株式投資で配当金生活を楽しむように、「J-REITで分配金を毎月もらおう!」というシリーズ。
J-REIT(ジェイリート)の分配金利回りは3〜6%と、株式投資よりも高配当なものが多い(一部のホテル特化型リートは除く)。
6月決算のJ-REITをいま買うと、3ヶ月後の9月に分配金がもらえる。FIRE(経済的独立&早期リタイア)への第1歩に、6月決算の注目銘柄3つをご紹介する。
6月決算のJ-REITは8銘柄!
注目はCREロジ、エクセレント、Jプライム
J-REIT(ジェイリート)とは、証券市場に上場している金融商品「不動産投資信託」のこと。
J-REITを購入すると、株を買うぐらいの小口資金で、大規模大家さんの仲間になれる感じだ。
詳しくはこちらを参考にしてほしい。
6月決算期銘柄は8銘柄だ。
日本ビルファンド投資法人
日本プライムリアルティ投資法人
フロンティア不動産投資法人
ジャパンエクセレント投資法人
インヴィンシブル投資法人
日本リート投資法人
マリモ地方創生リート投資法人
CREロジスティクスファンド投資法人

※証券コード、銘柄名、投資口価格、予想分配金利回り、NAV倍率。
「投資口価格」は、J-REITの場合の「株価」に相当する。
投資口価格と予想分配金利回りは2021年6月2日終値現在。
注目銘柄は次の3銘柄だ。
日本プライムリアルティ投資法人
ジャパンエクセレント投資法人
CREロジスティクスファンド投資法人

物流施設特化型の中では未だ高利回りのCREロジ
スポンサーは物流不動産の老舗
CREロジスティクスファンド投資法人は、物流施設特化型リートだ。スポンサーは、東証1部に上場している物流施設専門の不動産会社シーアールイー(CRE)。
一般にはあまり馴染みがないかもしれないが、(株)CREは物流不動産分野で50年以上の事業経験を持つ。
同社は、証券化黎明期から物流施設の開発を行っており、自社施設だけでなく他社から預かっている物流施設の運用も行うなど、専門的なノウハウを集積している。

それゆえ、スポンサー会社がJ-REITに物件を売却するだけでなく、その後の運営面もサポートしている。同投資法人のポートフォリオは築浅で、高稼働の物件が多い。
築年数3年未満が41.5%、3年〜5年が41.1%で、平均は築3.8年だ。そして、物件の93.2%が首都圏に位置する。

実際の施設運用にも長けているので、テナントが労働力を確保がしやすいよう、公共交通機関からの徒歩10分以内に位置する物件が84.5%を占める。
資産規模は小型だが、上場時の資産規模477億円から1,123億円へと2.4倍に成長している。一般的な知名度が低い分、物流施設特化型リートの中では同投資法人は利回りが高く、注目銘柄だ。
なお、物流施設は他の物件に比べて、物件価格に占める建物価格比率が高い(つまり、土地が安い)。その特性上、減価償却費が多く計上されるため、同投資法人の場合は減価償却費の約30%の金額を利益超過分配金として、分配金に含めている。
CREロジスティクスファンド投資法人
予想分配金:2021年6月期3,374円、12月期3,504円
保有物件数:19件
取得価格合計:112,316百万円(2021年5月31日現在)
※投資口価格、予想分配金利回り、NAV倍率は前述の表を見てほしい。
徒歩5分圏内の駅近・大型オフィスが得意なエクセレント
スポンサーは日鉄興和不動産、第一生命、みずほFG
ジャパンエクセレント投資法人は、オフィス特化型リートだ。2006年に上場してから、資産規模を着実に拡大している。現在の資産規模は2,723億円で、中規模なJ-REITと言えるだろう。
スポンサーは日鉄興和不動産、第一生命株式会社、みずほフィナンシャルグループだ。
メインスポンサーの日鉄興和不動産は、みずほ銀行と親密な関係を持つ不動産デベロッパーで、東京都心部にオフィルビルや高級賃貸住宅を開発・運用している。
第一生命保険株式会社は、約284棟の投資用不動産(オフィスビルが中心)を全国で運用している。

同投資法人の物件ポートフォリオは、駅近にあり、大型物件が主体だ。
駅近というのは、駅直結が5.8%、駅から徒歩3分以内が66.8%、駅から5分以内が14.6%と、トータルで87%の物件が駅から徒歩5分圏内だ。
そして、大型物件が全体の70.1%を占める。地域は、東京都心6区をメインに大都市圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、政令指定都市など)のオフィスビルだ。

スポンサーの1つ、日鉄興和不動産の拠点が赤坂にある関係で、同投資法人の物件も赤坂や虎ノ門エリアに多い印象だ。
今後もスポンサーからのパイプラインで、オフィスビルの取得が続き、拡大意欲が旺盛なところが注目だ。
現に、5月26日付けの同投資法人のプレスリリースで、新物件BIZCORE神保町の取得等により、2021年12月期の予想分配金を2,700円から100円アップして2,800円に修正すると発表があった。
ジャパンエクセレント投資法人
予想分配金:2021年6月期2,910円、
2021年12月期2,700円→2,800円
保有物件数:34件
取得価格合計:272,344百万円(2020年12月31日現在)
東京建物がメインスポンサーのJプライム
東京オフィスへの重点投資と都市型商業施設も
日本プライムリアルティ投資法人は、東証J-REIT市場に5番目に上場した老舗のリートだ。
オフィスと都市型商業施設で運用する複合型リート。2002年の上場時には921億円だった資産規模が、今は4,656.4 億円と大きく成長した。J-REITの中でも大規模リートと言えるだろう。
スポンサーは東京建物、安田不動産、大成建設、明治安田生命の4社だ。
メインスポンサーの東京建物は不動産デベロッパーで、物件取得や仲介、賃貸や管理運営などのサポートを受けている。
大成建設はゼネコンで、建設会社がJ-REITのスポンサーに入っているのは珍しい。安田不動産は旧安田財閥系の不動産会社で、明治安田生命も同財閥系の生命保険会社だ。
スポンサーからのパイプラインが豊富で、旗艦物件である大手町タワー(底地)は東京建物と大成建設が出資するSPCから取得している。

同投資法人の物件割合はオフィスが約8割、都市型商業施設が約2割。物件の立地は、東京都心と東京周辺部が中心で、全体の約7割を占める。
市場変化のリスクを分散するため、大規模オフィス、大型オフィス、中型オフィスをそれぞれ保有している。
また、テナントが少数に集中しないようにも留意し、総賃貸面積における1テナント当たりの占有率を低く抑えている。
テナント数857社のうち、占有率1%未満が約7割の845社で、1テナントが退去した場合の収益減を抑え、安定運営を目指している。
しかし、2021年6月期に大型テナントの解約があり、2021年12月期の収益が一旦大幅に下がる模様。
着実に上げてきた分配金を急に下げないようにするため、12月期には内部留保の取り崩しをして、2021年6月期と同等の7,550円の分配金を出す方針だ。

日本プライムリアルティ投資法人
予想分配金:2021年6月期 7,550円、2021年12月期7,550円
保有物件数:65件
取得価格合計:4,656.4 億円(2021年5月31日現在)
なお、6月決算銘柄を買って分配金をもらうには、権利付き最終売買日である6月28日15時までに購入しておく必要がある。
最後に、投資判断は自己責任でお願いしたい。
健美家編集部(協力:野原ともみ)