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世界基準での見方は?状況次第では拡大の期待も。2021年の東京の不動産市況を展望

不動産投資全般/市況 ニュース

2021/01/11 配信

都市政策の第一人者、明治大学名誉教授市川宏雄氏が所長を務める「グローバル都市不動産研究所」(以下、同研究所)が2020年の東京の不動産市況の推移を振り返り、2021年を予測するレポートを出した。同研究所を運営する株式会社グローバル・リンク・マネジメント代表取締役社長の金大仲氏に解説をお願いした。

レポートは大きく3点から成る。ひとつは2020年の東京の不動産市況の振り返り。これに関しては非常にざっくり言うとマンションは堅調だったものの、オフィスはやや弱含みという状況である。

もうひとつは同様に2020年の東京の地価動向の振り返りである。これに関しては横ばい地域が多く、意外に地価は下がっていない。

そして、最後のひとつは世界の中での東京という観点から考える、2021年の展望だ。これについては他であまり語られていない点である。そこで、レポートの3つのポイントのうちでも、まず、この点について取り上げたい。

東京への投資額は世界でトップ

海外から日本への投資が他国と比べてずば抜けて多いことが分かる
海外から日本への投資が他国と比べてずば抜けて多いことが分かる

レポートではジョーンズラングラサール(JLL)の調査を取り上げ、2020年1-9月期の東京の商業用不動産投資額が194億ドル(約2兆円)と、世界トップになったことを伝えている。

前年同期は4位となっていたが、一気にトップである。しかも、数字を見ると分かる通り、二位のソウルは142億ドルで大差がついている。以下の都市も130億ドル前後が大半で東京だけが頭ひとつ飛びぬけているのである。

今回、話を伺った金氏。世界から見た日本の投資事情の話が面白かった
今回、話を伺った金氏。世界から見た日本の投資事情の話が面白かった

「2020年12月24日に東京都港区にあるエイベックスの本社ビルがカナダの大手不動産ファンドに売却されることが報道され、ニュースになりましたが、海外の機関投資家は今、アクセルを踏んで東京の不動産を買い漁っています。リーマンショックの時もそうでしたが、指値を入れてバルクで買う。対象は商業テナント、レジデンスなどで、取引は活況です」と金氏。

一般の投資家にとっての東京は近年の価格高騰で利回りが低下、利益を上げにくくなったと思われているが、海外からはそうは見えていない。今回のコロナ禍でも他の海外大都市に比べて経済的な打撃が比較的少なかったこと、海外他都市の1〜2%程度という利回りに比べると東京の、住宅でも3〜4%という利回りは十分高いと認識されているのである。

「2020年には2月から海外への販売を一時中止していたのですが、その後解禁したところ、8月以降中国からの問合せが増加。コロナ以前と変わらないほどです。これは米中関係の変化を見込んでのこと。政権が交代しても政策の継続性が比較的担保されていること、生活や教育のレベルが高いことなどから海外投資家に選好されたのではないでしょうか」。

こうした状況から、同レポートはコロナ次第ではあるものの、感染拡大が落ち着けば回復は期待できるとしている。国内の情報だけを見ていると芳しくないニュースばかりで先行きが不安に思えるが、世界レベルで考えると、東京には高いポテンシャルがあるのだ。

既存オフィスビルは空室増、賃料ダウン

続いて2020年の不動産市況の振り返りだが、すでに多くの報道がある通り、オフィス市況は弱含み。レポートによると東京都心5区のオフィスビル平均空室率は、これまで1%台。ところが、5月以降徐々に悪化し、11月には4.33%(前月比0.4ポイント増)まで上昇しているという。

ここで大事な点は既存ビルでの空室率がより悪化しているという点。

「新築ビルは今、勢いのある会社や、規模が大きく財政的にも安定している会社が入っており、それほど状況が悪いわけではありません。ところが、既存のビルは中小企業などが多く入居していることもあり、そこで規模の縮小、移転などがあると空室になりやすいということでしょう」。

空室率では渋谷区、港区が大きく悪化、千代田区でも7月以降上昇傾向にあり、それを受けて渋谷区では4月から、千代田区、港区でも7月前後から平均賃料が低下傾向に転じている。このところの大規模再開発で生まれる新築オフィスビルの動向を懸念するニュースもあるが、実際のところは既存の中小ビルほど影響が大きいわけである。

手堅いのはやはり住宅

その一方で手堅いのはやはり住宅である。

「このところ、宿泊に注目する向きもありましたが、社会がピンチの時でもやはり住宅は強い。どのような状況でも住宅は必要だからです。特に23区外の一戸建て、ファミリー向けマンションは価格も上昇、取引も活発で、一戸建て用地はこの間で在庫が一層したという声も聞こえるほどです。

テレワークの普及により広めで環境の良い郊外の人気が上がっているというわけですが、一方で都市の取引も活況。リーマンショック時同様、都心のマンション用地が下がるのではないかと期待され、5月、6月くらいになったら売り物件が増えるかと思っていましたが、ほとんど出ませんでした。

ホテル用地の取引はありましたが、住宅用地は動かず。リーマンショック時と違い、融資の引き締めはなく、逆に融資延長などに応じた金融機関が多かったからでしょう」。

地価の動向で見ても住宅地は横ばいである。国土交通省が四半期ごと(毎年1月・4月・7月・10月)に公表している「地価LOOKレポート」でみると2020年第3四半期(2020年7月1日〜10月1日)の東京都区部主要地区の地価動向は、横ばいが16地区、下落が8地区。

その内訳は商業系地区が横ばい9地区、下落8地区で住宅系地区は7地区すべてが横ばいとなっているのである。全体として地価は下がっておらず、特に住宅系は横ばいで変化は無い。

こうしたことを考えると、コロナ以降は宿泊系での新しいサービスの登場などが期待されるものの、現状での最強の投資は住宅と判断せざるを得ない。

「特に個人の投資でハイリスク・ハイリターン以外で確実なものを狙うとしたら、結局住宅になるということでしょう。都心の駅近くでさらに再開発エリアであれば、まだまだ需要に対しての供給は少なく、入居率も高い。都心部の好立地な不動産であれば売却もしやすく、出口戦略も立てやすい。物流も伸びているジャンルですが、個人では手を出しにくい。現状は住宅が最も手堅いということでしょうか」。

今後の感染状況、リモートワーク普及その他不確定要素の多い時期だが、前向きに投資を考えていきたいものだ。

健美家編集部(協力:中川寛子)

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