2005年に発売され、大きな話題になった書籍「下流社会 新たな階層集団の出現」(三浦展著、光文社新書)から16年。三浦氏がその後の下流社会を追った「大下流国家 オワコン日本の現在地」を出した。
タイトルだけ見ても下流からさらにその下へという移行が読み取れるが、それが何をもたらしているのか。不動産に関わる人間は何を意識したら良いのかをお伺いした。
「下流」の問題はお金だけではない
2005年の「下流社会」は三浦氏が下流と呼ぶ、所得が低いだけではなくコミュニケーション能力、生活能力、働く意欲、学ぶ意欲、消費意欲などといった人生への意欲が低い人たちが若年層を中心に出現、それによって生活や住む地域などに差が生じていることを豊富なデータから解説したものであった。
それから16年。あの時以来、社会は変化し続けている。しかも、ある部分は三浦氏の予測を裏切るような形になっているという。
「この16年に限らず、それ以前から日本人の給料は上がっておらず、最近ではそれを指摘する、安くなった日本といった調子の書籍も目に付くようになっています。エンジンの壊れた飛行機が旋回しながら少しずつ高度を下げていくように、日本の多
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