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上野典行氏、永井ゆかり氏が語る「2021年の不動産経営」とは?モクチンパートナーズ座談会

不動産投資全般/市況 ニュース

2020/12/07 配信

2020年11月16日に築古賃貸の安価で効果的な改修法として知られるモクチンレシピを活用し、様々なまちづくりプロジェクトを推進するモクチン企画がイベントを開催した。題して「モクチンパートナーズ座談会 2021年の不動産経営を考える」。

モクチン企画と一緒にこれからの賃貸経営を考える地域の管理会社=モクチンパートナーズを対象にしたイベントだったのだが、非常に賃貸経営者にも参考になる内容でもあり、一部をご紹介させていただこう。

オンラインでも配信、質問も寄せられた
オンラインでも配信、質問も寄せられた

イベントではプリンシプル住まい総研の上野典行氏、全国賃貸住宅新聞の永井ゆかり氏が登壇、それぞれに最新の不動産経営の動きについて語り、その後、モクチン企画代表の連勇太朗氏がモクチンパートナーズの最近の動きを紹介、最後にディスカッション、質疑応答が行われた。

「東京から人が転出している」は本当か

当日のお題はこんな感じ。「不動産DXで話すことは珍しい」と永井氏
当日のお題はこんな感じ。「不動産DXで話すことは珍しい」と永井氏

まずは上野氏。コロナ禍で変わったもの、変わらないものをテーマにした内容だったのだが、冒頭で語られたのは巷で言われる東京を脱出する人の増加、東京一極集中の終焉への疑義。

実際の数字を見ると、確かにこの春から転出超過の月はあったものの、2020年1月から8月で見ると東京都の人口は増えているというのである。

外国人は確実に減っているが、日本人は増えており、また、東京圏という言い方で言えばかなり増えてもいるはず。「東京一極集中に変化」はショッキングなニュースであり、読まれる。だから、書きたてられているのだろうが、統計、数字は冷静に見る必要がある。

ただ、巷で語られるうちにはいくつも参考になる事実がある。たとえば一戸建て、中古マンションが売れているというのは確実な話だと上野氏。新しい住まい方として住宅内に仕事場ニーズが高まっていること、宅配ボックスなど非接触でモノを受け取れるツールが求められていることも事実。

また、テナント物件ではUberの躍進で宅配前提の店舗、いわゆるゴーストレストランも登場し始めているという。

ホームセンターの増収増益、ネット通販の利用者増、リモートワーク増加によりオフィスチェアの売れ行き拡大、家族で過ごす時間が増えたことから男性も料理を手がけるようになり、男性向け料理番組が登場など、社会には様々な変化が表れている。

テレワーク対応物件ニーズは地域によって濃淡あり

だが、そのうちには冷静に見たほうが良いことが人口以外にもある。上野氏の指摘でなるほどと思ったのはテレワークの広がり。

首都圏では確かに広がっており、テレワーク対応を謳う物件も出てきている。だが、首都圏を離れると地域によってはさほど普及はしておらず、そこを見誤ると必要のない物件を作ってしまうことにもなりかねない。

「ただ、東京からの転勤者はオンラインを前提にしている場合があり、そういう人達の多いエリア、転勤者ニーズをあてこんだ物件であればテレワーク対応の設備、スペースを考える必要があるかもしれません」。

脱ポータル、アナログを見直す必要も

もうひとつ、住まいのニーズの変化が脱ポータルサイトに繋がるのではないかという指摘も興味深かった。たとえば、家族で映画を楽しみたい、宅配の人に部屋の中を見られたくない、周囲の音を気にせずにテレワークできる等、コロナ禍で生まれてきたニーズから部屋探しをしようとするとポータルサイトからでは不可能。

ポータルサイトは数字や固有名詞に落とし込める情報の検索には向いているが、それ以外の感性にかかるものは難しい。それをどうしていくか。現在のポータル以外の検索サイトの利用なども含め、今後、変化が出てくるのではなかろうか。

