落。神奈川県は0.1%マイナスの同2310円、埼玉県は1.1%マイナスの同1728円とマイナスに転じ、首都圏の1都3県全てが下落した。

「ただ、分譲マンションの賃料マーケットは独特で、サンプル物件が少なく、そのときどきに出た物件のバイアスがききやすい。先月と比べ、築年数が進み古くなったものが出てきたことが、賃料水準の下がった一因といえる。マイナスになったから相場が渋くなった、景気が悪くなったと考えるのは早計だ」

築年数やエリアを区切ったものを精緻にみると、まだ横ばい、堅調で、まだトレンドが変わったわけではないという。
ちなみに、近畿圏では、事例シェアの約半分を占める大阪エリアで賃料水準が低下したため、0.3%マイナスの同1961円と、4カ月ぶりに反落。中部圏は0.4%プラスの1750円と、3カ月ぶりに上昇している。

今後は「毎月勤労統計」「賞与額」などに注目
懐具合≠ェ入居者の動向を左右する

高橋氏が今後の指標として注目するのは、国内総生産(GDP)など経済全体の動向を示す指標のほか、賃料へ影響を及ぼす、借りている人の懐具合≠示した指標だ。具体的には「毎月勤労統計の賃金に関する統計や賞与など、収入面の指標に注目している」という。

ちなみに、厚生労働省が6月9日に発表した毎月勤労統計調査(速報)によると、4月の名目賃金に当たる現金給与総額は、前年比0.6%減の27万5022円だった。

厚生労働省の毎月勤労統計から
厚生労働省の毎月勤労統計から

また、経団連が6月17日に発表した、大手企業の今年夏の賞与(ボーナス)の1次集計結果によると、平均妥結額は92万5947円で、昨年夏比で6%減に。マイナス幅は、リーマン・ショック直後の09年夏の19%減以来、11年ぶりの大きさとなった。

一方、都心部のタワーマンションなどは所得が高めの人が入るが、低い所得の人が入る中古アパートなどだと、賃料を下げざるをえない状況は、より現実的だ。そもそもアパートは「競争相手が少ない分譲マンションと違って、ストックが多いのも、賃料が下がりやすい要素といえる」(高橋氏)。

5月10日の配信記事「2020年度補正予算が成立 最大200万円の給付金、賃料支援・・・新型コロナ対策をおさらいする」などで紹介した国や自治体の支援策も利用しながら、入居者をつなぎとめ、賃料を下げざるをえない状況を回避したい。

取材・文 小田切隆

【プロフィール】 経済ジャーナリスト。長年、政府機関や中央省庁、民間企業など、幅広い分野で取材に携わる。ニュースサイト「マネー現代」(講談社)、経済誌「月刊経理ウーマン」(研修出版)「近代セールス」(近代セールス社)などで記事を執筆・連載。

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