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まだまだ強含み、バブル経済とは異なる不動産市場。東京の次は大阪、福岡か。

不動産投資全般/市況 ニュース

不動産価格に天井感が漂っているものの、来年、投資市場に本格的な調整局面が訪れるとの見方は少ない。東京オリンピック・パラリンピック後も都市部や駅に近い物件の価格は高止まりし、再開発計画が進んでいる地域では引き続き価格の上昇を見込む強含みの展開が予想されている。

1980年代後半からのバブル経済期とは様相が異なっている。リーマン・ショックによる世界金融危機後にマイナス圏に落ち込んだ企業の業況判断DIは、民主党から自民党に政権が移り、プラスへ転じた。

アベノミクスが発動されてからの業況判断DIは、足もとでは米中貿易戦争の影響で弱含となっているが依然としてプラス圏での推移を保っている。

不動産サービス大手のJLL(ジョーンズラングラサール社)では、向こう5年は経済が堅調にあるのではないかと見立てており、2019年の商業用不動産の取引額は前年比5%増加の4.2兆円を予測する。

低金利政策は2020年も続くとして2019年比で投資額が若干増加すると見ている。同社によると、今後の経済をけん引するのは、AI(人工知能)に代表されるテック企業だとして従来の金融業界や重厚長大産業ではなくなるのが特徴としている。

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▲JLLは11月11日、都内で不動産投資フォーラムを開催して今後の見通しなどを説明した

機関投資家や国内事業会社にとって人気の投資対象はオフィスビルだが、品不足感が募っている。アベノミクス以前であれば、オフィステナントが退去するとキャッシュフローが減ってしまうため、なるべく早く次のテナントを見つけようとの動きが常だったが、現在は全く異なり、テナントの退去を歓迎するムードが強くなっている。なぜなら、退去後のテナントのほうが高い賃料で借りてくれるためだ。

こうした光景はオフィスに限らずレジデンスでも見られる。東京カンテイが分譲マンション賃料を調べたところ、東京23区では10月の1u当たりの賃料が3716円と過去最高値を更新した。

転入人口の増加を踏まえた潜在的な居住ニーズ高さをうかがわせる。住宅の賃料の変動幅も商業用不動産に比べて少なく安定しているが強みだ。

ただ、日本全体として見れば人口減少の本格化が進んでいるため、強含みの不動産市場でもその投資対象の選別が加速し、学生向け賃貸マンションやシニア向け賃貸が注目されている。少子化であっても子どもがいなくなるわけではなく留学生の増加も見込める。高齢者の人口割合も拡大の一途を辿る。

これらは景気変動の影響を受けにくいのが特徴だ。景気が悪くなったからといって子どもを学校に通わせなくなるわけではないし、景気が悪くなったからといって高齢者が賃貸住宅から退去するわけでもない。むしろ安定的に長期に住み続けてもらえるメリットが大きいとして資金を振り向ける投資家は少なくない。

これら投資物件の対象にとどまらず投資エリアの峻別も進む中で、JLLは東京以外のエリアとして大阪に注目している。

2025年大阪万博やカジノ施設の誘致期待など今後のポテンシャルは高く国内外の投資家が注目しているためだ。東京では賃料上昇への期待は薄らいだが、大阪での収益物件の賃料上昇余地はこれからで、今が旬だとする。

大阪に次いで福岡エリアに対する期待も高い。他都市では見られない空港から福岡中心まで近いという交通利便性に加えて、天神地区の開発では容積率の緩和により街が生まれ変わり不動産市場としては有望だと見ている。大型客船の就航が日本で最も多いなど空の玄関口だけでないのも強み。

ただ、日銀の9月短観では、不動産業向けに対する金融機関の貸出態度は前期比1ポイント低下し13ポイントとなった。2009年以降、金融機関の貸出姿勢は積極的であったが、2016年に22ポイントを記録してから低下傾向で推移している。強気の姿勢の投資家と金融機関の融資姿勢の攻防戦は続きそうだ。

健美家編集部

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