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電通G、エイベックスが本社ビル売却も「市場影響は心配なし」 国内外から買い手が登場

不動産投資全般/市況 ニュース

2021/02/27 配信

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電通G、3000億円規模で過去最大の売却
コロナ影響か、国内不動産大手が購入?

最近、大手企業が東京の超一等地にある本社ビルを手放す動きが広がっている。今年1月には、広告代理店大手の電通グループが汐留の本社ビルを売却する方針であることが判明。

昨年12月には、大勢の有名アーティストを抱えるエイベックスが、南青山の本社が入るビルの売却を発表している。いずれも新型コロナウイルスの感染拡大を受けた業績悪化などが背景とみられる。

不動産投資家が気になるのは、こうした大手の動きが、とくにビルを中心とした賃貸市場に悪影響を及ぼすかどうかだ。

しかし、いずれのケースも買い手が手を挙げており、専門家は「日本の不動産が根本の部分で評価されている」と分析。

市場への悪影響は「現状、心配ない」と話す。投資家はニュースに慌てず、じっくり腰を据えてかかることが大切だ。

電通が売却する汐留の本社ビルは、地上48階建て・高さ200メートル強の超高層ビル。電通の本社機能のほか、低層階にはレストランや劇場などが入る複合商業施設「カレッタ汐留」がある。

竣工は2002年。汐留の再開発地区の一隅に作られた。オフィス棟はフランスの、商業棟は米国の有名建築家がデザインを手がけている。

売却額は3000億円規模と、過去最大になるとみられている。売却先としては、国内不動産大手の名が挙がる。電通はビルを売却後、賃料を支払って改めて入居し、本社機能は移さない方向。ただ、電通のオフィス用面積が半分ほどに削られることになるとされている。

電通本社ビルを理由の一つとみられるのは、新型コロナを背景に業績が悪化し、資産を整理する必要性が出ていることだ。

電通グループが2月発表した20年12月期の連結決算は、最終損益が1595億円の赤字(前期は808億円の赤字)で、過去最大の赤字額となった。新型コロナの影響で国内外の広告事業が振るわず、海外事業を中心に、ブランド価値を示す「のれん代」などの減損処理をしたことが影響した。

もう一つの理由とみられるのは、新型コロナの影響もあり、社員の働き方が変わってきたことだ。

ビルで働く約9000人のグループ社員は現在、リモートワークを活用しており、出社率は2割程度とされる。電通用のオフィス面積は圧縮されるわけだが、リモートワークの拡大で、必ずしもオフィスに通って働く必要がないという判断とみられる。

エイベックスもコロナでエンタメ事業打撃
ビル売却先はカナダのファンドか

本社の入る南青山の「エイベックスビル」を売却するエイベックスは、いわずとしれた音楽界の雄だ。グループには小室哲哉、浜崎あゆみ、倖田來未などメジャーアーティストらが多数所属し、これまで音楽史の一時代を築いてきた。

エイベックスビルの概要は以下のようになる。

エイベックスの資料から
エイベックスの資料から

売却先はカナダを拠点とする不動産投資ファンドであると報道されている。ビル売却後もリースバック契約を結び、一定期間、入居を続けるという。

同社が売却の理由として挙げるのは「経営資源の有効活用」「財務的柔軟性の確保」「オフィスでの勤務を前提とした働き方の見直し」だ。リモートワークなどの拡大で、必ずしも本社で働かなくていいことに気付いたという側面があったとみられる。

新型コロナで音楽イベントを開けなくなるなどして収益が悪化したため、資産を売却して資金を得、財務を強くすることも狙いとみられる。同社の20年4~12月期連結決算は42億円の最終赤字(前年同期は5900万円の黒字)だった。
コロナでエンタメ業界も苦しい
コロナでエンタメ業界も苦しい
2社だけでなく、大手企業が新型コロナによる業績悪化などからビルを売却する動きは広がっている。
東京だけでなく大阪でも、クリーニング大手の白洋舎が昨年11月、大阪市の「淀屋橋ビル」を11億円で住友商事に売却すると発表した。

日本の不動産の安心感、信用力への評価は高い
賃貸ビルもAクラスビルは入居者すぐ決まる

ワクチンの普及などでコロナが収束すれば、景気や不動産市場の追い風になる
ワクチンの普及などでコロナが収束すれば、景気や不動産市場の追い風になる

では、こうした動きが不動産投資の環境にどう影響するのだろうか。

東京カンテイの井出武上席主任研究員は一連の動きについて、「基本的にはコロナの影響で業績が悪化したり、悪化の恐れがある企業が動いている側面がある。

将来的に業績が悪くなる可能性などを見越して、早めに固定資産を流動化させ、現金化している。大企業でなく、個人ベースでも大企業でもみられる動きだ」と分析する。

その上で、「今のところ、売却されるビルに対し、日本国内からも海外からも買い手が現れている。日本の不動産に対する安心感や信用力、あるいはその複合的なもの、そういった、不動産に関する重要で根本的な部分が評価されている」と話す。

賃貸ビルに関しても、「大型テナントが出ていっても、とくにAクラスビルはすぐテナントが決まる。コロナで(従業員同士の)ソーシャルディスタンスをとる必要から、逆に床(広さ)を必要とする動きもある」という。

井出氏は「大きな物件が売りに出て買い手が現れないと不動産市場への影響が大きく、(これまでの歴史にもあったように)ダウントレンドになる可能性がある。だが、足元では買い手がついているため、悪影響の連鎖がするなどの心配は現状ないとの見方をしている」と話す。

今後、ワクチンや治療薬の普及などで新型コロナが収束し、景気が上向けば「床が必要な局面となる」とし、オフィス需要が高まると予測している。

取材・文 小田切隆

【プロフィール】 経済ジャーナリスト。長年、政府機関や中央省庁、民間企業など、幅広い分野で取材に携わる。ニュースサイト「マネー現代」(講談社)、経済誌「月刊経理ウーマン」(研修出版)「近代セールス」(近代セールス社)などで記事を執筆・連載。

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