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不動産価格の高騰どこまで?新築価格は33ヶ月上昇も中古は在庫急増。調整局面を迎えれば買い時か

不動産投資全般/市況 ニュース

2023/03/14 配信

2013年から10年間にわたる金融緩和。この緩和マネーが不動産市場に向かい東京を中心に地価を押し上げてきた。不動産価格も軒並み上昇した。

分譲マンションは新築も中古も右肩上がりとなり、不動産経済研究所の調査では、首都圏の新築マンションの平均価格は2021年に6260万円とバブル期を超え、2022年も6288万円と2年連続で過去最高を更新した。東京23区では平均価格が8000万円台を超えている。

東京カンテイの調査では、中古でありながら東京都心部の平均価格が昨年11月に1億円と億ションに達した。今年1月の価格は9965万円(前月比0.2%下落)と12月に続いて下げているが、いまだに1億円に近い水準である。

首都圏全体の平均は、4845万円(前月比0.5%上昇)となり、東京都は6395万円(前月比0.2%下落)である。

東日本不動産流通機構(東日本レインズ)が3月10日に発表した市場動向では、2月の首都圏の成約価格の平均が4359万円となった。

前年同月比では8.3%上昇しており、2020年6月から33カ月連続で上がり続けている。1㎡当たりの単価では34カ月連続で上昇している。前年同月比9.9%上昇と1割近い上昇率である。

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購入から賃貸にシフトする動きも

このように不動産価格は上昇トレンドが続いている。一般的に住宅価格の目安としては年収の5~7倍と言われているが、それを大幅に上回る。

東京カンテイの調査では、毎年その年収倍率を調べているが、それによると2020年の新築マンションの年収倍率は東京都で13.40倍である。マンションは高嶺の花と化している。

この上昇トレンドは続くのか。専門家や不動産関係者は、すでに天井感に達しているとの見方をする。前述の東京カンテイの中古マンション価格からは天井感が見て取れる。東京23区でもおおむね横ばいの6939万円と昨年10月のピークを下回る状況だ。

中古マンション市場では、在庫の増加が止まらない。東日本レインズの今年2月のデータを見ると、在庫件数が4万4760 件に上って前年比で2割増しと急増している。

在庫は13カ月連続で増加傾向にある。価格上昇が続いている現状と照らし合わせると、売り主が希望する希望売り出し価格と買い主が希望する購入価格の目線が大きく乖離していることでマッチングできていない状況がわかる。

販売現場からは、金利が本格的に上がる前の駆け込み需要に期待する声も聞かれるが、在庫の増加傾向を見ると、「価格が上がり続けていることで予算が合わずに賃貸住宅に一時的に避難する動きが目立っている」(賃貸仲介会社)との声のほうが現状を表していると言えそうだ。

金利の本格上昇は市場を冷やす

これから不動産関係者が最も警戒しなければならないのが金利の上昇である。不動産関係者も金利動向を注視する。日銀の新総裁は国会の同意を得て3月10日に経済学者の植田和男氏に決まった。今の黒田総裁退任後の4月9日に就任する。

現実派との評で各紙が報道する中で、今後の金融政策に注目が集まっているが、金利が本格的に上昇に向かうとすれば、住宅をはじめとする不動産購入に対する需要が落ち込むことは間違いない。

住宅ローン金利が上がれば買い控えにつながり、住宅価格は調整され売り出し価格が下がっていく。新築も中古も住宅市場に影響が出る。

そもそも日本の不動産は諸外国より安い

とはいえ、金利上昇に左右されない属性もいる。富裕層である。現金での一括購入が多く、金利動向に一喜一憂しない。一定の層に限定されるマーケットではあるが、価格調整になれば買い場となる。

そもそも日本の不動産は、海外の主要都市と比べて割安な水準にある。日本不動産研究所の調査では、価格比較を指数化しており、それによると東京100に対してニューヨークが133.6、ロンドンが186.1、シンガポールが125.6、台北が161.0、上海が157.5、香港が248.9である。

円安がさらに割安感を高める。日本の不動産、とりわけ東京の不動産には価格に天井感が募ってはいるが、海外勢が高値圏での推移を下支える可能性もある。

日本の公的債務は膨張している。そうした中で金利を大幅に引き上げることは難しい。金融政策の変更により一時的に円高に向かう局面はあっても、中長期的な視点から日本は円安に向かうとの指摘も少なくない。

富裕層にとっての大敵は不況だ。購入意欲は株高と連動するのが特徴である。仮に金利を引き締めすぎて深刻な不況を伴うようであれば富裕層マーケットが縮小する可能性がある。

だが、これまで見てきたように不動産市場が総崩れする見方は少なく、実需であっても投資用であっても当面はこのまま高値圏が続くとの見方が多い。

健美家編集部(協力:若松信利(わかまつのぶとし))

■ 主な経歴

学生時代から不動産に興味を持ち個人的に不動産関連の記事を多数執筆。大学卒業後、不動産関係情報誌に20年以上勤務。現在は都内のIT会社に勤め、副業でいくつか投資関連の記事を担当・執筆する40代サラリーマン。

※ 記事の内容は執筆時点での情報を基にしています。投資等のご判断は各個人の責任でお願いします。

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