不動産DXは不動産会社のみならず、大家にもメリット大

続く永井氏の講演テーマは不動産DX。言葉としてはよく聞くが、何かといえば昨年まで不動産テックと言われていたものが言い換えられたものらしい。簡単にいえばIT技術を使って不動産の仕事を効率化するというもので、機械にできる仕事は機械にやらせ、人間は人間しかできない仕事をしよういう流れだ。

コロナ禍で非対面、外出自粛、デジタル推進の動きが加速、取組みが本格化してきたが、率直なところ、ただ、不動産DXと聞いてもそれが何で、自分たちにどんな影響を及ぼすのかは分かりにくい。だが、この日の永井氏の講演は具体的で分かりやすかった。

たとえば、現在進んでいる不動産DXは大きく4つの分野に分けられるという。ひとつは集客で、ここではVR内見、集客や追客の効率化、そしてスマートロックなどが挙げられる。ここでは物件見学からその後の入居希望者とのやりとりをどれだけ効率化できるかということが検討されている。

次は契約。これは多くの人が想像できる分野だろう。ウェブでの申込みや電子契約などがここに当てはまる。後の2種類は入居者、オーナーそれぞれとのコミュニケーションツールである。入居者に関していえばアプリを通じて様々な伝達事項を確実に届けることが主眼であろうし、オーナーに関していえば収支状況の共有などが促進される。

こうした業務の様々な分野での効率化で不動産会社は繁忙期のブラックな状況などから脱することができ、時間が生まれる。それによって不動産会社の採用は有利になろうし、スムーズに問合せから内見、契約まで行くようになれば入居希望者の手間も減る。

対不動産オーナーに対しては、これまで後手後手に回りがちだった物件改善の提案に時間を割けるようになる。つまり、IT利用で業務の効率化が進めば、あらゆる関係者にメリットが生まれるというのである。

とはいえ、全てがすべてデジタル化することが良いわけではないと永井氏。入居希望者の中にはどうしても直接会って説明を聞きたい人もいようし、オーナーも同様。それを考えると関係者に対して選択肢を増やす方向で臨むのが良いのではないかと永井氏。

デジタルでの対応を臨む人にはそのやり方で、アナログが良いという人にはそれでと相手に応じて柔軟に対応できるようにするということで、言葉だけ聞くと面倒に思えるかもしれないが、全体としての労力が減れば十分可能な話である。

不動産オーナーとしては自分が付き合っている不動産会社がどういう考えで不動産DXに臨もうとしているのか、よく理解し、それに遅れないようにすることが大事だろう。

これからの不動産経営では地域を見ることも大事

最後の登壇である連氏はモクチンパートナーズの最近の動きを紹介した。埼玉県の平和建設が建設したアトリエ付の長屋「はねとくも」、新潟県の日建不動産ピタットハウス上越店の建物の歴史を伝える縁プロジェクト、トーコーキッチンで知られる東郊住宅社が始めた新サービス、100円から頼める家事代行サービス「ゴーヨーキーキー」などいくつか紹介されたのだが、そのいずれにも共通するのは地元密着の不動産管理会社に自分たちが扱う物件だけでなく、地域そのものをも良くしようとする動きがあるのだという点。今後、衰退する地域も出てくる状況を考えると大事な視点だろうと思う。

最後は三者によるディスカッションと質疑応答。ここでも出たいくつかの質問に共通項があるように思った。簡単に言えばもっと勉強しよう、考えようということである。

たとえば、業務効率化を図りたいという不動産会社に上野氏は「忙しいから楽にしたいというのであればシステム導入ではなく、人を雇う手もありますよ」と答えた。

会社の規模により、忙しさの要因により、解消方法は個別に違う。世の中が不動産DXというから何かそれらしいシステムを導入しようというのではなく、自分たちは何をしたいのか、そのために必要なものを考えるところから始めないと効率化には繋がらない。考え、調べてみよう、勉強しよう、である。

「幸い、今は月々定額で安価に導入できる仕組みもある」と永井氏。「必ず自社にあうものがあるはずなので探してみては?」とも。

また、難しいシステムではなく、LINEやチャットを使うことで解消できる問題もある。管理会社に限らず、どの立場にあっても、すぐに始められることはすぐに始めよう。最終的にはその姿勢が大事なのだろうと思ったものである。

健美家編集部(協力:中川寛子)

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